日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
103 巻 , 10 号
選択された号の論文の34件中1~34を表示しています
内科学会NEWS
目次
特集 リウマチ学:診断と治療の進歩
Editorial
トピックス
I.診断法の進歩
  • 藤井 隆夫
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2395-2400
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    膠原病において臨床的意義を有する自己抗体は多く報告されてきた.多発性筋炎/皮膚筋炎では自己抗体により予後推定が可能で,しばしば致命的となる急性~亜急性間質性肺炎と抗MDA5抗体,癌合併皮膚筋炎と抗TIF1-γ抗体との関連が明確に示され,治療方針に強く影響を与えるマーカーとなっている.また,中枢神経ループスでは脳脊髄液中の自己抗体(抗NR2抗体,抗U1RNP抗体)が重要であり,病因的意義が示唆されている.
  • 大野 滋
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2401-2406
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の管理においてMRIや関節超音波検査などの新しい画像検査が臨床応用されている.これらの検査はX線検査に比し,骨びらんの検出感度に優れ,またX線検査と異なり滑膜炎などの炎症性病変の評価も可能である.RAの早期診断・寛解判定に極めて有用である.全ての検査には感度と特異度のトレードオフ,偽陽性・偽陰性の問題がある.画像検査に加え,様々な臨床情報から総合的な評価をすることが重要である.
II.鑑別診断
  • 池田 啓
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2407-2412
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の診断では多彩な疾患が鑑別診断として挙げられる.関節症状は,炎症関与の有無,発症様式,性状,部位および分布により,鑑別すべき診断を絞り込むことができる.また,疾患に特徴的な関節外症状を捉えることにより,診断精度と効率を上げることができる.詳細な問診や診察でこれらの臨床情報を収集し,検体あるいは画像検査結果と有機的に結び付けることにより,効率のよいRAの鑑別診断を目指したい.
  • 齋藤 和義
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2413-2422
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    膠原病リウマチ性疾患の鑑別診断において最も重要なのは,問診・理学的所見であるが,自己抗体を含む免疫学的検査や超音波やMRIを含む画像診断も非常に有益である.診断分類の中に検査所見の項目が挙げられていることからも分類における重要性がうかがえる.各々の検査の特異度,感度やもたらす情報の意味を理解して検査計画を立てることが必要である.また,分類に有用な検査,疾患活動性や治療の有効性を評価する検査などを念頭に無意味な測定をしないことも必要である.
III.関節リウマチとその類縁疾患
  • 金子 祐子
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2423-2430
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の領域では,病態解明と治療薬の進歩に伴って,パラダイムシフトが起きた.かつて治らない難病と考えられ,除痛が治療目標とされていた時代は終わり,患者が通常の社会生活を送り,将来的な関節変形を阻止することが可能となった.また並行して,エビデンスレベルの高い手法によって,新しい分類基準,寛解基準と治療戦略が提唱され,より高い目標を掲げた治療が実践されている.
  • 岸本 暢将, 岡田 正人
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2431-2439
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    脊椎関節炎(spondyloarthritis:SpA)は,強直性脊椎炎,乾癬性関節炎,反応性関節炎,炎症性腸炎関連関節炎,分類不能脊椎関節炎および小児の脊椎関節炎を含めた体軸関節と末梢関節に病変が起こる炎症性関節炎の総称である.以前の報告では,日本での有病率は欧米と比較すると非常に稀な疾患と考えられてきたが,昨今,生物学的製剤を含めた治療進歩に伴い,その疾患概念や特徴が認知され,日常診療では関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の鑑別疾患として重要な疾患群と考えられている.他科との連携も非常に重要な疾患として臨床的特徴と診断治療について解説する.
  • 西岡 紘治, 田中 敏郎
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2440-2448
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)は原因不明の慢性炎症性疾患であり,50歳以上の中高年に発症する.肩や殿部に両側性の疼痛,朝のこわばりが出現し,赤沈,CRPなどの炎症マーカーが上昇するが,リウマトイド因子(rheumatoid factor:RF),抗核抗体などは上昇しない.多くの場合,PMRは少量ステロイド薬で劇的に改善するが,約20%で巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis:GCA)を合併する.また関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA),脊椎関節炎(spondyloarthritis:SpA),感染症,悪性腫瘍などの鑑別を要する.PMRは「疑わなければ診断できない」疾患であり,高齢社会において一般臨床医が知っておかなければならない疾患でもある.本項では,2012年に改定されたPMRの分類基準,鑑別疾患,合併症,治療法について概説する.
