ミルクサイエンス
Online ISSN : 2188-0700
Print ISSN : 1343-0289
ISSN-L : 1343-0289
63 巻 , 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
原著論文
  • 鈴木 公一, 石井 将仁, 李 夢秋, 川井 泰, 増田 哲也, 小田 宗宏
    2014 年 63 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/11
    ジャーナル フリー
     乳酸桿菌(L. gasseri, L. acidophilus, L. fermentum および L. rhamnosus)の増殖におよぼす各種アミノ酸(glycine を除き,D-型,L-型を含めた38種類,最終添加濃度10 mM)の影響を調べた。培養には MRS 培地を通常使用濃度の40%とし調製して用いた。その結果,増殖を促進するアミノ酸は phenylalanine と tryptophan であったが,その促進作用には濃度依存性が認められず,本作用は栄養成分の imbalance の改善によると考えられた。増殖抑制作用を示すアミノ酸は,arginine, histidine, cysteine および serine であった。この抑制作用はいずれのアミノ酸においても濃度依存的であり,高濃度ほど抑制作用が強かった。Cysteine と serine の抑制作用では,D-型は L-型より強い作用であった。 Arginine と histidine の増殖抑制作用は,L. fermentum のみで見られたが,cysteine あるいは serine では L. gasseri, L. acidophilus および L. fermentum の 3 菌株において認められた。アミノ酸の生合成においては共にピルビン酸系列に属する cysteine および serine による増殖抑制作用であることから,作用機序として feedback regulation が推定された。
  • 安田 成美, 荒川 健佑, 川井 泰, 中條 貴弘, 中村 圭志, 鈴木 はるか, 伊藤 喜之, 西村 順子, 牧野 由美子, 重信 秀治, ...
    2014 年 63 巻 1 号 p. 9-17
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/11
    ジャーナル フリー
     ガセリシン T はラクタシン F ファミリーに属する二成分性バクテリオシンで,その生合成関連遺伝子は Lactobacillus gasseri に広く分布していることが知られている。本研究では,ガセリシン T の産生が推定されるヒト乳児糞便由来 Lb. gasseri LA158 における,ガセリシン T 生合成関連遺伝子の完全長を明らかにし,本バクテリオシンの産生を遺伝学的および生化学的手法を用いて検討した。LA158 株の塩基配列解析からは,ガセリシン T の生合成,自己耐性,分泌および転写調節に関わる 9 つの遺伝子(gatPKRTCZAXI)を含む6.3-kb の領域を見出した。9 つの遺伝子のうち後半の 5 つの遺伝子は既に他株で報告されている gat 遺伝子と同一であり,9 遺伝子のいくつかは他のラクタシン F ファミリーバクテリオシンの関連遺伝子と高い相同性を有していた。ガセリシン T の精製は,チーズホエーベース培地で LA158 株を培養し,その培養上清を透析後,疎水および逆相クロマトグラフィーに供することで行った。RP-HPLC を用いた最終精製ステップでは,抗菌活性画分が 1 つの広範囲にわたるピークとして回収された。回収画分の MS 分析では,抗菌活性本体としてガセリシン T の二成分(成熟体の GatA と GatX)が共存していることが明らかとなった。以上の結果は,Lb. gasseri LA158 がガセリシン T 産生株であることを証明するものである。食品に利用可能なチーズホエーベース培地を用いたガセリシン T の産生は,将来におけるガセリシン T およびその産生菌の食品保蔵への高い利用性を示すものと期待される。
総説
feedback
Top