ゼオライトの熱劣化過程を, 分子動力学 (MD) 法とコンピュータグラフィックスを用いて検討した.MD法によりゼオライトの骨格構造中の各原子が, 温度の上昇とともに激しく運動し, 最終的には結晶骨格の破壊へと進行することがわかった.MH型シリカライトはFAU型シリカライトよりも耐熱性があることを明らかにした.構造破壊に及ぼす交換カチオンの影響を検討した結果, CuZSM-5の構造破壊は, 骨格構造中のAlに結合しているOにCu
+が急激に接近することによって脱Alが促進され, 進行することがわかった.また, AlPO
4-5の構造破壊は, P-O結合に比べ結合力の弱いAl-O結合が切断・生成を繰り返して, 進行していくことがわかった.
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