本邦の肝癌治療においては2005年に策定された「科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン」内の治療アルゴリズムが幅広く使われている.2013年に新しいエビデンスに基づいて改定が行われた.主な変更点は1)肝機能評価としてChild-Pugh分類の限定的使用可, 2)肝切除術とラジオ波焼灼療法の選択順位付け,3)全身化学療法の採用である.いずれも患者予後に基づくエビデンスを根拠とし実臨床に対応している.また,欧米の肝癌治療ガイドライン(BCLCシステム)と比較して,患者因子,治療環境,保険診療制度などを背景に推奨される治療指針が大きく異なっている.
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