吸気抵抗負荷に対する深呼気呼吸指示(呼吸パターン介入)前後における呼吸困難と呼吸パターンの変化を検討する。健常者10名を対象に無意識および意識的呼吸介入による安静時および段階的吸気抵抗負荷時の呼吸パターン,肺気量,呼吸困難の変化について検討した。吸気抵抗負荷に対して,無意識呼吸時は換気量や呼吸数に大きな変化がなかったが,呼吸パターンの指標である平均吸気流量(V
T/T
I)の低下,duty ratio(T
I/T
TOT)の増加,呼吸困難の増大が抵抗依存性に見られた。意識的呼吸介入によりT
I/T
TOTと呼吸困難の変化は,直線上の関連を有することが明らかとなった。本研究においては,呼吸パターンと呼吸困難は一定の関係を有していた。その際呼気時間を長くとらせてゆっくり息をはかせるなど,呼吸パターンの面からの指導アプローチが有効である可能性が示唆された。
抄録全体を表示