本稿では,世界的なPETイメージングの標準化やデータの品質管理への要求から,がんFDG-PET/CT撮像法ガイドラインのファントム試験に基づいた撮像条件の決定と
NECdensityを応用した撮像時間の最適化法の研究を概説する.ファントム試験では,10mm径のSUV=4のホット球を描出する撮像時間を,視覚的評価,物理学的指標(
N10mm,
NECphantom,
QH,
10mm/
N10mm)に基づき決定する.同時に,一定の定量性を担保するための
RCの評価を行って画像再構成条件を決定する.ファントム試験に引き続き,
NECdensityのレトロスペクティブ(後ろ向き)な解析により,撮像時間をBody Mass Index(
BMI)に応じて最適化した.最適化により,視覚スコアと
NECdensityの
BMIとの相関が低下した.ファントム試験と
NECdensityによる最適化は,施設間および被検者間の画質差を低減させ,高精度な検査や研究の推進に有用である.
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