低水路水深と高水敷高さとの比を系統的に変化させた複断面開水路流がLDAによって計測された.その結果, 高水敷水深が浅いときは低水路と高水敷との間に発生するシアーが卓越することによって横断方向Reynolds応力が境界部の水面付近で極大値をとり, このReynolds応力によって高水敷と低水路との間に運動量交換が生じる.ところが, 高水敷水深が増加すると, 横断方向Reynolds応力の極大領域は消滅し, 代わって2次流が横断面内で卓越し, 2次流による運動量交換が支配的となる.また, 境界部付近に発生する斜昇流の角度が高水敷水深の増加に伴って変化することが定量的に示され, 高水敷水深の変化が複断面開水路流の乱流構造に及ぼす影響が定量的に明らかとなった.
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