波長172nmの真空紫外光照射前後におけるポリメチルメタクリレート (PMMA) の分子構造変化を分析した.金基板上に作製したPMMA膜に真空度10
0Pa下で真空紫外光照射を行い, XPSを用いて分析したところ, 分子中に含まれる酸素, 炭素存在比 (O/C) が0.40から0.10へと減少した.同じ試料のFT-IRスペクトルでは, PMMA中に含まれるC=Oとエステル基ピークの減少が確認された.これらの結果から10
0Paでの真空紫外光照射によるPMMA膜中の酸素原子除去が確認された.さらに, 窒素置換雰囲気における照射でも, 同様の酸素除去反応が観察された.また, 未照射のPMMA膜はトルエンによく溶けるのに対し, 10
0Paで真空紫外光照射したPMMA膜はトルエンへの溶解に耐性を持つことが分かった.この特性を利用して, 同じフォトマスクを用いてネガ型・ポジ型のPMMAパターンを作製できた.
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