Papers in Meteorology and Geophysics
Online ISSN : 1880-6643
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ISSN-L : 0031-126X
54 巻, 1 号
August
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原著論文
  • 高山 寛美
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年54 巻1 号 p. 1-45
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/03/28
    ジャーナル フリー
    地電位の異常変化の迅速な検出を目指して、地磁気変化による誘導成分を除去する2つの方法を試した。1つは多次元回帰モデルを用いる方法で、もう1つはBAYTAP-Gを用いる方法である。前者は地電位変化を過去、現在、未来の地磁気変化の線形結合として表し、誘導電位変化は地磁気変化とモデルパラメータのコンボリューションとして推定される。後者は地電位観測値を潮汐、電磁誘導、トレンド、不規則の4成分に分離する。これらの方法を、人工雑音が多いが異常な変化が見られた沼津グループの地電位変化に適用した。多次元回帰法は日変化と地電流嵐を見かけ上除去し、観測値では明瞭でなかった異常変化を明確にした。しかし、推定されたパラメータから得られる利得と位相は地下の比抵抗構造に関する情報をもたらさない。BAYTAP-Gは人工雑音による日変化を潮汐成分と誘導成分として分離し、異常変化はトレンドと不規則成分の中に明瞭に検出された。
    BAYTAP-Gによって推定された地電位の潮汐成分と潮流および潮位との関係を調べた。地電位と潮流の同時期のデータが得られなかったので、その関係を明確にすることはできなかった。KSM-MTO (笠間-水戸) の地電位とOAR (大洗) の潮位のO1とM2成分の振幅の時間変化はコヒーレンシーが高いにもかかわらず相関は良くない。
  • 高山 寛美
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年54 巻1 号 p. 47-58
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/03/28
    ジャーナル フリー
    多次元回帰モデルを用いて見かけ比抵抗と位相を推定する方法を提示した。モデルの次数はAIC (赤池情報量規準) を用いて決定される。この方法はスペクトル解析に基づく従来の方法に比べて、低周波の見かけ比抵抗と位相を推定するのに必要なデータ長が短くて良いという点で優れており、磁気嵐のように波長が長くデータ長の短いデータに適用することによって、誘導磁場の波長が有限であることの影響をあまり受けずに低周波の見かけ比抵抗と位相を推定することができる。この方法をNTTの通信施設を用いて観測した長基線地電位と柿岡地磁気観測所での地磁気の大規模磁気嵐の時のデータに適用し、3.3×10-5~1.0×10-3Hzの低周波の見かけ比抵抗と位相を推定した。
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