静水中で円柱を回転するとき, 小渦輪 (俗に言うキノコ渦) が円柱軸方向に規則的に現れる.前報で, これとよく似た小渦輪が崩壊直前の渦輪の渦まわりに観察された.本報告では, 回転円柱の小渦輪と渦輪の小渦輪との対応関係を調査した。回転円柱の場合, 小渦輪の間隔 (p/d) と回転レイノルズ数 (Rer) との関係は, p/d=64・Rer
-0.77で表される.渦輪の場合に対しては, 回転円柱の円柱直径に相当するものとして, 渦をランキン渦に置き換えたときの渦核直径を当て, 回転円柱の小渦輪の間隔に相当するものとして, 渦輪の小渦輪が波状変形した多角形の渦輪の各辺に現れていたので, 渦輪の波状変形した波長を当て, 回転レイノルズ数に渦輪の循環値を用いるとき, 渦輪のp/dとRerの関係は, 上記の回転円柱の関係とほぼ一致した.上記の渦輪の循環値を評価する過程で, 理想流体中にある渦輪の循環値が渦輪直径と渦輪軸方向の渦輪中心速度との積 (Γ=2R・V
0) で表されることを導出した.さらに, この結果が実際の渦輪にも適用できることを示し, 実際の渦輪の循環値を精度よく簡易的に求める方法として提案した.
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