日本内科学会雑誌
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103 巻 , 11 号
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内科学会NEWS
目次
特集 感染症:診断と治療の進歩
Editorial
特別掲載
  • 加藤 康幸, 古宮 伸洋, 足立 拓也
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2650-2652
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    2014年,西アフリカにおいて,エボラ出血熱(Ebola virus disease:EVD)の過去最大の流行が発生した.これまでの報告と同様に,患者に出血症状は少なく,消化器症状が目立つ.流行地では,限られた医療資源の中,支持療法の最適化が試みられている.医療従事者への感染リスク評価は一定せず,適切な個人防護具や先進国における医療体制について様々な考え方がある.我が国においても,未承認薬の使用などの課題を投げかけている.
  • 阪本 直也
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2653-2656
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    2014年8月27日に,都内で感染したと考えられるデング熱患者が確認された.この症例を契機に,海外渡航歴のないデング熱患者の報告が続き,10月8日現在,国内で感染したと考えられる患者は157名に達している.デング熱は蚊によって媒介されるウイルス感染症であり,媒介蚊であるヒトスジシマカが生息する青森県以南の日本国内で流行する可能性がある.臨床医はデング熱患者を診療する際の臨床知識を身につけておく必要がある.
トピックス
I.注目される感染症
  • 平井 潤, 山岸 由佳, 三鴨 廣繁
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2657-2665
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae:CRE)はカルバペネム系抗菌薬に耐性を獲得した腸内細菌科細菌の総称で,ヒトの腸管に生息する腸内細菌が耐性を持つという点が重要である.ほとんどの耐性遺伝子がプラスミド伝播性であるため,他の細菌や種を超えて薬剤耐性が伝播する可能性があり,治療には多剤耐性菌用の薬剤であるチゲサイクリンやコリスチンの使用が必要な症例もある.現時点では本邦での検出頻度は低いが,アウトブレイク事例も認めるため,今後の動向には注意する.
  • 立川 夏夫
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2666-2673
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    世界はHIV(human immunodeficiency virus)感染症伝播に関してはまだ敗北している状態であり,青年・成人の約0.8%がHIV罹患しており,米国では毎年5万人の新規HIV感染者が認められている.抗HIV療法は感染伝播予防に最も強いインパクトを与えるものであることを示した研究がHPTN052試験であり,抗HIV薬によりHIV伝播が96%低下することが示された.現在の抗HIV療法の治療ガイドラインは抗HIV療法によるHIV伝播抑制を強く勘案して,CD4数とは無関係に早期の抗HIV療法開始を推奨している.この数年はHIV療法のkey drugとしてインテグラーゼ阻害剤の位置付けが増えており,最新のdolutegravirは今までの抗HIV薬でも最も優れた薬剤の1つである可能性がある.
  • 渡辺 哲, 亀井 克彦
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2674-2679
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    輸入真菌症の症例数は増加している.特にヒストプラズマ症,コクシジオイデス症の増加が顕著であるが,マルネッフェイ型ペニシリウム症の漸増にも留意すべきである.一般的な深在性真菌症とは異なり,輸入真菌症の原因菌には感染力の極めて強いものが多く,健常な旅行者でも感染し得る.同じ理由から一般医療機関での培養検査は行うべきではない.流行地域からの帰国者,入国者の診察の際には本症を鑑別疾患に挙げる必要がある.
  • 照屋 勝治
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2680-2687
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    トリインフルエンザH7N9およびMERSコロナウイルス感染症は,いまだ局地的な流行にとどまっているものの,現時点で収束の気配はないまま感染例が持続しており,今後,変異による感染力増強,世界大規模拡散のリスクを有している.全ての医療従事者は,自らが感染症制圧の最前線に立つという重大な責務を負っていることを自覚し,必要時に迅速かつ適切な対応が取れるよう,一般的感染対策スキルの底上げを図りながら,これら新興感染症の動向に留意する必要がある.
