日本内科学会雑誌
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103 巻 , 12 号
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内科学会NEWS
目次
特集 内科系診療における技術評価―「もの」から「技術」への転換をめざして
Editorial
トピックス
I.イントロダクション
II.特別寄稿
  • 遠藤 久夫
    2014 年 103 巻 12 号 p. 2892-2898
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    内科系医療技術を適切に診療報酬で評価することは資源配分上有益なことである.しかし,(1)中医協では個別の医療行為の点数について事実上審議しない,(2)診療報酬は政策誘導の有力な手段であるため,点数がコストと乖離していることが多い,(3)内科系技術を客観的に評価する指標を選択するのが難しい,(4)診療報酬の評価ルールを抜本的に変えると医療費が増加する可能性があるため,抜本改革には消極的である,といった理由で現実的には困難であるのも事実である.
III.諸外国と他領域にみる技術評価の考え方
  • 田倉 智之
    2014 年 103 巻 12 号 p. 2899-2906
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    米国の医師技術料は,技術やストレスをも包含する提供負荷(relative value unit:RVU)と資源消費をベースとしたRBRVで論じられてきた.これは,技術提供に伴う医療資源消費をRVS(relative value scale)という総合指数で規定する.その算定には,主な18診療科で多くの専門医師が関与し,領域横断的なコンセンサスが形成される一方で,技術特性間の調整と多様な診察の分類が課題として挙げられた.今後の医師技術評価は,提供者の視点が中心のRBRV方式に加え,患者や国民等の享受者や負担者の立場によるアウトカム評価も望まれる.
  • 山口 俊晴
    2014 年 103 巻 12 号 p. 2907-2912
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    外科系学会社会保険委員会連合は,1967年に「社会保険診療における手術料を,学術的根拠に基づいて評価する」ために結成された組織である.その後,長い時間をかけて外科系医療技術の評価体系を作り上げ,外保連試案として公開してきた.実態調査に基づき,試案の精度を上げることで信頼性を高める努力が実り,最近の診療報酬改定では,医療技術評価の基礎的なデータとして取り扱われるようになった.本稿ではその歴史的経緯を述べるとともに,問題点と今後の展望について言及する.
  • 山田 雅子, 井部 俊子, 岡谷 恵子, 任 和子, 浅田 美和, 小野田 舞, 齋藤 訓子, 田倉 智之
    2014 年 103 巻 12 号 p. 2913-2917
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    看護系学会等社会保険連合(看保連)では,看護実践の評価が適切になされるよう,診療報酬および介護報酬の在り方について厚生労働省に提案する役割を担っている.看保連の問題意識は,看護師配置が人数だけの評価であり質が問われていないことと,患者が回復する過程で実際には多くの看護が投入されるべきであるがそれが十分でないことにあり,これらを整理するため,看護の価値による体系化について研究的な取り組みを始めた.
IV.内科系技術評価への挑戦
V.内科系技術評価の確立を目指して
VI.内科系20 領域における診療報酬上の課題
  • 米山 彰子
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3012-3014
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    臨床検査の診療報酬に関する問題として,実施料の引き下げが続きコストを下回る項目もあること,判断料の設定や意味付けに疑義があること,検査の臨床的価値が診療報酬に反映されていないことなどが挙げられる.内科系学会社会保険連合(内保連)検査関連委員会が最近取り組んでいる活動の1点目は,臨床的価値の高い生体検査に対しコストに見合った点数を求めることである.2点目として,薬事承認がないために診療報酬が認められない感染症遺伝子検査に保険適応を求めている.
  • 土器屋 卓志
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3015-3018
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    放射線関連委員会に関わる主な学会とその内容は日本医学放射線学会(画像診断),日本核医学会(核医学診断および放射線同位元素内用療法),日本放射線腫瘍学会(放射線治療)である.
  • 石川 誠
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3019-3021
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    リハビリテーション関連18学会が参加したリハビリテーション関連委員会では,最終的に31項目の要望を取りまとめた.優先順位は決定できなかったが,重要項目として,未収載3項目,既収載3項目,医療課長宛6項目を要望した.結果として,既収載1項目,医療課長宛では4項目が認められた.リハビリテーション関連では,技術より施設基準などに関連する要望として医療課長手渡し分に重要項目が多いことが特徴である.
