Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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48 巻, 1 号
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原著論文
  • 歴史的経過
    丸山 健人
    1997 年 48 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     成層圏における準二年周期振動 (QBO) と大気赤道波の発見、それに引き続く諸研究における関連のエピソードについて、とりわけ日本における観測データの利用状況に重点をおいて振りかえって見た。赤道波理論と波—平均流相互作用理論は研究の発展を成功させ、スペクトル解析は赤道波の構造や活動、気候学的ふるまいに関して記述するのに効率よく利用された。全球大気大循環モデルによる QBO のシミュレーションの進歩が近い将来に期待されている。
  • 廣田 道夫, 牧野 行雄, 佐々木 徹, 堤 之智, 財前 祐二, 池上 三和子
    1997 年 48 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     1978年以来、日本上空 (24-44°N, 128-144°E) で対流圏空気試料の採集を行い、GC-ECD法により CCl2F2 及び CCl3F の分析を行った。
     対流圏の平均体積混合比は1990年1月時点で CCl2F2 が 453ppt、CCl3F が 272ppt である。1978年から1990年までCCl2F2 及び CCl3F の平均体積混合比は一定の割合で増加していた。それぞれの増加率は CCl2F2 が 16.2±3.5ppt/年、CCl3F が 10.3±2.0ppt/年であった。1990年以来、CCl3F の混合比の増加率は明らかに減速した。CCl2F2 の混合比の増加率も1993年以来減速しているように見える。これは CCl2F2 や CCl3F の放出が削減されたことに対応している。
  • 橋本 徹夫, 山里 平, 宇平 幸一, 清野 政明
    1997 年 48 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 1997年
    公開日: 2006/10/20
    ジャーナル フリー
     雲仙岳測候所に設置した長周期地震計 (To=10s) の記録に坪井の式を適用して雲仙岳周辺で発生する地震のマグニチュードを求めた。また、規模の小さい地震については、雲仙岳測候所A点の火山用短周期地震計 (To=1s) の上下動振幅からマグニチュードを求める式 M=logAz+1.73logΔ-0.46を得た。雲仙岳の山頂付近で発生した地震のマグニチュードにこれらの式を適用したところ、1991年の溶岩ドーム形成初期に最大M2程度の地震があり、別の時期のものはM1程度であったことがわかった。また、溶岩ドーム形成初期の地震活動には、規模別頻度分布にM0.2付近とM1.1付近にピークを持つ。M1.1にピークを持つ地震群は、溶岩ドーム形成期の陥没構造形成に対応する地震活動であると推定される。
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