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―学業成績以外の要因の評価―
細川 慎二, 長縄 明大
p.
12-17
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
教学マネジメントでは、学生が授業で身に付けた能力等に関する学修成果の可視化が行われているが、学修成果は、授業以外の要因も影響すると考えられる。そこで、本学の教学データの中から、1年次の学業成績の他に、日常生活の違いなどの学業以外の要因を用いて、大・中・小に分類した卒業時の学修成果を予測するモデル構築を行った。その結果、正解率6割のモデルが構築でき、かつ各要因と学士力の特徴的な関係を確認した。
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白鳥 成彦
p.
18-21
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
中退防止施策において、中退しそうなハイリスク学生を早期に発見して対応することが大切である。ハイリスク学生を早期発見・防止するためにはハイリスク学生の予測とともに、学生自身や教職員、カウンセラー等、関係者とともにそのリスクを共有していく必要がある。本研究では、欠席データを用いた中退予測を基礎において、ハイリスク状態を学生、そして教職員用のアーリーアラートシステムに対してユースケースを分析し、システムの設計を行った。
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―中等後教育データパートナーシップへの展開―
相原 総一郎
p.
22-27
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
中等後教育総合データシステム(Integrated Postsecondary Education Data System: IPEDS)はアメリカ高等教育の発展に伴い創設された。そして、利用者の広がりや分析の高度化の要請に応じて発展してきた。現在の課題はデータ収集を機関レベルから学生レベルにすることである。大学スコアカード(College Scorecard)や中等後教育データパートナーシップ(Postsecondary Data Partnership: PDP)は、この課題を克服する取り組みである。今後は、これらを総合する学生レベル・データネットワーク(Student-Level Data Network: SLDN)の創設が課題である。
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高松 邦彦, 松田 岳士, 今井 匠太朗, 伊藤 響, Prescott Gerald Robert, Kajaste Matti, Mää ...
p.
28-33
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
本稿では、2023年6月にイギリスで開催されたHER2023に参加した著者高松と今井によるヨーロッパの大学・研究機関の訪問報告を紹介する。OECD、セント・アンドリュース大学、グラスゴー大学、ヘルシンキ大学の4機関を対象に、高等教育やInstitutional Research (IR)の現状を探る訪問を行った。OECDでは、筆者の一人である松田が所属する部門で、教育DX白書の編集者Stéphan Vincent-Lancrin氏からの聞き取り、セント・アンドリュース大学では、HEIR Networkの主要メンバーであるGerald Prescott博士との交流が行われた。さらにHER2023におけるグラスゴー大学のIR担当者との対話や、ヘルシンキ大学のIR担当者との遠隔面談も実施された。
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安川 美智子, 大澤 新吾
p.
34-39
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
大学における情報共有のためのファイル形式としてPDFが頻繁に用いられている。PDFは環境に依存せずに表示や印刷ができるという特徴があるが、ファイル作成時のフォントとソフトウェアの組み合わせにより、漢字が康煕部首(こうきぶしゅ)に文字化けする事象が知られている。本研究ではこのようなテキストデータの破損が大学図書館の書誌情報の検索に与える影響を定量的に評価し、有効な対処法を考察する。
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―神戸常盤大学の教学マネジメント改革の視点から―
野田 育宏, 中田 康夫, 伴仲 謙欣, 高松 邦彦
p.
40-45
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
本論文では、2014年からスタートした神戸常盤大学の第1次教学マネジメント改革の中でアセスメントポリシー(ASP)を策定し、第2次教学マネジメント改革において、そのアセスメントポリシー(ASP)にもとづいた具体的なアセスメントの実施のため、アセスメント・プラン(実施方針)を策定したことについて述べた。また、このアセスメント・プラン(実施指針)策定の議論の中で、「教育・学修データ利活用ポリシー」の必要性が明らかとなり、策定・公示を行ったことについて述べた。
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―Web公開された資料をもとに―
小林 雄志
p.