II.診断法の進歩
  • 氏田 万寿夫, 佐藤 英夫, 山口 美沙子
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2688-2700
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    市中肺炎でみられる画像パターンは気腔性肺炎と気管支肺炎パターンに大別され,肺野末梢の非区域性の均等陰影を主所見とする気腔性肺炎パターンは,肺炎球菌,肺炎桿菌,レジオネラと肺炎クラミドフィラにほぼ限定される.特徴的な所見を確認することにより,患者背景や起炎菌の頻度を参考に,画像から原因微生物を推定することが可能である.また,CTによる画像診断は,臨床上肺炎と紛らわしい患者の診断に有用性が高い.
  • 徳江 豊
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2701-2707
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    感染症検査は,原因微生物により検査法が大きく異なるうえ,原因微生物特異的な検査も少なくない.したがって,問診や身体診察,画像診断などから,感染部位や患者背景を把握し,原因微生物を推定したうえで実施する.感染症検査では抗原検査が簡便性,迅速性に優れているが,近年,遺伝子検査や質量分析計検査の臨床応用が始まっている.しかし,いかなる検査法もその感度,特異度に留意する必要があり,他の臨床所見と総合して結果を解釈することが肝要である.
  • 猪狩 英俊
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2708-2713
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    結核感染症診断の進歩の代表はインターフェロンγ遊離試験である.BCG(Bacille Calmette-Guerin)既接種者でも診断でき,また,潜在性結核感染症という疾患概念と結び付き,利用される場面は増えている.結核菌薬剤耐性の遺伝子診断では,ラインプローブアッセイ(line probe assay:LiPA)が実用化し,リファンピシン(RFP)・イソニアジド(INH)・ピラジナミド(PZA)の薬剤耐性の早期診断が可能になった.LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法は簡便な核酸増幅法として注目されている.非結核性抗酸菌領域では血清診断法が開発された.
III.治療法の進歩
IV.感染症制御にむけて
座談会
MCQ
日本内科学会雑誌リニューアル 特別企画
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 入江 潤一郎, 伊藤 裕
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2813-2819
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    ヒトは一人あたり100兆個にも上る腸内細菌と共存しており,その腸内細菌の機能を個体の維持に効率的に利用している.腸内細菌と宿主の関係はこれまで感染症において主に検討がなされてきたが,感染症とはみなされない肥満や糖尿病に対しても腸内細菌が能動的に病態の形成に寄与していることが遺伝学的網羅的検討から近年明らかとなってきた.腸内細菌は腸管内容物の代謝を通じてエネルギー獲得を促進し,また短鎖脂肪酸や胆汁酸などを代謝し,シグナルとして腸管ホルモンや代謝臓器に影響を与えている.腸内細菌は宿主の生存に有利な腸内環境を構築しているが,過剰な栄養下では肥満を助長する.一方,腸内細菌は宿主に慢性炎症を引き起こし,宿主に不利なエネルギー代謝を誘導する.腸内細菌叢を含めた腸内環境の包括的評価,およびその整備が生活習慣病の新たな臨床指標・治療標的となるであろう.
  • 戸田 達史
    2014 年 103 巻 11 号 p. 2820-2828
    発行日: 2014/11/10
    公開日: 2015/11/10
    ジャーナル フリー
    最も多いDuchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)原因遺伝子ジストロフィンのクローニングを契機として,これまでに様々な筋ジストロフィーの原因遺伝子が同定されている.Disease-modifying therapyの開発が期待されており,現在臨床治験段階にあるエクソン・スキップ治療とリードスルー治療を中心に,将来臨床応用が期待されている分子標的治療の開発の現状について紹介する.福山型筋ジストロフィーは筋と脳を侵す日本に多い常染色体性劣性遺伝性疾患である.我々は原因遺伝子を同定,原因蛋白質をフクチンと命名した.患者ではフクチン遺伝子の3’非翻訳領域にSVA型レトロトランスポゾンの挿入を認めるが,本症がスプライシング異常症であることを見出し,これを制御するアンチセンス核酸を用い,患者細胞およびモデルマウスでの治療に成功した.この治療法は全ての患者に適応となる初の根治療法となる可能性があり,臨床応用を目指す.
専門医部会
シリーズ:指導医のために:医学・医療の多様性を追求する
シリーズ:患者の言葉・身体所見を読み解く
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