メルコ管理会計研究
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最新号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
研究論文
  • サラヤ株式会社の事例研究
    李 燕
    2024 年 15 巻 1 号 p. 3-24
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー
    本稿ではサラヤ株式会社における事例研究を通じて,持続可能性経営のためのマネジメント・コントロール(MC)の役割を明らかにすることを目的とする。特に,同社の持続可能性経営から見られた,MCの仕組みとして人事によるコントロールとコミュニケーション・ツールの役割に焦点をあてる。事例分析から,これらのMCは外部環境と企業組織の相互作用を通じた持続可能性の事業活動への統合,および持続可能性活動に従事する従業員の活動を組織的な営みに展開するプロセスの中で,相互補完的に役割を果たしていることが明らかになった。本稿からの発見は,持続可能性経営のためのMCに関する学術的研究と実務の両方において貢献ができるものと考えられる。
  • 堀井 悟志
    2024 年 15 巻 1 号 p. 25-38
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー
    本論文では,本格運用開始後の会議ではなく,導入企業のアメーバ経営の社内構築プロセスに着目し,アメーバ経営の運用にかかわって必要とされる中間・下級管理者の管理会計能力の形成がいかに図られているのかをケーススタディ研究によって検証した。その結果,コンサルティングを活用した導入であったとしても,アメーバ経営における時間当たり採算計算はコンサルタントによって外部から完成されたパッケージが導入されるものではなく,社内の管理者によって作り上げられるものであること,そしてその構築プロセスにおいては,ルール作りにおける「宿題」の存在と,それも活用したルール作りへの主体的参加が重要であり,それらを通して主に会計と事業活動という実体の関連に関する理解を深めていることが明らかになった。また,導入後,本格運用前の調整段階では,OJTという形で,アメーバ経営の管理会計プロセスの鍵である予定立案能力の向上が図られており,そのなかで,意図的に自動計算しないよう設計された限定的な情報システムによって,部門間のコミュニケーションを促進し,アメーバ経営の求める組織行動の一つである部門間連携を作り出すとともに,予定を単なる予測ではなく意図ある予定とすることを可能にしていることを明らかにした。
  • COVID-19と経営者交代に着目して
    商 哲
    2024 年 15 巻 1 号 p. 39-55
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー
    本稿の研究目的は,変化に直面したBSC運用企業の変化への対処プロセスの解明である。既存研究は,BSC運用企業がなんらかの変化に直面した時,企業による対処が必要であることを明らかにしたものの,その対処プロセスに関する理解が不足している。本稿は,ケーススタディに基づき,COVID-19と社長交代という二つの変化に着目し,変化の発生から結果までの対処プロセスを分析した。また,変化への対処プロセスにおいては,複数の変化が発生した時,個々の変化による異変(Variation)への考慮の重要性,異変による行動に対する選択(Selection)と維持(Retention)の重要性,対処プロセス全体を見る重要性,創業者の重要性と限界を主張した。
院生論文
  • 大手製薬企業3社の事例より
    藤田 志保
    2024 年 15 巻 1 号 p. 57-67
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー
    本論文の目的は,環境変化に対応するために,企業が中期経営計画をどのように弾力的運用しているのかを明らかにすることである。この目的を果たすため,大手製薬企業3社のケース・スタディを行った。その結果,中期経営計画の弾力的運用として,①期間短縮・延長,②計画期間中の改定,③トップダウン型の策定,④目標設定,⑤複数のシナリオ設定,⑥計画レビューがあることを示した。
実態調査研究
  • 小沢 貴史, 立本 博文, 挽 文子, 加登 豊, 松尾 貴巳, 安酸 建二, 岡田 幸彦, 船越 多枝
    2024 年 15 巻 1 号 p. 69-80
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2025/02/01
    ジャーナル フリー
     2021年度牧誠財団第三次研究助成『管理会計研究における査読制度の高度化に関する調査研究』(研究代表者:加登豊)では,わが国の管理会計研究における査読制度とそれをめぐる問題を明らかにし,それを踏まえて査読制度の今後のよりよき姿を模索することを研究の目的としています。
     そのためには,現在のわが国の査読制度(Peer Review System)の実態をまず明らかにする必要があると考え,査読付き学会誌である日本管理会計学会の『管理会計学』,日本経営学会の『日本経営学会誌』,組織学会の『組織科学』の編集長の皆様にご協力いただき,座談会形式で各誌の査読の実態及び課題について議論する機会を2023年3月に得ました。何よりもまず,本研究の趣旨をご理解くださり,座談会に登壇してくださいました編集長の皆様に心よりお礼申し上げます。
     以下に座談会の模様をお伝えし,査読をめぐる現状と課題について読者の皆様とともに考えていきたいと思います。
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