本論文は大豆系食品 (豆腐) 製造所での排水処理に関する研究報告である.
この製造所での排水は浸せき排水, 寄せ込み排水, さらし排水の3種類に大別でき, これら排水を分画分子量が異なる3種類の限外ろ過膜, すなわち100,000, 10,000および3,000でそれぞれ処理した・その結果, 膜の分画分子量の相違による差異はみとめられず, 排水中の汚濁物質はほとんどが分子量3,000以下の有機化合物であった.また, ゲルクロマトグラフの分析結果より, これら排水中には分子量2・000前後と3,000前後のわずか2種類のタンパク質が含まれていることもわかった.
水質レベル向上として, 有機体炭素物質の減少とカチオン成分, すなわちMg
2+イオン・C
a2+イオンおよびNH
4+イオンの除去に焦点をしぼり, 前者に対しては活性炭, 後者に対しては合成ゼオライトによる吸着除去をさらし排水に対して試みた.その結果, ゼオライトによるカチオン吸着は20分間で平衡に達し, その水質は用水のそれらの値を示した.しかし, 活性炭では有機体炭素物質を吸着減少させることができなかった.
抄録全体を表示