ミルクサイエンス
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67 巻 , 3 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
学会からの重要なお知らせ
原著論文
  • 山口 美緒, 福森 理加, サラントラガ ボラジギン, 緒方 和子, 原 明日香, 佐藤 あかね, 前田 勇, 東 徳洋, 長尾 慶和
    2018 年 67 巻 3 号 p. 167-174
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/23
    ジャーナル フリー

     β-カロテンとビタミンE濃度は放牧されている乳牛の血中および乳中に増加すること細胞性免疫の制御に働くことはよく知られている。しかしながら,体液性免疫に及ぼす放牧の影響についてはあまり知られていない。そこで本研究では,生草摂取が乳牛の乳中免疫グロブリン濃度に及ぼす影響について検討した。5~11月に輪換放牧(以下,放牧期間)で,11~2月にパドック(以下,非放牧期間)で飼養された乳牛を供試した。それぞれの期間における乳牛の乳サンプルからIgG, IgA, IgM, β-カロテンおよびビタミンE濃度を分析した。その結果,生草摂取は乳中IgM, β-カロテンおよびビタミンE濃度を有意に増加させたが,IgGおよびIgA濃度には影響しなかった。また,乳中β-カロテンとIgM濃度間,乳中ビタミンEとIgM濃度間,乳中β-カロテンとIgA濃度間,乳中IgMとIgG濃度間,乳中IgMとIgA濃度間,および乳中IgGとIgA濃度間で有意な正の相関があった。これらの結果は,放牧による生草摂取が,血中β-カロテンとビタミンE濃度を増加させ,免疫グロブリン生産の促進に寄与し,動物の健康のための防御メカニズムを強化する効果があることを示唆した。

  • 平田 昌弘
    2018 年 67 巻 3 号 p. 175-185
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/23
    ジャーナル フリー

     ルワンダは,西アジアから続く乳文化圏の南端にあり,乳文化のアフリカ大陸における伝播・変遷を検討するにおいて極めて重要な位置にある。そこで本稿は,ルワンダの乳加工体系を現地調査により把握し,ルワンダの乳加工技術の特徴を明らかにすることを目的とした。2018年3月に農牧複合民9世帯を対象にルワンダで広域調査をおこなった。ルワンダの乳加工体系は,生乳を加熱殺菌することなく,自然に混入してくる微生物叢を利用して生乳を自然発酵させる発酵乳系列群・非加熱乳酸発酵亜系列の乳加工技術を採用していた。ルワンダの乳加工体系の特徴は,生乳からバターとして乳脂肪を分離・保存する技術を採用するが,チーズとして乳タンパク質を分離・保存する技術は欠落しているところにある。ルワンダで乳タンパク質の分画・保存技術が発達しなかった理由は,家畜の周年繁殖性および生乳の周年供給性によっていると考えられた。チーズを加工・利用しないため,ルワンダの食文化は,自然発酵乳とバターミルクが炭水化物含量の多い食事と一緒に摂取される食事体系となっている。ルワンダの乳脂肪の分画・保存技術での特徴は,バターが最終形態となっていることである。ルワンダが高原に位置し,一年を通じて比較的冷涼な生態環境にあることから,バターが乳脂肪の分画・保存の最終形態となったものと考えられた。ルワンダの人びとのバターに対する認識は,長期保存が可能であるかどうかというより,料理に添加した際に香りが良くなり,味覚が向上するかどうかという香りの強弱を基準にしており,ルワンダを含むアフリカ大陸内陸部赤道付近高原地域は極めて特異的な乳文化を発達させてきたと言える。

総説
平成30年度日本酪農科学会賞受賞記念総説
  • 中野 智木
    2018 年 67 巻 3 号 p. 186-194
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/23
    ジャーナル フリー

     Understanding the effect of heat treatment on the properties and function of casein is important for its use in food processing. However, fewer studies on the effects of heat treatment on casein under acidic conditions have been reported compared with those under neutral conditions. In this review, heat-induced aggregation and gel formation under acidic conditions were described, and then the thermal behavior characteristics of casein under acidic conditions were discussed. The behaviors of casein toward heat and salts under acidic conditions were markedly different from those under neutral conditions. It was impossible to explain those behaviors from a viewpoint of properties, conformation, and interactions of casein. Further studies on the thermal behavior characteristics of casein under acidic conditions are needed for clarification of the mechanisms involved.

平成30年度日本酪農科学会奨励賞受賞記念総説
  • 阿野 泰久
    2018 年 67 巻 3 号 p. 195-202
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/23
    ジャーナル フリー

     発酵乳製品は古来より人類に親しまれてきた食品であり,発酵乳製品に含まれるペプチドや脂肪酸,乳酸菌には数多くの生理機能が報告されている。近年の研究成果では発酵乳製品の摂取が認知機能に及ぼす影響についても多数報告がある。疫学調査や臨床試験により乳製品の摂取は認知症の予防効果が報告され,非臨床試験で乳の発酵過程で生じる認知症予防に繋がる有効成分が報告されている。我々の研究グループではカマンベールチーズの摂取がアルツハイマー病予防効果を示すことをモデル動物による試験で明らかとし,その有効成分としてオレアミドとデヒドロエルゴステロールを同定した。本総説では発酵乳製品の認知機能に関する現状と今後の展望に関して紹介する。

ショートレビュー
酪農科学シンポジウム2018 「ミルクサイエンスの多様性」
国内レポート
ミルクサイエンス関連文献リスト
  • 2018 年 67 巻 3 号 p. 232-243
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/23
    ジャーナル フリー

    下記の海外学会誌に掲載されました乳および乳製品に関連する文献を選択し,編集委員会から依頼された先生方により題目の翻訳を試みました。また,好評の国内特許情報も掲載しました。会員の皆様のご研究や教育の一助となりましたら幸いです。

    Journal of Dairy Science (JDS): Vol. 101, No. 7 (2018)~Vol. 101, No. 10 (2018)

    Journal of Dairy Research (JDR): Vol. 85, No. 3 (2018)

    International Dairy Journal (IDJ): Vol. 86~Vol. 87, (2018)

    国内特許情報

学会記事
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