Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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44 巻, 1 号
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原著論文
  • 西山 勝暢, 稲川 勝, 水野 孝則
    1993 年 44 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 1993年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     1969年に行われた気象庁の5船共同観測の資料を基に日本海固有水の生成に関連した、日本海の深層の鉛直循環について考察した。
     日本海の表層は、極前線を境に北側を寒流域、南側を暖流域と呼ばれ、この表層水は400m深より深くなることはない。これより深層では表層とは逆に、北側が高塩分で、南側が低塩分となっていて、日本海北部の日本海盆東部では高気圧性循環がみられ、海水は沈降し日本海固有水の形成に関与している。そして、日本海盆西部や大和海盆では湧昇している。
  • 金久 博忠
    1993 年 44 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1993年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     1987年と1990年に Verkley は、大気ブロッキング現象のモデルの一つとして球面上のモドンを構成した (以下、87モドン及び90モドンと言う)。これら二つのモドンは球面上の順圧渦位方程式の厳密解として独立に提出された。
     此の報告では、87モドンの線形リアプノフ安定性、及び90モドンの線形スペクトル安定性を、アーノルド不変量を使って示す。
     定常解の安定性を調べるのにアーノルド不変量が有用である事は良く知られている。アーノルド不変量は87モドンに対しては存在するが、90モドンに対しては定義されない。しかし、90モドンが87モドンの或種の極限である事により、87モドンのアーノルド不変量を使って、90モドンの安定性を示す事ができる。
  • 木下 宣幸
    1993 年 44 巻 1 号 p. 17-28
    発行日: 1993年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     乱流渦の長さのスケールの予報方程式を組込んだ2次と1.5次の乱流クロージャーモデルを用いて中立大気中の乱流エクマン境界層の性質を調べ、結果を乱流の消散率の方程式を組込んだ2次のクロージャーモデル、E-ε モデル、ラージエディシミュレーション及び直接数値シミュレーションと比較した。今回のモデルで得られた乱流エクマン境界層の高さは他のクロージャーモデルよりも高く、境界層上部での乱流運動エネルギーや乱流運動量フラックスは大きかった。これらの違いは予報された長さのスケールが他のクロージャーモデルより長いことに起因している。このモデルで得られた乱流エクマン層の構造は直接数値シミュレーションによるものと良く一致した。1.5次のクロージャーモデルの結果は定常状態では2次のクロージャーモデルの結果に良く一致するが、境界層の発達が遅いという問題点が見られた。
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