日本内科学会雑誌
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104 巻 , 4 号
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内科学会NEWS
目次
特集 肥満症の改善はなぜ,難しいのか?~ここまで明らかになった!病態解明と治療の最前線~
Editorial
トピックス
I.診断・病態解明における最近のトピックス
  • 柳瀬 敏彦, 野見山 崇, 田邉 真紀人
    2015 年 104 巻 4 号 p. 690-696
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    内分泌性肥満症は,Cushing症候群のようにコルチゾールの過剰分泌に起因するものや甲状腺ホルモン,成長ホルモン,性ホルモンの分泌不全症のようにホルモン欠落によって生じるものまで様々である.その多くはインスリン抵抗性を基盤とするメタボリックシンドローム(MetS)様病態を呈し,動脈硬化症の発症リスクとなる.可逆性の二次性肥満症であることから早期発見・早期加療が重要である
  • 橋本 貢士, 小川 佳宏
    2015 年 104 巻 4 号 p. 697-702
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    肥満症の発症と進行には,遺伝因子である肥満関連遺伝子と,栄養や運動などの環境因子が密接に関与している.近年,次世代シークエンサーの登場により全身の遺伝子多型が網羅的かつ迅速に解析することが可能になり,新たな肥満関連遺伝子であるfat mass and obesity associated(FTO)遺伝子が同定された.また,環境因子による遺伝子発現制御機構であるエピジェネティクスの肥満症における新たな知見,特に,DNAメチル化による遺伝子発現制御機構の知見が急速に蓄積している.
  • 入江 潤一郎, 伊藤 裕
    2015 年 104 巻 4 号 p. 703-709
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    腸内細菌は食事からのエネルギー回収の促進,体脂肪蓄積を助長する腸管ホルモン産生,エンドトキシンによるインスリン抵抗性の惹起などを介して肥満症の病態形成に寄与する.肥満患者では腸内細菌叢の偏倚が認められ,その腸内細菌が形成する腸内環境が減量に対する抵抗性の一因となっている.腸内細菌叢の偏倚の解消を目指した腸内環境の整備が,新たな肥満症の治療となることが期待される.
  • 山岡 正弥, 下村 伊一郎
    2015 年 104 巻 4 号 p. 710-716
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    ヒトを含む哺乳類では時計遺伝子により生体リズムが形成されている.それらの生体リズム障害を引き起こす代表例であるシフトワーカーでは肥満,代謝異常の発症リスクを増加させることが報告されている.またノックアウトマウスを用いた検討でも時計遺伝子異常と代謝異常の関連が報告されている.生体リズム障害とくに時計遺伝子異常がどのようなメカニズムで肥満症の病態に悪影響を及ぼしているのかは更なる調査が必要であるが,肥満,代謝異常合併者への対策には,生体リズムの改善といった観点からもアプローチが行われるべきである.
  • 上野 浩晶, 中里 雅光
    2015 年 104 巻 4 号 p. 717-722
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    ヒトの食欲は極めて複雑に調節されている.その中心は視床下部であるが,中枢からは大脳辺縁系や大脳新皮質からの情報が入力され,末梢からは食べた栄養素,胃の伸展刺激,消化器からの食欲制御物質,脂肪の蓄積状態などの情報が入力されて統合処理される.ヒトでは,発達した大脳新皮質からの欲求が大脳辺縁系以下のシグナルを凌駕して過食となり,肥満を呈することがあるが,食欲制御物質をターゲットにした抗肥満症薬の開発も進んでいる.
II. 治療における最近のトピックス
  • 松浦 文三
    2015 年 104 巻 4 号 p. 723-729
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    肥満の治療は,食事療法や運動療法といったライフスタイルの改善が基本になり,これらの治療を継続し減量を維持するための行動療法が必要である.食事療法では,適切なエネルギーをバランスよく摂取し続けることが重要である.さらに食習慣はおおむね7歳までに形成されるため,家庭・学校での食育の取り組みが必要である.
  • 加隈 哲也
    2015 年 104 巻 4 号 p. 730-734
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    一般的に,肥満者には運動習慣がないといわれている.それ以前に,肥満者は2時間長く座っているという.肥満症治療として運動療法が重要であることは間違いないが,その継続的な遂行は必ずしも容易ではない.健康増進を目的とした身体活動量の増加には,朝日を浴びながらのゆったりとした散歩を心がけてみたい.運動療法という言葉にとらわれずに,明日からでも可能なことから始めることが重要である.
  • 羽田 裕亮, 山内 敏正, 門脇 孝
    2015 年 104 巻 4 号 p. 735-741
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    肥満症の治療薬はこれまでにも多く開発されてきたが,副作用や効果の面で十分なものがなく,シブトラミンやリモナバンのように副作用で発売中止になった薬剤も多くある.現在,日本で使用され得るものはマジンドールとセチリスタットだけであり,また,セチリスタットは保険未収載である.現在もセロトニン受容体アゴニストのロルセカリンや合剤のトピラマートやContrave®といった新しい薬剤の開発が進んでおり,その動向が注目される.
  • 徳山 宏丈, 北原 綾, 服部 暁子, 横手 幸太郎
    2015 年 104 巻 4 号 p. 742-747
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    高度肥満における外科治療は減量手術(bariatric surgery)としてだけではなく,糖尿病も含めた代謝改善手術(metabolic surgery)として注目され我が国でも増加してきている.高度肥満患者の長期的なbenefitのために,肥満外科治療は有効な選択肢である.より安全で有効な肥満外科治療のためには,多職種チームでの治療・バックアップ体制を確立していくことが重要である.
座談会
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 奥野 英雄, 多屋 馨子
    2015 年 104 巻 4 号 p. 782-787
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    麻疹ウイルスは感染力が強く,わずかな感受性者を見つけて感染伝播する.我が国では国をあげた麻疹排除への取り組みが奏功し,患者報告数も減少傾向であり,日本国内の土着株である遺伝子型D5は2010年5月を最後に検出されなくなった.しかし,海外で感染した輸入例を発端とした小規模のアウトブレイクの報告はいまだにあり,医療機関を受診した麻疹患者から,医療関係者や周りの患者へ感染が伝播した報告も見られる.麻疹には有効なワクチンが存在するが,特異的な治療法はなく,感染が拡大してしまってから対処できることは限定的である.麻疹の感染対策には,感染が発覚してから対処するよりも,麻疹の特徴を知ったうえで,平時から備えておくことが重要である.
  • 川上 純, 川尻 真也, 玉井 慎美, 上谷 雅孝
    2015 年 104 巻 4 号 p. 788-795
    発行日: 2015/04/10
    公開日: 2016/04/10
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の画像評価のゴールド・スタンダードはX線であるが,MRIと超音波検査の重要性は明らかとなってきた.これらはRAの関節障害を早期から正確に捉えることが可能で,RAの早期診断と治療評価に大きく貢献している.欧州リウマチ学会(European League Against Rheumatism:EULAR)のタスクフォースはRA画像における初めてのリコメンデーションを発表し,この内容はRAの実地診療に大いに参考となる.Subclinical inflammation,関節裂隙の狭小化と軟骨傷害の評価や画像を用いたトランレーショナル研究の進展が期待される.
専門医部会
シリーズ:患者の言葉・身体所見を読み解く
シリーズ:内科医と災害医療
シリーズ:患者中心のメディカルホームとは何か?~ヘルスケア供給システム再構築への示唆~
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