  • 上村 直実
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3022-3024
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    平成26年度診療報酬改定の結果から,消化器臓器に関連した診療報酬に関する課題について概説した.消化器関連委員会より,内科系学会社会保険連合(内保連)経由で要望した新規収載要望項目や診療に対する増点などを達成したものは少なかった.今後,本委員会は,消化器関連の診療技術に対する適正な診療報酬を設定するとともに,今後,本委員会に参加する全ての学会のみでならず,放射線学会など他学会との連携を密にすることが重要と思われる.
  • 川名 正敏
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3025-3027
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    内科系学会社会保険連合(内保連)循環器関連委員会では日本循環器学会(日循)を中心に関連学会が共同して循環器診療に関連する情報収集,合意形成,資料作成などに取り組んできた.平成26年度診療報酬改定から,循環器関連領域の要望書は基本的に内保連を経由して厚生労働省へ提出されることになった.平成26年度はかなり厳しい結果であったが,今後は日循がさらにリーダーシップをとって各学会の要望をまとめあげ,内保連,外科系学会社会保険委員会連合(外保連)へあげていくことが重要であると指摘されている.
  • 成瀬 光栄, 立木 美香
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3028-3032
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    内分泌代謝領域の診療報酬上の課題は,内分泌代謝疾患の診療特性と密接に関連している.すなわち,多くが比較的緊急性のない慢性疾患が多く,外来診療が主で入院患者数の比率が少ないこと,特掲診療料の中で処置や手術が極めて少ないこと,他科に入院中の患者のコンサルテーションが多いことなどが特徴である.今後,本領域の診療報酬の適正化のためには,1)医療資源の投入が多い副腎クリーゼなどの内分泌クリーゼにおける医療技術評価,2)外来,入院で実施される多くの内分泌負荷試験の判断料の増加,3)長期のホルモン補充療法の精密な投薬指導料の増加などが検討課題になると考えている.
  • 渥美 義仁
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3033-3035
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病治療が高い品質で広く行われるために診療報酬の裏付けは欠かせない.過去には,インスリン注射が認められるまでに時間を要したこともあったが,最近は,必須の治療や検査は十分とはいえないが比較的認められてきた.患者視点とともに,合併症予防とチーム医療の視点が重視されてきたので,残る課題についてもこのような視点から要望し,患者の健康寿命を延ばし,QOL(quality of life)を高めたい.
  • 川西 秀樹, 高橋 進
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3036-3038
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    内科系学会社会保険連合(内保連)腎・血液浄化療法関連委員会では平成26年度は,新規・既収載を含め12技術の提案を行ったが,残念ながら1提案しか反映されなかった.透析療法に代表される血液浄化療法は技術料・管理料として診療技術も含めて包括化されており,新たな内科診療技術を提案するには限界がある.しかし,逆に腎不全医療は対象集団が限定されており,しかもアウトカムの設定が容易であるため,費用対効果の検討の対象となり得る.今後,エビデンスと費用対効果に基づく提案を行う必要がある.
  • 北村 聖
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3039-3041
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    血液関連分野は薬に代表されるものでは評価されない.技術的なものの評価が不可欠である.しかし,昨今の項目を見ていると検査手技などが技術として取り上げられ,キット化されていない検査は保険収載を軒並み見送られている.血液診療の現場からみると,そのような検査ではなく,専門的な知識と経験を必要とする判断,管理などを技術として評価されるべきと考える.本稿では,白血病診療,骨髄不全,リンパ腫診療,さらに骨髄移植に分けて述べる.
  • 廣瀬 弥幸, 松瀬 厚人, 蝶名林 直彦, 弦間 昭彦, 河野 茂
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3042-3044
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    呼吸器関連委員会は呼吸器に関連する所属14学会で構成され,診療報酬改定に際して共同提案を行っている.平成26年度改定では45項目を要望し,免疫染色病理組織標本作製での4種類以上の抗体を用いた免疫染色の加算,時間内歩行試験の要件変更,ヒトメタニューモウイルス抗原定性,呼吸器リハビリテーション料増点が承認された.今後も質の高い医療を提供するために,診療や費用対効果のevidenceを意識することが重要である.