  • 針谷 正祥
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2449-2456
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    成人Still病(adult Still's disease:ASD)は弛張熱,関節痛・炎,リウマトイド疹,リンパ節腫脹などを特徴とする関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の類縁疾患である.その病態形成には遺伝的素因,自然免疫系,獲得免疫系が関与する.治療の基本薬は副腎皮質ステロイドであり,抵抗例では免疫抑制薬を併用する.近年,IL-1β, IL-6, TNFなどの炎症性サイトカインの異常が明らかとなり,それらを標的とする生物学的製剤が難治例の治療に導入され,高い有効性が報告されている.
  • 神田 浩子
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2457-2464
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    RS3PE症候群(remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema)は,高齢発症のリウマトイド因子(rheumatoid factor:RF)陰性の関節炎を呈する患者の鑑別疾患の1つとして常に挙げられる疾患である.両手足の対称性圧痕浮腫をはじめとしていくつかの特徴はあるものの,明確な分類基準が存在しないために除外診断が中心となる.近年,関節炎に対しMRIやエコーを積極的に用いることにより,炎症の首座がどこにあるのかを明確にすることができるようになってきた.本稿では,RS3PE症候群について現況での知見を紹介する.
IV.関節リウマチ以外の膠原病,話題の疾患
  • 田村 直人
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2465-2472
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)は多様な病態を示し,高頻度に再燃や持続性の活動性病変を呈する難治性の自己免疫性疾患である.最近,新たなSLE分類基準,ループス腎炎の治療やTreat to Targetのための診療のリコメンデーションなどが相次いで提唱されている.また,抗マラリア薬やミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil:MMF)は国際的にSLEの主要な治療薬となっており,国内でも早期の適応承認が期待されているほか,新たな分子標的治療薬も開発されている.
  • 嶋村 抄苗, 堀田 哲也
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2473-2480
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome:APS)は,血中に抗リン脂質抗体(antiphospholipid antibodies:aPL)が産生され,血栓症や習慣流産などを来たす自己免疫疾患である.aPLは「病原性自己抗体」と考えられ,病態の解明が特異的治療法に直結する可能性のある全身性自己免疫疾患としても注目されている.一方で,APSの病態は依然として明らかになっていないことも多く,臨床的に一次予防,二次予防に関する明確なエビデンスも乏しい.本稿では,近年のAPSの診断と治療の進歩について概説する.
  • 安岡 秀剛
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2481-2486
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    強皮症(scleroderma)は皮膚および内臓諸臓器の線維化,微小血管障害,自己抗体産生の3つを特徴とする結合組織疾患である.膠原病では診断基準や分類基準が診断の際の重要なツールとなる.強皮症では,1980年に提唱された米国リウマチ学会(American College of Rheumatology:ACR)の分類予備基準が最近まで汎用されてきたが,最近ACRおよび欧州リウマチ学会(European League Against Rheumatism:EULAR)から新分類基準が提唱された.今後検証がなされ,日本の診断基準に反映されていくものと考えられる.
  • 中嶋 蘭
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2487-2491
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    多発性筋炎(polymyositis:PM)/皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)の診断基準は古く,新たな国際基準が求められている.PM/DMでは多くの筋炎特異的抗体が見出され,病型分類・予後予測・治療方針決定に役立つ.治療はそうした病型に応じて行うべきである.大量ガンマグロブリン療法が保険適応となり,生物学的製剤の有効性も報告されるなど選択肢が広がっている.また,間質性肺疾患合併例では早期から免疫抑制薬の併用が望ましい.
  • 有村 義宏, 池谷 紀子
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2492-2500
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    血管炎症候群の国際分類改定(2012年)でWegener肉芽腫症は多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA)に,Churg-Strauss症候群は好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)に病名変更された.我が国ではGPAの半数はMPO-ANCA陽性であること,高安動脈炎とHLA-B67,顕微鏡的多発血管炎とHLA-DRB1*0901との強い関連性などが明らかとなった.治療に関しては2013年,ANCA関連血管炎に対するリツキシマブ治療が保険適用となりその有効性が期待されている.
  • 川口 鎮司
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2501-2506
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)は,1972年に米国のGC Sharpらが提唱した疾患である.高力価を示す抗核抗体(speckle型)および抗U1-RNP抗体陽性で,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE),全身性強皮症(systemic sclerosis, scleroderma:SSc),多発性筋炎(polymyositis:PM)の3疾患のうち,少なくとも2疾患の臨床症状を呈する疾患をMCTDと定義した.一方,2つ以上の膠原病を合併する重複症候群という概念があり,MCTDは抗U1-RNP抗体陽性の重複症候群と考えることもできる.
