未来共創
Online ISSN : 2435-8010
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選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 澤村 信英
    2023 年 10 巻 p. 1-2
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 鈴木 勇, 山本 晃輔, 岡邑 衛, 榎井 縁, 志水 宏吉, 高原 耕平, 宮前 良平
    2023 年 10 巻 p. 3-41
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は東日本大震災の被災地である過疎地域の若者の現状を描くことにある。東日本大震災の特徴のひとつは、被災地の多くが高齢化と人口減少の課題を抱えた過疎地域であった点にある。本研究が調査地とする宮城県南三陸町は震災において壊滅的な被害を受けた。その後、今日に至るまで人口流出は止まっていない。それでもなお、南三陸を居住地として選ぶ若者がいる。本研究では南三陸の若者のライフコースを分析することを通じて、条件困難地域における若者の生活と震災の影響を検討した。調査の結果、南三陸を生活の拠点に選んだ若者のライフコースは、U ターン型、I ターン / 移住型、ローカル / 県内周流型ごとに特徴が見られた。そして分析の結果、第1に、彼らの「幸福」は、本人の職業選択と地域コミュニティへの参加の程度にもよると考えられた。第2に、若者は「地域愛着」「人間関係」「自己実現(就労)」の 3 つの理由から条件困難地域を居住地に選んでいることがわかった。そして第3に、若者は震災と無関係でいることはできず、震災からの復興の過程において、地域住民とのコミュニケーションを通して、今日的なコミュニティを形成する構成員となり、ソーシャルな課題と自己実現の両方に取り組んでいると考えられた。
  • 教員の生活戦略に着目して
    長野 優希
    2023 年 10 巻 p. 43-74
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は、経済的に厳しい地域にある低学費私立学校で働く無資格教員に着目し、彼らにとって低学費私立学校とはどのような存在なのかを検討することである。そのために、彼らのような教員の視点に基づき、学校で働くことを彼らの人生における一つの経験として捉え、生活のなかにおいて無資格教員が低学費私立学校をどのように意味づけているのかを明らかにする。本調査は、2022 年にケニアのキベラスラムにある低学費私立初等学校で働く無資格教員を対象に、質問紙と半構造化インタビューならびに参与観察による調査を実施した。その結果、無資格教員にとって学校で働くことには利点があり、彼らの生活戦略として、学校教員として働くことを選択していることが明らかとなった。また、本研究の調査校においては、教員たちはこれからも教員として働く意思を示し、コミュニティでの関係が構築されるなかで短期の離職を繰り返さない職場環境が形成されていることを示した。一方、低学費私立学校にとっても無資格教員の存在は学校運営上欠かせず、両者の関係はスラムという経済的に厳しい地域において互恵関係にあると言える。
  • 共生を「ともいき」「シンバイオーシス」「エコシステム」「インクルー ジョン」の4 つの視点から整理する
    早川 昌志, 早川 卓志
    2023 年 10 巻 p. 75-131
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
    今日の日本社会において、「共生」という言葉は多義的に使用されている。言葉の起源としては、近代以降の浄土宗において仏教思想における縁起の法則をベースとした「共生(ともいき)」と、生物学における異種生物間の相互作用の様式を示す学術用語としての「共生(シンバイオーシス)」の 2つがあった。しかし、環境問題と人権問題が強く意識されるようになった 1980 年代頃から、それらの用法から派生した「課題としての共生論」として、実践的な環境学の場面において使用される「エコシステムとしての共生」と、人間社会における望ましい人間関係を示す「インクルージョンとしての共生」が広く使われるようになっていた。これらの 4 つの共生論について歴史的背景も踏まえて整理する。さらに近年では、これらの分類に収まらない用法として「物事との付き合い方としての共生」や「命を感じる存在との共生」といった文脈での使用も見られるようになっている。「共生」という多義性の強い言葉を十分な文脈なく使った際に、受け手によって異なる解釈がなされてしまっている現状を確認し、多様な共生論について体系化することで、用語としてのコンフリクトのない共生論の用法を論じる。
  • 織田 和明
    2023 年 10 巻 p. 133-142
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 島根県の困難
    吉川 徹
    2023 年 10 巻 p. 143-162
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
    地方創生がいわれる中、島根県は人口減少に「島根創生」を掲げて取り組んでいる。本稿ではまず、地域の課題を扱う 研究のあり方として、客観的で距離を置いた視座から社会全体の構図を捉える「生態系」観察アプローチを提案する。続 いて、これを用いて島根県が直面している人口社会減の構造を整理し、人口社会減に関与するステイクホルダーの実践を検討し、解決の困難な課題状況を明らかにする。最後に、地方県島根における人口社会減の構図を「バスタブモデル」として提示する。
  • 渥美 公秀, 石塚 裕子
    2023 年 10 巻 p. 163-191