46-51
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
本研究では、日本の大学におけるシラバス作成ガイドラインに関するWeb調査を実施した。その結果、57の大学において、シラバス作成ガイドライン等の存在を確認できた。これらの資料は、「ガイドライン」、「作成要領」、「手引き」といった文言を含む名称で示されていた。さらに、これらを計量テキスト分析した結果、使用される語句について、国公立大学と私立大学でやや異なる傾向があることが明らかになった。
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―東京大学におけるモニタリング指標IRデータ集の公開について―
小貫 美幸
p.
58-61
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
東京大学では、「東京大学が目指すべき理念や方向性をめぐる基本方針」として2021年9月にUTokyo Compassを発表し、その理念実現のために定められた行動計画を現在165の「モニタリング指標」によって進捗管理している。2022年11月からは、BI(Business Intelligence)ツールによって内製化を実現したモニタリング指標の可視化データを抜粋して公開し、広く学内外のステイクホルダーと共有する試みを始めた。本論では可視化を担当したIR担当者の立場からその取り組みと成果、今後の展望を報告する。
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久保 琢也
p.
62-65
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
近年、日本の大学には産学連携等の実施による地域課題の解決やイノベーションの推進が求められている。このことから、研究IRにおいては、共同研究、受託研究といった産学連携等の実施状況に関する調査を求められる機会も多い。発表者は文部科学省による「大学等における産学連携等実施状況について」のデータを用いた分析ツールを開発することで機関を超えた研究IR業務の効率化を目指している。本発表では本分析ツールの概要や開発の過程で生じた課題等について報告する。
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今井 匠太朗, 淺田 義和, 伊藤 彰, 片野坂 俊樹, 白鳥 成彦, 高松 邦彦, 松本 清, 森 雅生
p.
66-71
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
データの可視化や分析の知識はIR担当者に必要な素養の1つである。効果的な意思決定のためには適切に処理されたデータ分析が重要であるが、このような能力に長けた人材は不足しており、IRの普及を困難にしている。この状況を踏まえ、IRで実践的に利用するデータサンプルを提供し、IRスキルの涵養や質向上を目指すプラットフォームを立ち上げる。データサンプルは合成データを配布し利用可能とする。この合成データに基づいたデータ分析のサンプルや教材の配布、またデータそのものの改善等を集約し、 IR人材の育成とその質向上を目指す。本稿では、プラットフォーム立ち上げの背景からコンセプト、将来構想について論述する。
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―受講者が必要とする研修との乖離に注目して―
大石 哲也, 西出 崇
p.
72-77
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
2021年に実施した「本質的IR人材育成カリキュラム策定に向けたアンケート調査」及び2022年に実施した個別調査において受講者の能力に応じた段階別の講習会のニーズがあることがわかった。また2023年8月に「IRデータ可視化講習会」を実施し、受講者から本質的に必要な講習や自己認識について調査した。本稿では本講習会における調査に至る経緯と本講習会におけるアンケートの結果について報告する。
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森 雅生
p.
78-81
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
IRにおける分析技能を習得するための教務サンプルデータを紹介する。サンプルデータは、学科マスタ、コースマスタ、科目マスタ、国名マスタ、教員情報、授業主担当、授業分担率、学籍情報、成績情報の9つのテーブルからなり、授業分担率の設定や、成績情報の分布は自然なものとなるように配慮して作成している。smallセットとlargeセットに分けており、largeセットは1460名の学生、smallセットはその10分の1の規模のものとしている。本稿では、これらのデータテーブルから成績情報ビューを再構成する方法を解説する。
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和嶋 雄一郎, 山本 亮, 津久井 浩太郎
p.
82-87
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
現在、多くの大学がIR組織を持つようになった一方で、大学内部でのデータ活用やIRに対する理解度などが、大学によって異なっている状況である。IRが大学で効果的・効率的に使用されるためには、大学のIR文化の深化度合いによって、導入するシステムや人員配置などの資源は異なってくると考えられる。本研究では、大学のIRに対する理解度などの状況を整理し(IR深化フェーズ)、そのIR深化フェーズに合わせた資源配分のあり方を検討した。
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杉原 亨, 松田 岳士, 石井 雅章, 姉川 恭子
p.
