症例は77歳,男性.15年前に関節リウマチ(rheumatoid arthritis,以下RA)と診断され,これまでMTX(methotrexate)6mg/週により加療を行っていた.2010年1月下旬CRP上昇を認めたため,胸部X線検査をしたところ,両肺野の多発性腫瘤状陰影を認めた.MTX関連リンパ増殖性疾患(methotrexate-associated lymphoproliferative disorders,以下MTX-LPD)の発症が疑われたため,MTXを中止した.MTX中止1カ月後には腫瘤陰影はほぼ消失した.4月リウマチ症状の悪化を認めたため,タクロリムス1mgを開始した.MTX中止半年後の7月のCTにて右胸膜に腫瘤を認め,タクロリムスを中止した.その後,腫瘤は増大し,全身状態が急激に悪化し,10月永眠された.
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