  • 竹内 恵, 内山 真一郎, 荻野 美恵子, 鈴木 則宏, 亀井 聡
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3045-3048
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    内科系学会社会保険連合(内保連)神経関連委員会には14の学会が所属しており,神経疾患に関わる広範な領域について関連学会が協力して診療の向上を図っている.診察の技術である神経学的検査が認められたことは画期的なことであった.今後取り組むべき課題として,認知症関連や障害者,難病関連,てんかん医療などが挙げられる.
  • 髙崎 芳成
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3049-3051
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    近年,関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の治療はパラダイムシフトと呼ばれるほどの大きな変化がもたらされた1).かつて,発症すると約50%の患者が車椅子や床上の生活を余儀なくされていたが,適切な治療が実施されれば約70%以上の患者が日常生活に支障のない高いレベルの生活の質を確保できるようになった.これにはメトトレキサート(methotrexate:MTX)と生物学的製剤の導入が大きく寄与しているが,その使用には極めて専門的な知識が求められる.しかし,今日の保険制度ではその技術が必ずしも正当に評価されているとは言い難い.本稿ではその問題点について言及する.
  • 柴 孝也
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3052-3054
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    診療報酬の改定などで最も影響を受けてきたのが感染症関連領域ではないかと思われる.事実,院内感染対策など加算から減算へ,そして加算I・IIと改定の度に踊らされてきた.内科系学会社会保険連合(内保連)の中でも診療報酬との課題の多い感染症関連委員会ではないかと思い,今日の話題を中心にここに要旨を略記する.当委員会参加学会は下記の通りである.日本医真菌学会・日本化学療法学会・日本環境感染学会・日本感染症学会・日本結核病学会・日本ヘリコバクター学会・日本臨床微生物学会・日本小児感染症学会・日本エイズ学会
  • 藤原 康弘
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3055-3058
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    生涯においてがんで死亡する確率は,男性で約4人に1人,女性で約6人に1人であり,「がん」は国民病の時代になっている.このような中,平成22年度診療報酬改定において,外保連試案に基づき,悪性腫瘍手術全般にわたって手技料の大幅な増点がなされたことは記憶に新しい.平成28年度改定に向けて,内科系学会社会保険連合(内保連)悪性腫瘍関連委員会所属学会から挙げられたがん診療を巡る診療報酬上の課題を紹介するとともに,がん保険診療の難しさを考察した.
  • 三國 雅彦
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3059-3061
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    脳科学を含めて医学の進歩がめざましい中で,人間全体を診る医療への回帰,re-humanizationの流れが我が国においても湧き起ってきており,身体科と精神科との連携が実施されつつある.しかし,この流れの推進を阻害する要因として精神科医療経済上の課題や問診で診断する精神科医療自体にあるので,それらにどう対処するかが喫緊の課題となっており,それらの諸課題について略述する.
  • 石川 俊男
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3062-3066
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    心身医療・心療内科が置かれた診療報酬上の問題は,心療内科の独自性の問題でもあり,その診療報酬の少なさは独自性,独立性を著しく損ねているのが現状である.非常に国民のニーズの高い全人的医療を専門的に実践している心身医療がその専門性を認められ,医療経済的にも独立していくことが希求の課題である.実際には,心身医学療法料の適正な増額や社会的な問題でもある摂食障害の重症例の医療費を診療報酬に反映させることを目指している.
  • 清澤 伸幸, 大山 昇一, 横谷 進
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3067-3070
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    内科系学会社会保険連合(内保連)小児関連委員会は20の小児に関連する学会からなり,年に2~3回委員会を開催し,開催日には小児の外科系や看護系の学会もオブザーバーとして参加している.学会間の情報交換をするとともに,共通する項目については共同提案できるように調整を行っている.そのために別個に小委員会を設けたり,在宅医療委員会とも連携を取り合ったりしており,厚生労働省に対して個ではなく集として折衝してきた.今後も小児医療をよくするために継続的に活動していく必要がある.