88-93
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
近年、IRは大学において実務面で普及しており、多くの大学で取り組まれている。しかしながら、IRの学術的な体系構築は途上であり、そのことはIRのさらなる普及と充実に向けた課題といえる。本研究では、松田ほか[1]のIRの海外文献調査の結果を元に、幅広い分野の日本語学術文献及び多様な成果報告が急増しているMJIRの最新発表を対象とした追加調査を実施し、IRとして発表されている研究テーマの傾向を分析した。さらに、オントロジーエディタ「法造」を活用し、IRに関する学術的オントロジー構築を試みた。その結果、IRの概念整理として一定の意義があることが確認されたが、精度向上及び柔軟な構造化に向けて更なる試行が必要であることが明らかになった。
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―オントロジー作成の観点から―
松田 岳士, 杉原 亨, 姉川 恭子, 石井 雅章
p.
94-99
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
IRの学術オントロジー作成に向けた調査の一環として、国公立大学が公表しているIR関連文書を収集し、その中で大学がIRの役割や対象をどのようにとらえているのかを質的分析やテキストマイニングを用いて検討した。本発表では、国公立大学が求めるIRの役割として経営IRに注目すべきであること、IR担当者が置かれているコンテクストを想定するためにアウトプット(自己評価、FDテーマ設定など)が重要であることなどを報告する。
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森木 銀河
p.
100-103
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
IRにおけるデータ収集の重要性やその実態が多くのIR担当者・研究者によって論じられてきたが、データ収集に伴う困難や課題を抱えたまま現在に至る。本稿では過去のデータ収集活動に関する資料・文献に対する簡易レビューを通じて、データ収集活動の手段とデータの特長、その困難・課題と対応について整理した。レビューの結果を踏まえ、今後のデータ収集活動の困難・課題の解決に寄与するために、データ品質の保証についてデータライフサイクルの中で論じる必要性を考察し、データ品質の保証を含めたデータマネジメントの枠組みの参照を提言した。
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関沢 和泉
p.
104-109
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
IR担当部署は学内の情報の流れの整備にかかわることからDX推進の一端を担うことがありMJIRでも報告が増えている。ここではそうした文脈を背景としたうえで高等教育におけるDXを考えた場合、公的部門においてもDXが一般に要請するとされるアジャイル型の開発やマネジメントが、現行の内部質保証プロセスとどのように整合し得るのか、あるいはより根本的なシステムの変革を要請するのかを先行文献を通して整理し検討する。
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大倉 孝昭, 前田 裕介
p.
110-115
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
新入生向け半期科目「コンピュータ技術基礎Ⅰ(数理・DS・AI教育プログラム)」において、反転授業の事前学修成果物の質的改善、フィードバックの個別最適化を目指して、オンラインジャッジシステム(以下、“支援システム”という)の運用を開始した。15回のうち、5回で運用した。図に変換されたグラフの提出、他人のグラフをコピーして提出する、グラフの種類が間違っているなどの基本的な誤りは最終提出までに抑止されるようになった。一方、支援システムへの投稿履歴から、未記入ファイルの送信、提出すべきファイルを認識できていないと思われる行動が明らかになってきた。支援システムによる提出物の改善効果について報告する。
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西出 崇
p.
116-121
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
質問紙調査では一般に選択肢の与え方や回答方法によって、得られる結果が異なるとされる。しかし、学生アンケートにおいてこれらの違いがどのように結果に影響するかを具体的に検討したものはあまりない。本報告では、卒業年次アンケートの満足度を問う項目をとりあげ、同じ質問に対して3つの回答方式を用意し学生をランダムに割り付けて回答させたデータから、回答方法や選択肢の違いによる回答分布や情報量などへの影響を検討する。
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岡田 佐織
p.
122-127
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
学生アンケート調査を実施する場合、複数の部門にまたがる関心事を調査項目に盛り込んでいき、また、得られた結果は複数の部門で共有され、施策の改善へとつなげていくことが求められる。設問の設計、集計・分析作業をIR部門が担う場合、調査を行いたい主体と、調査を設計・分析する主体、得られた結果を活用する主体は異なることになり、多くの関係者の間で、調査項目や選択肢が意味するものを共有しておく必要がある。本稿では、学習・成長のプロセスを支える要素を構造化した「学びと成長のプロセスモデル」を提示し、これに基づいて設問・選択肢の意味理解と共有を促進する方法を提案する。
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村瀬 有紀, 鷹尾 和敬
p.
