症例は23歳の男性.前医での腸チフス治療後,当院の便培養で“保菌者でない”と診断された.数日後,発熱と下痢が出現し,近医より当院紹介.血液培養でLevofloxacin(LVFX)耐性
Salmonella typhiが検出され,腸チフスの再燃と診断した.近医で処方されたAzithromycinで症状は改善せず,Ceftriaxone(CTRX)に変更し軽快した.腸チフスは第一選択薬のQuinolone系薬剤に耐性が進んでいること,また“保菌者でないこと”を確認した後にも再発する可能性があることを念頭に置き,診療にあたる必要がある.
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