わが国で開発され,世界に先駆けてIL-6阻害薬トシリズマブ(アクテムラ
®)が実臨床で関節リウマチに使用されてから3年を経過した.7,900例近くが登録された市販後全例調査が解析中であるが,実臨床においてもトシリズマブの有効性や骨破壊の進行抑制効果を示した結果が集積されつつある.トシリズマブは関節リウマチ以外にCastleman病や若年性特発性関節炎治療にも光明をもたらした.今後は他疾患への有用性の検討や皮下注製剤などの利便性の向上により,膠原病・リウマチ性疾患の難治性病態における治療のあらたな発展が望まれる.
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