Papers in Meteorology and Geophysics
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22 巻, 1 号
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  • 成瀬 弘, 丸山 晴久
    1971 年 22 巻 1 号 p. 1-21
    発行日: 1971/06/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    等圧法を使用して,個々の雲粒の核質量(吸湿核)を測定した.この方法による検出限界は,海塩量として,8×10-14gmであった.雲粒のような低濃度の溶液の測定では,水蒸気の調節溶液として10% NaClを用いた場合に,最も良い結果が得られた.
    1967年6月20日から28日の期間に,富士山7,8合目の観測所(3,400m)において,層状雲から雲粒の採取を行った.そして1,318個の雲粒について,その核質量の測定を行った.雲粒の大きさは,数μから100μの範囲であり,その核質量は,10-12gm以下が殆んどであった.そして,8×10-14gm以上の核は,全体の27%程存在した.
    継続時間が短く,雲粒濃度が低い雲では,雲粒の大きさと核質量との関係は見られない.しかし,継続時間が長く,雲粒濃度が高い場合には,雲粒が大きい程,その核質量は大きく見出された.
  • 石廊崎および富士山における観測
    内田 英治
    1971 年 22 巻 1 号 p. 23-42
    発行日: 1971/06/25
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    気団の性質とエーロゾル(主として雲核,他にエートケン核,巨大海塩核)の分布を調べるために,石廊崎および富士山(山麓,太郎坊,2合8勺)において観測を行なった.
    巨大海塩核(Cl核)の濃度はエートケン核濃度と逆相関の関係を示した.雲核の過飽和スペクトルは内陸性気団の影響のつよい型と海洋性気団の影響のつよい型とに分類される.
    これらの観測から気団とエーロゾルの分布の関係が論ぜられる.
    また気層の安定度とエートケン核濃度は関連がつよく,安定度のつよい程,核数は減少する.雲核分布の最大頻度は,可溶性の核とすると,半径0.01μ~0.02μのあたりにあらわれ,粒度分布は全体として内陸部ではかなり巾広く,多くの種類の核がまじっているものと思われる.
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