著者は, 先立つ第1部の論文 (石岡, 2003, 「ながれ」22巻, 345-358頁) において単位円盤領域上の浅水方程式を数値的に計算するための新しいスペクトル法を提案した.これは円柱座標系を用いた場合に起りがちな原点での特異性を回避するためにJacobi多項式を展開の基底として用いるもので, ベクトル場を直接展開するところに新しさがある.本論文では, 第1部の論文で与えた定式化に基づいた数値計算例を示し, このスペクトル法の実用性について議論する。具体的には, 浅水方程式の線形固有値解析および非線形時間発展の例を示す.さらに, 非線形時間発展で問題となる重力波成分に対処する時間積分手法も提案する.
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