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、研究プロジェクト「尊厳ある縮退によるコミュニティの再生と創生」の成果をもとに、尊厳ある縮退のための理論的準備と実践的な展望を述べたものである。まず、尊厳ある縮退の背景として人口減少社会を取り巻く議論と集落の再生・創生の事例を概説した上で、尊厳ある縮退の研究・実践に向けて、縮退や尊厳といった基本的概念について紹介した。次に、尊厳ある縮退研究・実践を推進するために検討すべき論点として、対象地域の拡張、地域診断、集落が消滅するプロセスと時間、尊厳ある縮退が依拠するモデル、実践現場におけるツールの開発について、検討し理論的準備とした。最後に、尊厳ある縮退に寄り添うアクションリサーチの課題を展望し、民藝をヒントとした民衆的アプローチの必要性を 確認した。
  • がいなんよ大学 in のむらと復興支援酒「緒方洪庵」の取り組み
    川端 亮
    2023 年 10 巻 p. 193-218
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
    愛媛県西予市野村町野村地域は 2018 年の西日本豪雨で被災した過疎地域である。私たち大阪大学人間科学研究科のグループは一般社団法人 NEO のむらを組織し、野村地域の復興の支援を行ってきた。本稿では 2021 年と 2022 年に実施された二つのプロジェクトを紹介する。一つ目は、愛媛県のえひめ南予きずな博の中で行われた「がいなんよ大学 in のむら」の取り組みである。2 年間で 9 回の講演会や落語会などを行った。二つ目の取り組みは、復興を支援するために日本酒「緒方洪庵」を委託して醸造・販売し、野村の知名度を高めるとともに、野村を知っている人たちには少しでも支援してもらう取り組みを続けた。これらの取り組みを通じて、大学が地域にかかわるということはどういう意味があるのかを考えた。第一にほかの組織と異なり大学には、高度で多様な専門的知識があるので、それらを活用できることが特徴である。第二に大学生という地方においては貴重な若者を活用することができ、地域の若者を活性化することもできることを具体例を挙げながら指摘した。
  • 5つの高校の比較調査から
    聶 蕙菁, 山脇 佳, 榎井 縁, 王 一瓊, 大川 ヘナン, 山本 晃輔, 石川 朝子
    2023 年 10 巻 p. 219-263
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、学校種が異なる 5 つの学校を対象とし外国人生徒の公教育における排除と包摂について 3 つの視点から検討する。これまでの先行研究では、「社会統合」と「文化保障」が外国人の排除と包摂を示すものとして用いられてきた。しかし、その 2 つの視点だけでは外国人生徒が付加的なものとしかみなされていないことになる。そこで、本稿は「参加」を 3 つ目の視点として、外国人生徒の包摂と排除を考えた。具体的に、コンテクストが異なる 5 つの学校の生徒や教師への半構造化インタビューや学校でのフィールドワークを通して、学校の経営計画に代表される参加のハード面、社会統合と文化保障の取り組み、生徒の学校経験という参加のソフト面を描き出した。5 つの学校で見られた相違点をまとめ、最後にその課題について提示した。
  • 熊本県相良村のダム建設反対派の意見を中心に
    岩本 真由子, 楊 凌煙, 大川 ヘナン, 佐々木 美和, 王 一瓊
    2023 年 10 巻 p. 265-288
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は、熊本県相良村、人吉市の球磨川流域におけるダム反対運動を事例とし、人と自然の共生、およびそれに関連する人と人との共生について検討することである。具体的には、本稿では、インタビューを通してダム建設反対派の住民の意見を聞いた。「自然を人間の思うように改造し自然の脅威をなくす」という現代工業の自然に対する理論の象徴であるダムは、反対派の流域住民の間で、どのような存在となっているのかを解明した。その結果、今回の聞き取りにおいては、いずれの反対派も経済的効果への言及があったり、社会的経済的しがらみを認識しており、反対派の内面には複雑な葛藤があることがわかった。ダム建設によって住民たちは、川とのつながりが弱くなることを強く懸念したり、ダム計画の再検討という住民側の要求に応じない行政に対して不信感を抱いたりしている。さらに、反対派住民は賛成派住民との関わりにおいて、意見の表出に配慮していることがわかった。ダムに対する、反対、賛成の表層だけではなく、その奥に複雑な葛藤があり、ダム、川、人間、さらに人間同士の関係性は多様かつ複雑であることが確認できた。
  • 石塚 裕子, 渥美 公秀
    2023 年 10 巻 p. 289-297
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 岡部 美香, 大崎 弘司, 桧谷 真美, 野田 満由美, 大槻 亮志
    2023 年 10 巻 p. 299-310
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 瀬戸内食のフィールドワークから
    木村 友美, 斎藤 優久乃, 伊東 実穂, 山道 萌子, Raffaello Riley VOLUNTAD, 高松 真夕
    2023 年 10 巻 p. 311-335
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 人文学、自然科学、アート・香文化、産業の観点から
    三宅 萌, 阪本 晴香, 塩田 裕之
    2023 年 10 巻 p. 337-357
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 織田 和明
    2023 年 10 巻 p. 358-361
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • 織田 和明
    2023 年 10 巻 p. 363
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル オープンアクセス
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