Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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13 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 千秋 鋭夫
    1962 年 13 巻 1 号 p. 1-21
    発行日: 1962/10/20
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    1957年12月12日から13日にかけて日本を通過した, スコールラインを伴つた前線の解析を,6時間々隔の高層データを用い行なつた。寒冷前線の前面にスコールフロントが解析され,そのまわりでは直接循環が認められた。寒冷前線の前面は強い南よりの下層ジエツトが見られた。運動方程式の各項の大きさの吟味を行なつたところ,南よりジエツトの強化は主に水平移流の項によることが示された。
    実測風は数時間のおくれをもつて,地衡風に追従し,そのことが強い非地衡風成分をもたらした。
    実測雨量パターンは凝結による潜熱から計算したパターンとよく一致した。
  • 佐貫 亦男, 木村 茂, 馬場 素生
    1962 年 13 巻 1 号 p. 22-27
    発行日: 1962/10/20
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    2方向風向計の問題に関連して,球を使うことの提案があつたので東京大学の1.5m風洞で実験してみた。ところが振動の減衰が3.5m/s以下の風速では,通常の風向計にくらべてはなはだしく悪くないが5~8m/sでは極端に悪いことがわかつた。もう一つの欠点は各風速を通じて真風向に落ちつかず,片側10° 程度の残留振幅がいつまでも続くことである。別の風洞実験で求めた球の抵抗係数を使つて,振動実験結果を解析してみると風速5~8m/s(レイノルズ数にして平均5×104)では,抵抗値が1/2~1/3ぐらい低下していることになる。いずれにしても,球形風向計は思わしくない形式である。なお本文には,通常の風向計の空気力学的ならびに振動特性をまとめてある。
  • 序報
    村井 潔三
    1962 年 13 巻 1 号 p. 28-34
    発行日: 1962/10/20
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    水面日射量を波長別に測定するために,干渉ブイルター,光電子増倍管および光の拡散装置を組合わせた装置を試作した。受光面が種々の入射角からの入射光に対して完全にcosine法則に従うようにするために拡散装置は非常に重要で,試作に当つて最も注意を払つた点である。拡散装置としては,一般に室内実験で用いられている積分球を用い,さらに,その光の出口に半透明なプラチツクの板を取付けることにより, 方向に対する特性はかなり改善されている、入射角0° ~70° の範囲では,cosine法則からのずれは5%以下である。
    測定する波長は,干渉ブイルターによつて近紫外および可視領域から5つの波長を選び出し,検知器としては, 5個の光電子増倍管を用い,その光電流を電子管式記録計により連続記録している。光電流は, 供給する高圧電源の変動に対して敏感であるので,1日の測定の問に数回標準電球による感知の検定を行なつている。
  • 三寺 光雄
    1962 年 13 巻 1 号 p. 35-101
    発行日: 1962/10/20
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    環境探索の方法として示されたCLEMENTSのPhytometer methodの批判を試みることによつて,あらためて環境の数理的解析の方法を示した。そして,この方法が具体的にどのように役立うるかマダケ林と牧草群落について適用した。その結果
    1.本実験の対象となつた千葉県成田市遠山におけるマダケ林では, 竹の生長に関する制限因子は盛筍期における土壌水分の不足であることがわかつた。
    2.牧草群落[浅間牧場における]の生長に関する制限因子は気候的要素ではなく,表土の厚さが厚い程生長が良好となることを確かめることができた。
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