京都市動物園で飼育するグレビーシマウマ1頭から出産後およそ1, 2, 3, 4, 5および8ヶ月の乳試料を採集し,一般成分組成を分析した。その結果,泌乳期の経過に伴う各成分の濃度変化は小さく,脂質1.9±0.55(平均±標準偏差)g/100 mL,タンパク質1.7±0.22 g/100 mL,糖質6.3±0.57 g/100 mL,灰分0.3±0.06 g/100 mLであった。また,タンパク質は全泌乳期間にわたり,糖質は5ヶ月まで,脂質は2~5ヶ月までそれぞれ低下傾向を示した。牛乳と比較して,グレビーシマウマの乳は脂質とタンパク質の濃度が低い一方,糖質の濃度が高く,近縁種であるウマやロバに近い乳成分組成を示すことが明らかとなった。
抄録全体を表示