  • 坪井 洋人, 浅島 弘充, 高橋 広行, 廣田 智哉, 住田 孝之
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2507-2519
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    Sjögren症候群(Sjögren's syndrome:SS)は唾液腺炎・涙腺炎を主体とし,様々な自己抗体の出現がみられる自己免疫疾患である.厚労省研究班で行われた全国疫学調査では,2010年1年間に全国の医療機関を受診したSS患者数は68,483人と算出された.さらに2,195例のSS患者の詳細調査では,平均年齢は60.8歳,男性と女性の比率は1:17.4,病型は一次性/二次性SSが58.5%/39.2%,一次性SSのうち腺型/腺外型は69.1%/24.7%(不明6.2%)であった.SSの診断基準として,国内で汎用されている厚生省改訂診断基準(JPN)(1999年),アメリカ・ヨーロッパ改訂分類基準(American-European Consensus Group:AECG)(2002年)と,最近提唱された米国リウマチ学会分類基準(American College of Rheumatology:ACR)(2012年)を,日本人SS患者の診断に関して,厚労省研究班で検証した結果,JPN基準はAECG基準,ACR基準よりも優れている可能性が示された.SSの治療に関しては,前述の全国疫学調査では,ステロイドは34.3%,免疫抑制薬は16.3%,生物学的製剤は3.1%,唾液分泌刺激薬は31.7%で投与されていた.近年,SSの新規治療戦略として,リツキシマブ(rituximab),アバタセプト(abatacept)といった生物学的製剤の使用が試みられている.産業医科大学,長崎大学,筑波大学で施行中の関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)合併二次性SSに対するアバタセプトのパイロット研究では,中間解析において,RAに加えてSS所見に対する有効性も示唆されており,今後の発展が期待される.
  • 高橋 裕樹, 山本 元久, 篠村 恭久
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2520-2526
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    IgG4関連疾患(IgG4-related disease:IgG4-RD)とは血清IgG4高値とIgG4陽性形質細胞の浸潤,線維化による臓器の腫瘤性,肥厚性病変を呈する全身性慢性疾患である.涙腺・唾液腺や膵臓を好発部位とするが,原因不明の腫瘤性病変をみた場合には常に鑑別に含める必要がある.確定診断には悪性腫瘍との鑑別のうえ,高IgG4血症と花むしろ様線維化を含む病理組織学的特徴の確認が必要である.グルココルチコイドが奏効するが,長期投与に伴う副作用に注意する.
座談会
MCQ
日本内科学会雑誌リニューアル 特別企画
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 西條 政幸
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2581-2586
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    2011年に中国の研究者らにより初めて報告された致死率の高いブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルスによる感染症,重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)が日本でも流行していることが2013年1月に明らかにされた.2013年3月から12月までに西日本において40名の患者が報告され,そのうち13名は死亡した(致死率:約30%).SFTSの原因ウイルスであるSFTSVは,自然界においてマダニおよび哺乳動物の間で維持され,ヒトはSFTSVを有するマダニに咬まれて感染し発症する.つまり,私たちはSFTSに罹患するリスクから逃れることはできない.今後,SFTSVに感染するリスクを明らかにし,対策を立てることが求められる.また,SFTSの高い致死率を説明するための病態生理・病理を明らかにするとともに,治療および予防法の開発が望まれる.
  • 臼井 丈一, 山縣 邦弘
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2587-2593
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    急速進行性糸球体腎炎(rapidly progressive glomerulonephritis:RPGN)は予後不良な腎不全症候群であり,本来数多くの原因疾患が含まれる.典型的なRPGNの病態は腎血管炎であり,原因疾患として抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎と抗糸球体基底膜(glomerular basement membrane:GBM)病が中心となる.本稿では最近のトピックとして,1.血管炎分類であるChapel Hill分類の改訂,2.ANCA関連血管炎の腎病理組織分類,3.治療指針・ガイドラインに関して解説する.
  • 右田 清志, 川上 純, 江口 勝美
    2014 年 103 巻 10 号 p. 2594-2602
    発行日: 2014/10/10
    公開日: 2015/10/10
    ジャーナル フリー
    自己炎症疾患(autoinflammatory disease)は自然免疫系の異常を伴う疾患群として提唱された新たな疾患である.この疾患概念の確立には,遺伝性周期性発熱症候群の責任遺伝子の同定と,これら遺伝子にコードされる分子の異常に伴う自然免疫系の活性化メカニズムの解明が大きく影響している.自己炎症疾患はまだ十分認知されているとはいえず,不明熱,原因不明の関節炎として見逃されているケースも少なくないと思われる.また,無治療で経過すると持続する炎症でAAアミロイドーシスなど不可逆性の臓器合併症を併発するリスクもある.遺伝性自己炎症疾患には,有効な治療法も存在することを念頭に置き,多彩な症状から場合によっては遺伝子診断を組み合わせることで確定診断を行い,早期発見,早期治療介入に努めることが肝要である.
専門医部会
シリーズ:指導医のために:医学・医療の多様性を追求する
シリーズ:患者の言葉・身体所見を読み解く
内科学会からのお知らせ
feedback
Top