日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
20 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 李 燕, 金城 由紀子, 万 佳寧, 霜村 典宏, 山口 武視, 会見 忠則
    原稿種別: 本文
    2012 年 20 巻 2 号 p. 77-84
    発行日: 2012/07/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    Pholiota microsporaのグルコアミラーゼ遺伝子(PnGlu1)を同定した.アミノ酸をコードする領域は,1743bpであり,581アミノ酸をコードしていた.その内,N末端の最初の17アミノ酸は,シグナルペプチドと考えられた.本タンパク質は,糖質加水分解酵素ファミリー15特有の配列及びC-末端に炭水化物結合モジュール(CBM20)を見出すことができた.様々なデンプン(可溶性,トウモロコシ,サツマイモ,ジャガイモ)の入った最少培地で培養した二核菌糸体中のPnGlu1の発現量を,逆転写定量PCRで調べた.その結果,PnGlu1の転写は,可溶性デンプン,トウモロコシデンプンで顕著に増加した.
  • 霜村 典宏, 江木 翼, 沢田 清美, 会見 忠則
    原稿種別: 本文
    2012 年 20 巻 2 号 p. 85-88
    発行日: 2012/07/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    ショウロの二次菌糸の指標であるクランプ形成を迅速に観察する検定培地(TM7培地)を開発した.TM7培地は0.2%(w/v)Tween80,0.1%(w/v)麦芽エキス,2%(w/v)寒天の組成で,1M NaOHでpH7.0に調整した培地である.TM7平板培地に組織分離菌株と単胞子分離菌株をそれぞれ接種して培地面を下にして培養すると,組織分離菌株では接種後5日目で安定してクランプ形成が認められたが,単胞子分離株ではクランプ形成を確認できなかった.以上の結果から,TM7培地はショウロの一次菌糸と二次菌糸の識別に有効であることが示唆された.
  • 薮田 行哲, 宮脇 ひろみ, 柴山 絢子, 一柳 剛, 會見 忠則, 渡辺 文雄
    原稿種別: 本文
    2012 年 20 巻 2 号 p. 89-92
    発行日: 2012/07/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    市販されている9種の食用きのこの抗酸化活性をクロシン退色法,フォーリンチオカルト法,そして1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル消去法の3種類の方法により測定した.9種類の内,ツクリタケが最も高い抗酸化活性(0.22mmol Trolox当量/g新鮮重量)を示した.さらにツクリタケの抗酸化活性は熱に安定であった.抗酸化活性は抽出溶媒および抗酸化活性の測定法の違いにより変化した.このことはきのこには様々な抗酸化物質が含まれていることを示唆するものであった.
  • 山中 高史, 丸山 毅, 山田 明義, 宮崎 安将, 菊地 泰生
    原稿種別: 本文
    2012 年 20 巻 2 号 p. 93-97
    発行日: 2012/07/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    不定胚の発芽により再生したマツ属3種の苗(アカマツ,クロマツ,テーダマツ)へのマツタケ菌接種による菌根形成を紹介する.ブドウ糖,乾燥酵母および塩化第二鉄を含む養液を加えた日向土を滅菌して,そこでマツタケ菌を培養した後,マツ再生苗を植えたところ,実生苗に形成されるのと同様に菌根が形成された.菌根形成により地上部の成長は,非接種苗より有意に向上し,R/S(地下部重量/地上部重量)は減少した.今回の,組織培養において再生させた苗から作成したマツタケ感染菌は遺伝的に均一の個体であり,共生関係における養分供給に関わる分子機構の解明への活用が期待される.
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