Medical Imaging Technology
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選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
サーベイ論文
  • 舞草 伯秀
    原稿種別: サーベイ論文
    2021 年 39 巻 2 号 p. 51-58
    発行日: 2021/03/25
    公開日: 2021/04/16
    ジャーナル 認証あり

    Magnetic resonance image(MRI)によるT1強調画像は,軟組織のコントラストに優れる撮像技術であるため,脳変性を伴うような精神・神経疾患の診断に多く用いられている.従来は放射線科医師による視覚評価にとどまっていたMRIの臨床利用であるが,近年は工学や情報学の研究者による画像解析技術の発達に伴い,voxel by voxelや解剖学的関心領域内の脳組織の体積を定量的に評価することが可能となり,定量性・客観性・再現性に優れた疾患の代理バイオマーカーとして注目されている.しかしながら,MRIはその撮像原理に起因する幾何学的ゆがみや信号不均一,また画質が装置間で異なることから,画像解析結果が機種によって異なる機種間差:scanner effectの問題があり,再現性にまだ課題を残している.このような問題に対して,これまで撮像プロトコルの統一化や,画像処理による補正によって信号不均一や幾何学的ゆがみを取り除こうとする試みが報告されてきた.さらに近年,確率統計学的手法を用いて画像解析値からscanner effectを推定し補正するharmonizationが注目されている.これらscanner effectに対する取り組みの報告について紹介するとともに,工学・情報学の研究者が臨床画像を用いた解析・研究を行う際の注意点について総説する.

JAMIT 2020大会査読付き論文(研究論文)
  • 植松 駿, 伊藤 聡志
    原稿種別: JAMIT2020大会査読付き論文(研究論文)
    2021 年 39 巻 2 号 p. 59-67
    発行日: 2021/03/25
    公開日: 2021/04/16
    ジャーナル フリー

    深層学習を利用した圧縮センシングの画像再構成は,再構成時間の短縮化と画像の高画質化のいずれにも有効な方法として注目されている.MRIに圧縮センシングを応用する場合において二次関数状の位相変調を利用する位相拡散フーリエ変換映像法を使用すると,再構成像の画質を改善できることが報告されている.そこで,本研究では,交互方向乗数法(ADMM)をCNNで実現したGeneric-ADMM-Netを使用し,深層学習による画像再構成を試みた.画像再構成シミュレーションを行った結果,従来のフーリエ変換を基本とする場合,および反復的再構成を使用した場合よりも,画像の精鋭度,構造保存性,コントラスト保存性のいずれも改善された画像が得られた.本研究により,位相拡散フーリエ映像法を利用した圧縮センシングは深層学習再構成によっても高画質化が図られる可能性が示された.

研究論文
  • 杉浦 優, 劉 拍明, 高橋 正信, 中野 雅行
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 39 巻 2 号 p. 68-76
    発行日: 2021/03/25
    公開日: 2021/04/16
    ジャーナル フリー

    近年,病理組織標本全体をディジタル化したバーチャルスライドが普及している.われわれは,細胞異型や構造異型が小さいため診断が難しい早期肝細胞癌の診断支援を目的として,鑑別に有用とされる核密度の分布をバーチャルスライド全体で可視化する手法を実現した.しかし,早期肝細胞癌は超高分化癌といわれるほどに,種々の点で正常肝細胞と類似した形態をしている.診断に慣れていない病理医にとっては,癌の存在を認識するのが最初の問題点である.支援機能の向上のためにはより多くの特徴量分布を可視化し,癌の存在領域を示唆するのが望ましい.そこで,肝細胞核の抽出後に新たに核輪郭を再抽出し,有用な特徴量である円形度を含む核の形状特徴量の分布を可視化する手法を実現した.算出した特徴量は円形度,長軸短軸比,重心から輪郭点までの距離の標準偏差,核面積である.各特徴量の絶対平均比率誤差は,それぞれ0.26%,2.02%,9.75%,6.94%であった.可視化までの処理は自動化されており,大きな手術標本でもPC 1台を用いて1時間以内で処理可能である.

  • 志村 一男, 安中 奨, 近藤 啓介, 縄野 繁
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 39 巻 2 号 p. 77-89
    発行日: 2021/03/25
    公開日: 2021/04/16
    ジャーナル フリー

    輪郭情報の定量的評価法である楕円フーリエ記述子を用い,石灰化分布形状の輪郭を解析するとともに,人工石灰化画像の生成に応用する手法を検討した.画像データから得た石灰化分布の形状情報を楕円フーリエ記述子に変換し,主成分分析で得られた第1~4主成分得点と面積を特徴量とし,SVMを用いて判別した結果,比較的悪性度の高い石灰化3分類(Clustered,Linear,Segmental)を約90%のAccuracyで判別できることを確認した.また,あらかじめ抽出しておいた個々の石灰化陰影を,各主成分得点の値を変化させ生成した石灰化分布形状の輪郭内にランダムに配置し,別の乳房X線画像に埋め込むことによりさまざまな石灰化分布を有する石灰化画像を人工的に生成する手法を開発した.7名の放射線科医による視覚評価を実施し,人工石灰化画像と実症例画像の「本物らしさ」の評価値に統計的有意差がないことを確認した.

講座
  • 原 武史
    原稿種別: 講座
    2021 年 39 巻 2 号 p. 90-94
    発行日: 2021/03/25
    公開日: 2021/04/16
    ジャーナル 認証あり

    医用画像の処理や認識において,深層学習が注目されてからかなりの年月が過ぎた.初期には,GPUがないととても動作しない印象や,そもそもGPUの利用が困難であり,研究への導入に戸惑う状況もあった.近年,開発環境の安定性やデータベースの拡充,GPU利用も容易となり,誰もが深層学習を利用したプログラムを作成できるようになった.本講座では,これまでにJAMIT大会で実施したハンズオンセミナーの内容から重要な内容を抽出し,深層学習の実行環境と簡単なプログラムの解説を行う.TensorFlowとKerasを用いた深層学習の環境構築をもとに,基本的な内容を取り扱う.サンプルのプログラムは,Jupyter Notebook形式でオンラインにて配布する.第1回では,環境構築と畳み込みニューラルネットワークによる画像分類,第2回はGPUを利用した環境構築と画像からの領域抽出,第3回はAutoEncoderを用いた教師なし学習を取り扱う.

編集後記
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