理学療法の歩み
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29 巻 , 1 号
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特別寄稿
  • 髙橋 一揮
    2018 年 29 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    日本理学療法士協会において理学療法診療ガイドラインが作成され,その項目には内部障害系疾患を代表する「心大血管疾患」と「慢性閉塞性肺疾患(以下,COPD)」も含まれている。本稿では「心血管疾患」と「COPD」の理学療法診療ガイドラインにおいて推奨グレードの高いものを抜粋して説明した。理学療法が科学的治療であることを主張していくためにもガイドラインを正しく認識して活用,発展させていくことが肝要である。
  • 山下 康次, 高見 彰淑
    2018 年 29 巻 1 号 p. 12-20
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    近年,人工呼吸管理を必要とする重症疾患患者の早期リハビリテーション(以下,リハ)は,適切な鎮痛および鎮静管理のもと早期の離床や運動を行うことが推奨されている。また,早期リハは,チーム医療として実践することが重要である。これらの環境のもとで行う早期リハは,人工呼吸期間・集中治療室在室日数および在院日数の短縮,身体機能の改善など多くの効果が認められている。一方,集中治療を経験した患者は,集中治療室退室後も多くの問題を抱えており,とくに身体機能の回復遷延や精神および認知機能の低下,さらには患者のみならず家族にも影響をおよぼすことが近年明らかとなってきた。今後は,本領域でのリハは早期の効果のみではなく,退院後の予後を含めた効果を長期的に追跡することが重要であると考える。
  • 藤澤 宏幸
    2018 年 29 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    現在,理学療法士養成校の定員は13,000人を超え,多くの高校生が理学療法士を目指している。本来であれば高校までのキャリア教育において,理学療法士の仕事について十分な知識を得て,自身の将来像と重ね合わせる作業が必須なはずである。しかし,学生のうち少なくない者たちが,十分に自己の職業観を省察できないまま,周囲からの勧めにより進学を決めているという実態もある。本論では,十分に目的意識が形成されていない学生を念頭に,入学前からの職業教育,初年次教育におけるキャリア入門・教育の在り方について,理論的背景を含めて議論する。
研究報告
  • 大橋 信義, 阿部 浩明, 関 崇志, 大鹿糠 徹, 辻本 直秀, 神 将文
    2018 年 29 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,脳卒中片麻痺者の麻痺側肩関節の亜脱臼を防止する上肢懸垂用肩関節装具の装着が,脳卒中片麻痺者の麻痺側遊脚期の歩容にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることである。対象は,上肢のBrunnstrom Recovery StageがⅢ以下の脳卒中片麻痺者で遠位見守りにて歩行可能な7例を対象とした。方法は,快適歩行速度にて約9 mの直線歩行路を,上肢懸垂用肩関節装具非装着,装着時の順にそれぞれ4回歩行した。両側の肩峰,上前腸骨棘より3横指内側部,外果に付着させた反射マーカーの位置変化を三次元動作解析装置にて記録し,比較した。結果,上肢懸垂用肩関節装具装着時は,非装着時と比較して麻痺側下肢遊脚期中の麻痺側上前腸骨棘高の最大値が増大した。上肢懸垂用肩関節装具の装着は,重度片麻痺者の肩関節の二次的損傷の予防のみならず,麻痺側遊脚期に麻痺側骨盤を挙上させる効果が期待できる。
  • 嶋田 有紗, 吉田 英樹, 志田 航平, 中村 洋平, 前田 貴哉
    2018 年 29 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    本研究では,ホットパック(HP)とストレッチングの同時施行によりHP施行時間の短縮が可能か検討した。健常者17名の左右いずれかのハムストリングスを対象とした。全対象者にHPでの大腿後面の加温開始前(基準)と加温開始5分後および20分後にHPを適用したままストレッチング(股・膝関節90°屈曲位とした仰臥位での膝最大自動伸展運動)を行う条件(同時施行条件)と,HPを適用せずに同時施行条件と同一時点でストレッチングのみ行う条件の2条件を日を改めて実施した。検討項目は,各条件の各時点におけるハムストリングスの伸張痛の程度(NRS)とストレッチング時の膝最大伸展角度とした。結果,同時施行条件でのみ基準と比較して加温開始5分後および20分後での同等のNRSの有意な軽減と膝最大伸展角度の有意な増加を認めた。以上から,HPとストレッチングの同時施行によりHP施行時間を5分まで短縮可能と考えられた。
  • 長澤 卓真, 高橋 純平, 今野 龍之介, 高玉 茜, 畑中 咲希, 濱口 唯, 三船 昂平
    2018 年 29 巻 1 号 p. 42-45
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    【目的】本研究の目的は,静的伸張に筋圧迫を併用したストレッチングの伸張効果を検証するとともに,筋圧迫強度の違いが即時効果に及ぼす影響を明らかにすることである。【方法】被験者は健常若年者59名とし,スタティックストレッチング(以下;静的伸張)のみを行った群と,5 kg,10 kgと強度の異なる圧迫を併用したストレッチングを行った2群の,計3群の右肩関節水平外転関節可動域角度を比較した。【結果】ストレッチング介入前後による主効果が認められ,各群ともに可動域の改善がみられた。群間比較では,肩関節他動的関節可動域角度(Range of Motion;以下ROM)は静的伸張群と5kg圧迫群間で有意差が認められた。【考察】関節可動域の即時伸張効果は,静的伸張のみよりも適度の強度で圧迫を行ったストレッチングの方がより大きいことが示唆された。しかし,圧迫部位など他要因による影響も考慮する必要がある。
研究論文
  • ―ステップピッチと手すりの有無を変数とした基礎研究―
    髙橋 一揮, 藤沢 拓也, 菊地 優太, 佐藤 光, 鈴木 沙斗美, 松本 栞, 藤澤 宏幸
    2018 年 29 巻 1 号 p. 46-51
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,運動療法プログラムとして頻用されるステップ運動においてステップピッチおよび手すりの有無を条件として呼吸循環応答ならびに運動強度の変化を明らかにすることとした。対象者は健常若年女性18名であり,心肺運動負荷試験とステップ運動を実施した。ステップ運動の条件は,ステップピッチ条件3種類(60・90・120 steps/min)と手すりの有無による2条件の計6種類で無作為に実施した。結果,ステップピッチの増加に伴い運動強度は有意に増加し,最大でも無酸素性換気閾値レベルあったが,手すりの影響は認められなかった。よって,ステップ運動は回数依存性に運動強度が増大し,ステップピッチによって負荷量の調整が可能であると考えられ,目的に応じて汎用できるプログラムであることが示唆された。
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