  • 白須 和裕
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3071-3073
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    内科系学会社会保険連合(内保連)に加盟する学会の中で,女性に特有な疾患を診療する機会のある9学会で女性診療科関連委員会を設立している.この分野における診療報酬上の適切な評価を目指して活動している.2年ごとの診療報酬改定に向けて要望事項を取りまとめ,医療技術評価提案書の作成に際しては委員会内の関連する複数学会が一致して提出することで,その有用性を強調している.女性に特有な疾患に対する医学管理の必要性,有用性についても評価を求めている.
  • 清水 惠一郎
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3074-3076
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    内科系診療所委員会は平成26年度診療報酬改定に際し,診療所と病院の機能分担と連携を目指し,前回改定において日常診療上支障となっている15項目(A基本診療料6項目,B管理料2項目,C在宅5項目,F投薬2項目)について提案を行った.特に要望した項目は,患者の受診形態の変化により,長期処方が診療所においても一般化したため,月2回の管理料が算定できないことの是正,7剤以上処方時の逓減の解消であった.
  • 清水 惠一郎
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3077-3079
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    平成24年10月に内科系学会社会保険連合(内保連)に,11学会が参加のもと,在宅医療関連委員会が設立された.従来,内保連においては,第2部 在宅医療として関連する領域は各学会が個別の要望として挙げていたが,共通部分に関しては議論を整理してまとめて要望書の作成をすることが担当所管に対して説明する場合に効率的である.基本的には,小児から高齢者に至る個々の病態に対する理解と,在宅医療を推進するために必要な病院と診療所の連携の成果を診療報酬に反映にすることにある.
座談会
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 川越 正平
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3106-3117
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    在宅医療とは,end of lifeにある患者の尊厳や生活の質を重視するための一医療形態である.地域を病棟と捉え,24時間365日の安心を提供する.疾病を国際生活機能分類ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)の観点から生活機能障害と捉え,集学的ケアや介護と連動する形で医療を提供する.患者が有する病態や背景を包括的に把握することにより,その臨床経過や改善可能性,予後などを予測して,“軌道”に基づく意思決定支援を患者に継続して提供する.迫りくる高齢多死社会に対応するためには,在宅医療の普及発展が必要不可欠であることから,複数医師の共同による体制づくりや,医師と訪問看護師がチームとして機能するなど,在宅医療チームが地域の中で構築されていく必要がある.病院医療と在宅医療,そして介護が地域の中で連動して提供されるために,垂直的統合や水平的統合が図られるべきである.現状では立ち後れている診療の標準化や研究,そして,在宅医養成のための教育研修が在宅医療普及発展の鍵といえる.我が国の社会保障政策の根幹に位置づけられる「地域包括ケア」において,在宅医療は最も重要な構成要素の1つである.加えて,病院の医療従事者が在宅医療のエッセンスを知ることによって,病院医療の質向上や退院支援に役立てることも期待される.
  • 今 一義, 渡辺 純夫
    2014 年 103 巻 12 号 p. 3118-3125
    発行日: 2014/12/10
    公開日: 2015/12/10
    ジャーナル フリー
    脂肪肝はかつて良性の疾患であると考えられてきたが,肝硬変・肝癌にも進行し得る非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)が知られるようになり,状況は大きく変化した.NASHに対する薬物療法はいまだに確立されていないため,基礎・臨床の両面で治療法が検討されている.インスリン抵抗性および2型糖尿病はNASHの最も重要なリスク因子であり,糖脂質代謝の変化が病態に深く関与していることが明らかにされている.糖尿病治療薬を用いたNASHの治療に関しては,現時点ではインスリン抵抗性改善薬であるピオグリタゾンの効果が最も多いエビデンスが得られており,「NAFLD/NASH診療ガイドライン2014」でも糖尿病を合併したNASH治療にピオグリタゾンの投与が提案されている.しかし,ピオグリタゾンは長期投与による影響が大きな課題として残っており,治療法の決定打となり得ていない.現在は新規の糖尿病治療薬としてDPP-4阻害薬やGLP-1アナログ製剤などインスリン抵抗性をターゲットとした薬剤のほか,SGLT-2阻害薬など新しいタイプの糖尿病治療薬もNASHに対する有効性が期待されている.
専門医部会
シリーズ:患者の言葉・身体所見を読み解く
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