ミルクサイエンス
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62 巻 , 2 号
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原著論文
  • 灘岡 勲, 畑山 恵美, 秋場 高司, 深谷 真一, 山野 裕
    2013 年 62 巻 2 号 p. 23-27
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/07
    ジャーナル フリー
     粉ミルク中の総 L-カルニチンを定量するためには,短鎖結合型 L-カルニチンをアルカリ加水分解する必要があり,その条件としては短鎖結合型 L-カルニチンが加水分解され,且つ遊離 L-カルニチンに影響を及ぼさないことが求められる。そこで我々は,粉ミルクを対象に最適な前処理条件の検討を行った。その結果,最適なアルカリ加水分解条件として,0.2 N 水酸化カリウム溶液(反応溶液 pH 13),反応温度40℃,反応時間15分を選抜した。本測定条件による SRM1849a の総 L-カルニチン定量値は 13.4±0.04 mg/100 g(n=3)であり,認証値(13.6±1.4 mg/100 g)と同等の値を示した。また,粉ミルク製品および原料を対象に妥当性評価を実施した結果,相対標準偏差,添加回収率,直線性ともに良好であった。以上の結果から,粉ミルクを対象にした総 L-カルニチンの定量において,本アルカリ加水分解条件は適当であることが示唆された。
  • 川上 浩, 早川 江, 永田 宏次, 田之倉 優
    2013 年 62 巻 2 号 p. 29-37
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/07
    ジャーナル フリー
     ラクトフェリン(LF)は,乳などの外分泌液に含まれる鉄結合性タンパク質であるが,単一物質としてはその多機能性が極めて高いことが知られている。そこで我々は,この多機能性が LF 自体に由来すること以外に,その他の生理活性成分と LF が挙動を共にすることで発現されている可能性について検討した。試薬や食品原料として使用される LF に夾雑する成分を,抗 LF モノクローナル抗体によるアフィニティークロマトグラフィー,イオン交換クロマトグラフィー,および逆相クロマトグラフィーなどによる多段階の方法で分画した。さらに,レーザーイオン化飛行時間型質量分析計による MALDI-TOF-MS プロテオーム解析で,含有されるタンパク質およびペプチドを調べた。その結果,塩基性の等電点をもつタンパク質やペプチドが51種類,酸性の等電点をもつタンパク質が22種類,および低分子のカゼイン分解ペプチド21種類が検出された。これらの中には,酵素活性,免疫調節作用,細胞増殖作用,細胞分化促進作用,抗菌作用,酵素阻害作用など,様々な生理活性を示す成分が含まれる。したがって,in vitro における培養細胞実験や,in vivo で非経口的に投与する動物実験での機能評価においては,LF の生理作用の解析に細心の注意を払う必要があると考えられた。
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