マテリアルライフ学会誌
Online ISSN : 2185-7016
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33 巻, 2 号
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解説
報文
  • 勝村 勇太, 柞山 将輝, 水上 絵梨香, 大澤 敏, 吉村 治
    2021 年 33 巻 2 号 p. 35-41
    発行日: 2021/05/31
    公開日: 2025/03/26
    ジャーナル フリー

    ヒバ油は,天然抗菌剤として利用されているが,揮発性が高く,材料に応用するにはその効果を持続することが重要である.そこで,本研究では,ヒバ油をバイオマス由来の材料で保持し,抗菌力持続性が高く環境負荷の低い材料の作製を目的とした.保持剤として竹粉またはセルロースナノファイバー(CNF),母材として酢酸酪酸セルロース(CAB)を選定し複合化フィルムを作製した.フィルムの抗菌持続性は,定性試験であるハロー法,抗菌力持続性は,シェーク法で定量的に評価した.ハロー法では,保持剤無添加フィルムの抗菌性が14日間であったが,竹粉を8 wt%添加したフィルムでは,35日間抗菌性が確認された.また,シェーク法では,保持剤無添加フィルムの抗菌力は試料作製時(0days)のみ認められたが,親水性CNFおよび疎水性CNF添加フィルムでは,7日間まで十分な抗菌力を示した.これらの結果より,バイオマス由来の保持剤添加により,ヒバ油の抗菌効果を持続できることが明らかになった.

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