Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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41 巻, 2 号
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原著論文
  • 柴田 清孝
    1990 年 41 巻 2 号 p. 43-61
    発行日: 1990年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     白金抵抗温度計は一階の微分方程式の系で記述されないという実験結果を説明するため抵抗温度計のモデルをつくり、その熱伝導方程式を解析的に解いて過渡応答を求めた。モデルは保護管・充填物質・抵抗線層の3層から成る無限長円筒と単純化されている。この結果を使って充填物質の物理特性の異なる種々のモデルについて過渡応答を評価した。主な結果は次の通りである。(1) 過渡応答はあるフーリエ数以降でC exp (-t/λ) と指数関数の単項式で近似できるが、係数C (>1) と指数λの2つのパラメータが必要である。(2) 応答速度はビオー数の小さいうちは内部構造の影響をほとんど受けないが、ビオー数が大きくなると充填物質の厚さ、熱的性質に敏感になってくる。(3) 充填物質が熱絶縁的である限り、保護管および抵抗線層の熱的性質は応答速度にほとんど影響を与えない。
  • 伊豆大島に於て観測される地電位異常変動に関する一考察
    小嶋 美都子
    1990 年 41 巻 2 号 p. 63-82
    発行日: 1990年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     一般に、ある一つの地電位異常変動が、ある一つの地殻活動によるものであると断定することは現在のところ不可能である。それら二つを関連づける場合に、地電位異常変動の他の原因をすべて消去することが不可欠である。地電位異常変動のうち、矩形状のものは人工擾乱によるものであることを観測所の多くの例から示した。水戸—常陸太田に現れる人工擾乱による地電位異常変動の内、一つのタイプは、気象条件と関連した日立電鉄の電車の漏洩電流によることが判明した。伊豆大島でNTT通信施設を利用して観測される地電位異常変動は、上田等の主張する伊豆半島東方沖の地震活動の前兆現象ではなく、降水と関連した電話交換機等からの漏洩電流による人工擾乱によることが判明した。
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