【目的】脳卒中片麻痺者の歩行に対する主観的評価と歩容の関連性を検討することである。【対象】対象は回復期病棟に入院した脳卒中片麻痺者22名。【方法】退院時に歩行に対する主観的評価を測定し,身体機能および歩容との関連を相関分析を用いて検討した。【結果】歩行の難易度に関する主観的評価は麻痺側股関節伸展角度(rs=-0.530, p=0.011)と歩行定常性の前後・側方・鉛直方向(rs=-0.498-0.451, p<0.050)が有意な負の相関関係を示し,歩行中のバランスに関する主観的評価では麻痺の重症度(rs=0.444, p=0.038)が有意な正の相関関係を示し,骨盤加速度のRoot Mean Squareの前後・鉛直方向(rs=-0.444,rs=-0.592, p<0.050)が有意な負の相関関係を示した。【結語】歩行の難易度に関する主観的評価は,歩容の安定で認識している可能性を示唆し,歩行中のバランスに関する主観的評価では体幹動揺の少ない人がふらつきを自覚している可能性が示された。
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