128-131
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
本研究は、入学時調査アンケート及びPROGテストを用いて、ジェネリックスキルと個人特性(Big5とGrit)に焦点を当て、それらが目標達成に与える影響を調査するものであり、ここでは初期分析結果について発表する。ジェネリックスキルは広範な職業や日常生活で役立つ汎用的なスキルである。個人特性のBig5モデルでは、外向性、協調性、勤勉性、神経症傾向、開放性の5つの主要な特性で人格を表現し、Gritは情熱と忍耐力を持って長期的な目標に取り組む能力を指す。
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松本 馨, 森 雅生
p.
132-137
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
本稿では、研究者が研究に関する情報を収集し、論文を執筆して公開に至るまでの情報流通が何を対象に、どのような手段で行われているかを調査したので報告する。対象は日本の各大学や国立研究開発法人、独立行政法人研究所等に所属する研究者で、書面で回答を依頼し、Webで回答してもらった。その結果、多くの項目で学問分野による違いが大きいことや、年齢によっても行動の違いがあることが示唆された。
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淺田 義和
p.
138-141
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
医学教育の分野において、国内では日本医学教育評価機構(JACME)による分野別評価が実施されている。この評価結果について、JACMEのサイトではPDFとしてデータ公開がなされているのみであり、詳細な分析を行うにはかなりの不便が生じる。筆者は日本医学教育学会の大会等において、複数回に渡ってこのレポートを手動で集計した結果について発表を試みた。今回、その集計に関する内容の紹介と、結果をまとめたGoogleスプレッドシートを共有することを行う。
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松本 清, 高松 邦彦, 今井 匠太朗, 稲倉 恒法, 森 雅生
p.
148-149
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
大学は現在、学修成果・教育成果を把握し可視化することが必要とされ、成績や履修状況等の大学保有の情報に加えて、大学生活の満足度や成長実感等をアンケートで収集しなければならない。しかしアンケートの中には、設問数が非常に多く、途中離脱や無回答の増加が懸念される場合も見受けられる。そこで本研究では、心理検査やアンケート調査の知見を参考に、設問数や所要時間による心的負荷の観点からより適切なアンケート設計を提案する。
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―IR担当人材調査から―
井芹 俊太郎, 松本 清
p.
152-153
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
我が国のIR担当者が必要と考える知識・スキルを尋ねた質問紙調査の回答を用いて、必要とされる知識・スキルを「汎用的な業務遂行能力」「高等教育と大学組織に関する知識全般」「データ分析に関する知識・スキル(基礎)」「データ分析に関する知識・スキル(発展)」「その他」の5つに分類したうえで、「その他」を除く4つの知識・スキルの自己評価とIR業務・研究活動経験等との関係を探るパス解析を行った。その結果、「学術的研究活動経験年数」と複数の知識・スキルとの間の正の関係や、知識・スキル間の階層的な構造が確認された。
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出口 貴大
p.
154-155
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
共立女子大学・共立女子短期大学のIRの特徴として、事務局職員が中心となって行うこと、情報提供というIR部門としての機能と学長を中心とした教学マネジメントの中にIRを浸透させて、自己点検・評価を通じた適切なPDCAサイクルの運用による内部質保証推進を促すことや、教学企画や将来構想等の意思決定に確実に繋げる企画機能の両方を担っている部署が担当していることが挙げられる。本発表では、共立女子大学・共立女子短期大学で進めている教学IRを起点とした内部質保証について報告する。
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関 雅幸, 野田 育宏, 大森 雅人, 酒井 智行, 村上 勝彦, 高松 邦彦
p.
156-157
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
これまで我々は、Eduinformaticsをもとに、学修成果の可視化を開発してきた。近年の大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)、特に、ChatGPTの急速な発達により、プログラミングが苦手な教職員でも学修成果の解析や可視化が可能となりつつある。本研究では、大学改革やInstitutional Research(IR)において、ChatGPTを用いたロープログラミングまたはノープログラミングが可能かどうか、実際にIR従事者がChatGPTを用いた場合の可能性について、データを収集しながら基礎研究をしたので報告する。
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矢田 尚也, 中口 悦史, 村上 正行
p.
