外装用塗装鋼板は, 紫外線や熱などによる塗膜の劣化と水, 塩分および湿潤乾燥の繰り返しなどによる鋼板の腐食が交互に複合的に進行して劣化していく. それと同様の劣化環境を与えるために, 塩水噴霧メタルハライドランプでの紫外線照射などの各モードを連続的に行える新規複合サイクル試験機を考案・製作した. 次にその試験機を用いて, 暴露実績の有る5種類の塩ビ鋼板について複合サイクル試験を実施し, 屋外暴露回収品を含めて外観観察および種々の物性評価を行ったその結果, 塩水噴霧2時間一紫外線照射16時間一湿潤2時間の試験条件で複合サイクル試験を行うことにより, 屋外暴露に比較的近い劣化を再現することがわかった. また評価項目としては, 外観観察, 色差, 光沢, 塗膜剥離強度が適切と考えられる.
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