等圧法を使用して,個々の雲粒の核質量(吸湿核)を測定した.この方法による検出限界は,海塩量として,8×10
-14gmであった.雲粒のような低濃度の溶液の測定では,水蒸気の調節溶液として10% NaClを用いた場合に,最も良い結果が得られた.
1967年6月20日から28日の期間に,富士山7,8合目の観測所(3,400m)において,層状雲から雲粒の採取を行った.そして1,318個の雲粒について,その核質量の測定を行った.雲粒の大きさは,数μから100μの範囲であり,その核質量は,10-12gm以下が殆んどであった.そして,8×10
-14gm以上の核は,全体の27%程存在した.
継続時間が短く,雲粒濃度が低い雲では,雲粒の大きさと核質量との関係は見られない.しかし,継続時間が長く,雲粒濃度が高い場合には,雲粒が大きい程,その核質量は大きく見出された.
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