塩基性リン酸カルシウム二水和物 (DCPD) やα-リン酸三カルシウム (α-TCP), β-リソ酸三カルシウム (β-TCP) のようなリン酸カルシウムとカルシウムアルミノシリケートガラスを水熱処理した・反応生成物はXRDで測定し, 圧縮強度も測定した.ガラスはSiO
2がおおよそ40重量%, CaOが30から50重量%, Al
2O
3が10から30重量%の組成であった.これら混合物を250℃までの条件で水熱処理した.DCPD単独のものは硬化せず, ヒドロキシアパタイト (HAp) を生成しなかったが, 高温では塩基性リン酸無水物 (DCPA) が生成した.しかし, CaO含有量の多いガラスが共存すると, HApを生成するとともに, 強度も発現した・α-TCP単独のものは, 105℃でHApが生成したり, 高強度のものがえられた.しかし, 温度が高くなると強度は低下した.α-TCPは水和の途中でβ-TCPに転化した.β-TCP単味のものはα-TCPより反応性は低いが, 硬化した.β-TCPは0度DCPAに転化し, その後水和してHApになることがわかった.
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