158-159
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は、大阪大学で2018年度に実施された入学時調査と2021年度に実施された卒業時調査のデータに基づいて、入学時の個人の特徴(e.g., 期待、学習スタイル)が学生の能力の自己評価に及ぼす影響を検討することである。分析の対象は両方の調査に回答した学生を対象とした。より具体的には因子分析等によりデータを縮約し、重回帰分析によって個人の性質と経験が学習成果としての能力の自己評価に及ぼす影響を明らかにする。
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田尻 慎太郎, 杉森 公一, 堀川 靖子, 伊勢 康平
p.
160-161
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
北陸大学では教学IRデータを一元的に管理しているが、学生の授業内学習行動データ(LAデータ)の収集は未実施だった。そこでSaaS型LMS「manaba」の学修行動ログを利用し、LMSの利用度が高い科目であある「統計学Ⅰ:の成績予測を機械学習で試みた。XGBoostモデルを用い、教学IRデータの入学時アンケートの回答データを説明変数に加えたところR2値はわずかに向上した。単位修得の予測ではほぼ100%の精度を達成した。
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藤原 善徳
p.
162-163
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
学内におけるデータリテラシーの高い人材の育成は、IR活動において重要な課題の一つである。本学においても中長期的な目標・課題としてIRerの養成を目指し、取り組みを行ってきた。本稿では2022年から開始したSD研修として職員を対象に行なった研修立案の実施、及び今後の展望、及びそれに付随する組織の編成や改善への取り組みについて報告を行う。
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豊田 暁洋, 飯塚 裕美子, 菊水 健史, 小手森 綾香, 髙橋 みずき, 松井 久実
p.
164-169
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
本研究では、麻布大学における開発事例を基に、教職協働型教学IR組織において、ナラティブ・アプローチによる分析情報共有を支援する教学IRシステムについて述べる。具体的には、課題として収集データにおける匿名性の確保と分析環境における多様性維持の両立を挙げ、これを解決すべく構築したデータマネジメントシステム、ダッシュボードシステムについて、機能や特色を報告するものである。
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稲倉 恒法, 今井 匠太朗, 高松 邦彦, 松本 清, 森 雅生
p.
170-175
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
業務データベースからデータウェアハウスを構成するとき、所望するデータウェアハウスのテーブルの一意性制約などの整合性制約をどう担保するかというのはよく知られた問題である。IR業務でも起こる、このような問題に対処するため、圏論的データベース理論のIRへの応用について議論する。圏論的データベースでは、圏論を用いて数学的に厳密でありながらも簡略化された形でデータベースを扱うので、理想化されたデータウェアハウスの構築に適していると考えている。
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―クロス表システムを活用して―
椿本 弥生, 廣川 佐千男, 新原 俊樹
p.
176-181
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
本研究では、文部科学省による「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(MDASH)」において2022年度にリテラシーレベルに選定された139校のうち、データ収集を完了した78校426件のシラバスに対してテキストマイニングを行った。その結果、最も採用されていたデータ分析ツールは、2021年度と同様にMicrosoft Excelであった。ただし、PythonやRといったプログラミング言語を用いるカリキュラムは増加していた。データの整理・可視化については、表に関する記述よりも図に関する記述は少なかった。
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大川内 隆朗, 田中 絵里子
p.
182-187
発行日: 2023/11/19
公開日: 2023/11/24
会議録・要旨集
フリー
本研究では、日本大学文理学部のシラバスを分析することにより、リベラルアーツや汎用性の高いアカデミックスキルが求められる現代の大学教育において、各学科や領域を跨ぐような共通点を探るとともに、分野や領域で固有で求められる多様なスキルについて分析を行った。その結果、個々の授業のシラバスには、学科の特色や教育内容を示すような多様なキーワードが含まれるが、それらをまとめた統括的な文章においては抽象度が高くなり、シラバスから得られる分野や領域に特化した情報量が減少する示唆が得られた。
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