日本内科学会雑誌
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103 巻 , 5 号
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内科学会NEWS
目次
特集 急性腎障害:診断と治療の進歩
Editorial
トピックス
I.疾患概念の変化
  • 和田 隆志
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1049-1054
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    急性腎不全は,定義や分類,診断基準が統一されていなかった.さらに医療の進歩に関わらず腎ならびに生命予後が不良であった.そのため,早期に診断し,予後改善を目指した適切な治療を行うためにも統一した診断基準が求められた.これらの背景から,血清クレアチニン値と尿量により診断する急性腎障害のRIFLE分類とAKIN分類が示され,2012年にこれらを統合したKDIGO分類が提唱された.今後,これらを通じて急性腎障害の病態解明,治療法,予後改善などが一層進歩することが期待される.
II.疫学と病態
  • 堀野 太郎, 寺田 典生
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1055-1060
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は,急性腎不全(acute renal failure:ARF)の疫学的検討を目的に2004年以降に提唱された新しい概念である.高度先進医療や血液浄化療法の発達・普及,高齢者人口増加などの社会情勢の変化,医療経済に対する負担などを考慮すると,AKIのより早期の診断・治療のために疫学と病態に関する知見と理解がますます重要となってきている.
III.診断へのアプローチ
IV.特殊な病態と治療法
  • 猪阪 善隆, 楽木 宏実
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1074-1080
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    ヨード造影剤は時に急性腎障害をきたすが,慢性腎臓病患者ではそのリスクが高い.造影剤投与直後に起こる血管攣縮に伴う腎虚血と造影剤による尿細管の障害が造影剤腎症のメカニズムと考えられているが,造影剤投与後短時間で発症するため,予防が重要である.さまざまな臨床研究が行われているが,現時点で有効な予防法は,造影剤使用量を最小限にすることと,適切な輸液のみであり,患者のリスクと病態の把握が肝要である.
  • 土井 研人, 矢作 直樹, 南学 正臣, 野入 英世
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1081-1087
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    ICU症例の30~40%はAKIを呈し,AKIの合併は死亡率やICU滞在期間といったhard outcomeを有意に悪化させる.循環器疾患あるいは敗血症がAKIの原因あるいは増悪因子であることが多く,CKDはAKI発症の強いリスク因子である.急性心筋梗塞や脳卒中と比較してICUにおけるAKIの予後は極めて悪く,腎臓内科医と集中治療医が連携してAKI新規治療の研究開発に従事する必要がある.
  • 古市 賢吾, 和田 隆志
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1088-1093
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    薬剤性急性腎障害は日常臨床のなかで常に発症する可能性のある病態である.軽微な急性腎障害であっても長期腎予後に影響がある事が明らかになり,急性腎障害を起こし得る薬剤の使用には十分な注意が必要である.また,それら薬剤の使用の際には,急性腎障害発症の有無に注意して経過を確認する必要がある.さらに,主要な薬剤の障害機序や急性腎障害が発症しやすい状況を理解し,発症を未然に防ぐことが重要である.
  • 柏原 直樹, 佐々木 環
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1094-1100
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    敗血症や出術後患者等のcritical careの現場において,軽微な腎機能の異常が生命予後不良と関連することが判明し,急性腎障害(Acute kidney injury:AKI)の概念が生まれた.AKIにおける腎機能障害は一過性であり,完全に正常値に復するものと考えられてきた.しかしながら,AKIの腎機能予後は必ずしも良好ではなく,20%以上が慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)へ移行することが判明した.AKI発症後には,長期的に腎機能予後を注意深く観察する必要がある.
  • 石川 勲
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1101-1107
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    運動後にみられる急性腎障害には,ミオグロビン尿性と非ミオグロビン尿性の2種類がある.ミオグロビン尿性はマラソンなど過度の運動により横紋筋が融解されて起こる急性腎障害で赤褐色尿(コーク色の尿)で発見される.血清CK値は基準値上限の20倍以上と著しく高い.一方,非ミオグロビン尿性は運動後急性腎障害(ALPE)で,典型例は運動会で200 mを全力疾走した後に,背腰痛で発見される.血清CK値は基準値内か軽度上昇で,腎性低尿酸血症患者に起こりやすい.
  • 今井 裕一, 三浦 直人
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1108-1115
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    AKIを起こす血液疾患として,白血球系では,1)腫瘍崩壊症候群(tumorlysis syndrome),2)多発性骨髄腫(myeloma kidney)がある.また,赤血球系と血小板系では,溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome:HUS)・血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)が臨床的に重要である.それ以外に,治療として使用した薬剤あるいは放射線によって障害が起こることもある.原疾患の治療を行いながら,AKIの治療も同時に施行する必要がある.状況を判断し,血液浄化療法を開始することもある.
