日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
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106 巻, 1 号
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内科学会NEWS
目次
特集 Helicobacter pylori感染陰性時代の消化管疾患
Editorial
トピックス
MCQ
シリーズ:診療ガイドライン at a glance
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 田坂 定智
    2017 年 106 巻 1 号 p. 114-119
    発行日: 2017/01/10
    公開日: 2018/01/10
    ジャーナル フリー

    急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)は,肺胞・毛細管関門に対する炎症性傷害により透過性亢進型の肺水腫像を呈し,重篤な呼吸不全に至る病態である.近年の病態研究から,ARDSの発症には自然免疫反応が重要な役割を果たしており,病原微生物由来の外因性物質や組織傷害で生じた内因性物質を認識して炎症を惹起する.副腎皮質ステロイドをはじめ,生命予後の改善効果が証明された薬物療法はないが,マクロライド系抗菌薬の炎症抑制効果が注目されている.呼吸管理では肺保護的人工換気が行われるが,軽症例では非侵襲的陽圧換気も有用であり,腹臥位換気や膜型人工肺も試みられている.新たな治療法として間葉系幹細胞を用いた治療が注目されており,ARDSの収束や損傷肺の修復促進などの効果が期待される.ARDSの死亡率は依然高い水準であり,治療法の確立が待たれる.

  • 織田 成人
    2017 年 106 巻 1 号 p. 120-126
    発行日: 2017/01/10
    公開日: 2018/01/10
    ジャーナル フリー

    1991年のACCP/SCCM(American College of Chest Physicians/Society of Critical Care Medicine)の合同カンファランスで提唱された全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)の概念に基づく敗血症(sepsis)の定義が,25年ぶりに改定された.新しい敗血症の定義(Sepsis-3)では,敗血症を「感染に対する制御不十分な生体反応に起因する生命に危機を及ぼす臓器障害」と定義しており,臓器障害の評価にはSOFA(Sequential Organ Failure Assessment)スコアを用い,2点以上の上昇がある場合を敗血症と診断する.これは従来の「重症敗血症」にあたる.そして,敗血症性ショック(septic shock)を「適切な輸液負荷にもかかわらず,平均血圧≥65 mmHgを維持するのに昇圧薬を必要とする,かつ血中乳酸値≥2 mmol/lを呈する状態」と定義した.また,ICU以外での敗血症のスクリーニングツールとしてSIRSの診断基準に代わって,①呼吸数≥ 22/分,②精神状態の変容(GCS(Glasgow Coma Scale)<15),③収縮期血圧≤100 mmHgのうち,2つ以上陽性の場合に敗血症を疑うqSOFA(quickSOFA)の利用を推奨している.

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