ミルクサイエンス
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58 巻 , 3 号
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原著論文
  • 西村 和行
    2009 年 58 巻 3 号 p. 115-118
    発行日: 2009年
    公開日: 2014/03/15
    ジャーナル フリー
     光学式乳凝固特性解析装置を用いて乳凝固状況を把握し,小規模チーズ製造者の作るチーズ品質向上に資することがこの研究目的である。チーズ原料乳の品質評価のために利用される光学式乳凝固特性解析装置を用いて乳凝固時間を測定した。カード凝固硬の測定は,乳凝固後に貫入法により,カード硬については物性測定装置を用いて,テクスチュアーを示す正および負の強さ(Firmness),もろさ(Brittleness),圧縮強度(Compressive strength),切断エネルギー(Energy for cut-off),凝集性(Coagulation value),粘性(Viscosity),そして,粘り強さと粘度を示すゲル強度(Gel strength)を測定・推定した。生乳殺菌温度は63℃30分でも75℃15秒でも,凝固開始時間はやや延びるものの,乳凝固特性への影響が強くないことが示唆された。しかしながら,規定の殺菌温度までに生乳を昇温させる時間が何分かかるかということが,凝乳特性に大きく影響することが明らかとなった。
  • 関村 有美, 小野寺 尚, 坂野 みなみ, 畑 勲, 濱野 光市, 下里 剛士, 大谷 元
    2009 年 58 巻 3 号 p. 119-128
    発行日: 2009年
    公開日: 2014/03/15
    ジャーナル フリー
     本研究では, Saccharomyces (S.) cerevisiae(酵母)とヤギ乳から調製した酵母に対する IgG を豊富に含む画分(抗-酵母 IgG)のマウスの免疫系に及ぼす作用を検討した。まず,C3H/HeN 系マウスのパイエル板細胞に,酵母単独,抗-酵母 IgG 単独または酵母と抗-酵母 IgG の混合物を添加して培養したところ,酵母単独の場合と比べて,抗-酵母 IgG 単独および酵母と抗-酵母 IgG 混合物を添加した場合は制御性 T 細胞に発現する Rnf128 レベルが有意に増加し,2 型ヘルパー T(Th2)細胞優位に導く Stat6 レベルが酵母と抗-酵母 IgG 混合物添加では顕著に低下し,抗-酵母 IgG 単独では僅かに増加することがリアルタイム PCR 法により確認された。そこで,同系統のマウスに酵母と抗-酵母 IgG 混合物を経口投与し,血清 IgG レベルを調べたところ,非投与群と比べて顕著に低いことが示された。また,それら両群のマウスパイエル板細胞の遺伝子の網羅的解析を行ったところ,非投与群と比べて混合物投与群では B 細胞の増殖や分化および T 細胞の活性化や Th2 細胞優位に導く遺伝子の発現が低下し,制御性 T 細胞に発現する Rnf128 の発現が上昇していた。さらに,酵母と抗-酵母 IgG 混合物をⅠ型アレルギーモデルマウスに経口投与すると,非投与群と比べてアレルギー症状が軽減される傾向にあり,IL-4+CD4+(Th2)細胞数が有意に減少した。これらの結果は, S. cerevisiae とそれに対するヤギ乳 IgG の混合物の経口摂取はマウスにおいてⅠ型アレルギーを抑えることを示している。
  • 岩淵 紀介, 蛭田 直幸, 清水 金忠, 八重島 智子, 岩附 慧二, 保井 久子
    2009 年 58 巻 3 号 p. 129-133
    発行日: 2009年
    公開日: 2014/03/15
    ジャーナル フリー
    Bifidobacterium longum BB536の鼻腔内投与によるマウスの気道の粘膜免疫とインフルエンザウイルス感染に対する影響を調べた。マウスにリン酸緩衝生理食塩水(コントロール群)または BB536加熱死菌体(BB536投与群)を 3 日間鼻腔内に投与した後に,インフルエンザウイルス(PR8 株)を鼻腔内に接種した。3 日後にリン酸緩衝生理食塩水で下気道に押し流し,累積発症率および生存率を14日間観察した。BB536投与群では,累積発症率と生存率の有意な改善が認められた。また,3 日間のリン酸緩衝生理食塩水または BB536菌体の鼻腔内投与の後に,肺縦隔リンパ節と鼻関連リンパ組織から細胞を調製した。調製した細胞をコンカナバリン A 存在下で 3 日間培養し,培養上清中のサイトカインを測定した。BB536投与群で肺縦隔リンパ節からの IL-12p40産生と鼻関連リンパ組織からの IFN-γ 産生が増加した。これらの結果から,BB536の鼻腔内投与は肺縦隔リンパ節や鼻関連リンパ組織の細胞性免疫を賦活し,インフルエンザ感染を防御したと考えられた。
  • 春田 裕子, 上田 典子, 加藤 健, 辻 秀一, 吉岡 俊満
    2009 年 58 巻 3 号 p. 135-141
    発行日: 2009年
    公開日: 2014/03/15
    ジャーナル フリー
     牛乳由来のスフィンゴミエリン(以下,SPM)高含有素材を経口摂取した場合の皮膚への効果を検証した。健康な日常生活を営む男女25名を対象に,SPM 高含有素材(330 mg/日,SPM 22 mg/日)のプラセボを対照にした 6 週間の二重盲検摂取試験を実施した。摂取 3 週目,摂取 6 週目および摂取終了 2 週間後に皮膚の水分量,水分蒸散量および油分量を測定した。その結果,SPM摂取群においてプラセボ群に対して左眼下部の水分量が有意に高値を示し,油分量は高値を示す傾向であった。また,自覚症状のアンケート調査では,SPM 摂取群において皮膚の「つや」および「はり」に改善が認められた。以上のことから,SPM 高含有素材は皮膚の健康を維持する上で有効な食品であることが示唆された。
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