  • 湯澤 由紀夫, 林 宏樹, 新城 響
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1116-1122
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    急性腎障害(AKI)は,生命予後に直接関与する重大な疾患である.AKI発症後,心臓・脳・肺といった様々な遠隔主要臓器の多臓器障害が発生する.中でも肺は最も障害を受けやすい臓器の一つである.AKIにより誘導されるケモカイン・尿毒素・酸化ストレスは,肺局所での新たなケモカイン発現,ナトリウム・水チャネルの発現低下によりALI/ARDSが発症する.一方,ALI/ARDSによる低酸素血症・高二酸化炭素血症及び陽圧式呼吸管理は,腎血流低下・GFR低下をきたし,AKI-ALI/ARDSの悪循環が形成される.
  • 實吉 拓, 北村 健一郎
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1123-1129
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    AKI(acute kidney injury)は多くの場合多臓器不全の一部として発症し,その予後は不良である.AKIはサイトカイン/ケモカインの産生や白血球の遊走,酸化ストレス,Na,水代謝調節障害などを介して肺,心,中枢神経,肝,消化管などの遠隔臓器に障害を生じる.また,逆に各臓器障害がAKIの発症に関連していることも指摘されている.このようなAKIと臓器関連についての多くの研究から,その病態を理解することは重要である.
V.予防と治療法
  • 丸山 彰一, 坪井 直毅, 勝野 敬之, 松尾 清一
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1130-1137
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    AKIは一旦発症してしまうと治療が困難である.よって,最善の対策はその予防にあると言える.しかし,現時点ではAKIを予防するのに有効性が証明された特別な薬剤は存在しない.2012年,KDIGOからAKIに関するガイドラインが公表された1).また,2013年には日本版敗血症診療ガイドライン敗血症に関するガイドラインも公表されている2).本稿では,こうしたガイドラインの記載を紹介しながら,AKIの予防法につき概説する.
  • 西 慎一
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1138-1144
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    腎前性急性腎障害(acute kidney injury:AKI),特に敗血症性AKIではエピネフリンとバゾプレッシンが腎機能保護に有用であることが指摘されている.心腎連関に伴うAKI,急性心不全に伴うAKIでは,トルバブタン,hANPが腎機能保護に有効であることが報告されている.しかし,そのエビデンスは少なく,現在トルバブタンでは大規模介入試験が進行中である.造影剤誘発性AKIも含む腎性AKIにおいては,残念ながらAKI発症後の治療薬として有効なものはない.AKIの治療薬として,抗酸化薬などを中心に新たな治療薬の可能性が研究されつつある.
  • 根木 茂雄, 是枝 大輔, 重松 隆
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1145-1152
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は人口の高齢化に伴い年々増加しており,予後も種々の努力にもかかわらず最近十数年でほとんど改善されていない.また,AKIに対する腎代替療法(renal replacement therapy:RRT)に関しても未だ開始基準,中止基準,方法についてコンセンサスは得られていないのが現状である.本稿ではAKIに対するRRT(特に持続的(continuous)なRRT(CRRT))を中心について最近の知見を含め概説する.
座談会
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 林 量司, 國分 茂博, 浅野 朗, 山科 俊平, 川邉 正人, 宮崎 招久, 渡辺 純夫, 松川 正明
    2014 年 103 巻 5 号 p. 1187-1194
    発行日: 2014/05/10
    公開日: 2015/05/10
    ジャーナル フリー
    肝硬変に伴う上部消化管出血には,Mallory-Weiss症候群,AGML, Dieulafoy潰瘍など多々あるが,その背景にある門脈圧亢進症を強く反映するのは門脈圧亢進症性胃症(PHG)と食道胃静脈瘤である.特に後者は,肝硬変に伴う腹水,脳症,黄疸などの合併症のなかで最も臨床的な緊急性が高い.その際にはまずVital Signを安定させ,緊急内視鏡による食道・胃静脈瘤破裂部位の同定が必要である.本邦では食道静脈瘤に緊急治療としては内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL),待機/予防的には内視鏡的硬化療法(EIS)が確立されており,今後両者の利点を生かせるEISLが増えるであろう.一方胃静脈瘤破裂に対しては,今回薬事承認となったヒストアクリルによるEIS,孤立性胃静脈瘤の待機・予防に対しては2014夏より,厚労科研推進事業により医師主導治験が開始されるバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)が,本邦から海外へ発信されつつある.
専門医部会
第18回専門医部会東海支部教育セミナー
シリーズ:指導医のために:医学・医療の多様性を追求する
シリーズ:内科医と災害医療
シリーズ:患者の言葉・身体所見を読み解く
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