日本内科学会雑誌
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106 巻 , 10 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
内科学会NEWS
目次
特集 高齢者におけるリウマチ・膠原病のマネージメント
Editorial
トピックス
  • 植木 幸孝, 荒牧 俊幸, 辻 良香, 來留島 章太, 小島 加奈子, 川内 奈津美, 寺田 馨, 江口 勝美
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2118-2124
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    高齢者関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)は,若年発症RA(younger-onset rheumatoid arthritis:YORA)が高齢化したRAと,60歳以上で発症したEORA(elderly-onset rheumatoid arthritis)に分類される.EORAでは,YORA同様,T2T(treat to target)に準じた治療を行い,低疾患活動性を目標にコントロールするのが現実となっている.しかし,高齢者は多彩な合併症を有しており,高齢化RAと同様,治療にあたり合併症の増悪や薬物による有害事象を定期的にモニタリングすることが重要である.

  • 杉原 毅彦
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2125-2130
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)は平均発症年齢が70~75歳と高齢者に多いリウマチ性疾患である.20%前後の患者で巨細胞性動脈炎を合併する.肩関節の上腕二頭筋の腱鞘滑膜炎,三角筋下滑液包炎,股関節の大転子部滑液包炎,座骨結節や恥骨結合,寛骨臼の関節包外の炎症病変を特徴とする.診断には分類基準が参考となるが,PMR様の症状を呈する類似疾患の除外診断を必要とする.末梢関節病変を伴うPMRは,関節リウマチとの鑑別が困難な場合がある.ステロイド療法は有効であるが,再発率は30~50%程度と高い.

  • 藤尾 圭志
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2131-2135
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    RS3PE(remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema)症候群は,両手,両足の圧痕性浮腫を最も特徴的な症状とし,突然発症の多関節炎,高齢者,リウマトイド因子(rheumatoid factor:RF)陰性,骨レントゲン上骨びらんを認めない,といった臨床的特徴を呈する疾患である.高齢発症のRF陰性の関節炎を呈する患者の鑑別疾患の1つとして常に挙げられる疾患であるが,明確な分類基準が存在しないために除外診断が中心となる.また,明確なリウマチ性疾患にRS3PE症状が併存した場合には,リウマチ性疾患にRS3PE症状が合併したとする立場もある.本稿では,RS3PE症候群について現況での知見を紹介する.

  • 山田 秀裕, 伊東 宏
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2136-2142
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis:GCA)は,合併症の多い高齢者に好発する疾患である.従って,巨細胞性動脈炎に対する治療を標準的ステロイド大量療法で行うと,多くの合併症を増悪・併発させ,QOL(quality of life)や生命予後の著しい低下を招いてしまう.感染症を含む合併症予防管理等の継続的マネージメントが重要である.最新の分子標的薬等の開発とその臨床応用は,GCAの寛解導入・寛解維持療法におけるステロイド依存からの脱却を可能にするかもしれない.

  • 佐田 憲映
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2143-2147
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    我が国の抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎に対するマネージメントの対象はほぼ高齢患者である.欧米での推奨と異なり,我が国ではANCA関連血管炎診療では,免疫抑制薬の併用割合が低い.これは高齢者には腎障害が多いといった我が国のANCA関連血管炎患者の特徴を反映している一方で,副腎皮質ステロイドに依存している可能性もある.リツキシマブやアバコパン等新たな分子標的薬が登場している現在,副腎皮質ステロイドの使用方法を含め,より安全性の高い治療を選択していく必要がある.

  • 古谷 和裕, 吉田 健
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2148-2154
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    多発性筋炎(polymyositis:PM),皮膚筋炎(dermatomyositis:DM),封入体筋炎(sporadic inclusion body myositis:sIBM)は高齢者に好発する炎症性筋疾患である.免疫抑制治療に伴う易感染性に原病による筋力低下が加わり,臨床的寛解が得られた後も,高齢者では特に長期的な健康状態を損いやすい.また,特殊な炎症性筋疾患の1つとして,S1神経根症誘発性限局性筋炎という病態が近年報告されている.原因は一般的な腰椎症であり,高齢者では潜在的な罹患者が多いと我々は推察している.

  • 佐伯 敬子
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2155-2160
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    IgG4関連疾患(IgG4-related disease:IgG4-RD)は,最近確立した新しい疾患概念である.中高年男性に好発し,通常,血清IgG4値が上昇し,多数のリンパ球,IgG4陽性形質細胞浸潤,線維化により,全身諸臓器に腫脹・肥大を来たす.悪性腫瘍や膠原病,血液疾患等との鑑別が重要で,傷害臓器により診断に有用なツールが異なるため,包括診断基準と臓器別診断基準を併用して慎重に診断する.ステロイドが著効するが,減量や中止で再燃が多い.

  • 中村 洋
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2161-2169
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    高齢関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の鑑別疾患または併発疾患として,遭遇する機会の多い整形外科的疾患について解説する.変形性関節症(osteoarthritis:OA)は,関節組織の加齢変化を基盤として発症する関節症で,膝関節に好発するほか,手指にもHeberden結節,Bouchard結節,CM(carpometacarpal)関節症がみられる.変形性脊椎症(変形性頸椎症,変形性腰椎症)も加齢と共に出現し,頸・腰部痛と上下肢の神経症状を来たす.関節ならびに関節周囲組織にピロリン酸カルシウム(calcium pyrophosphate dihydrate:CPPD)が沈着するCPPD結晶沈着症も高齢者によくみられ,特に頸椎環軸関節に起こるCrowned dens症候群は脳神経疾患との鑑別が重要である.

座談会
MCQ
特別掲載
  • 春間 賢, 末廣 満彦, 河本 博文
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2188-2195
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    胃炎の診断や分類は,自覚症状や内視鏡所見をもとに行われてきたが,Helicobacter pylori(以下,H. pylori)の発見により,H. pylori感染の有無と胃癌発生のリスクを評価することが主たる目的となった.また,H. pylori除菌後の胃粘膜や,プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)等の薬剤による胃粘膜の変化等,真の胃炎ではない,新たな胃粘膜の所見が出現してきた.さらに,これまで日本では稀と考えられていたH. pylori感染とは無関係な自己免疫性胃炎(A型胃炎)も,日常臨床の場でしばしば経験されるようになった.胃炎の分類には,世界共通の基準としては「Updated Sydney System」が作成され,内視鏡分類だけでなく,胃炎の局在性や病理組織でのスケールを用いた評価が可能となった.日本では,これまで内視鏡や病理組織所見を中心に多くの分類が作成され,萎縮性胃炎の胃体部への広がりを評価する木村・竹本分類が最も用いられている. 最近では,これまでの胃炎診断学についての歴史的な背景を考慮し, H. pylori感染と胃癌のリスク評価を目的とした「胃炎の京都分類」が一般化しつつある.H. pylori感染を診断したときは除菌療法を積極的に行い,萎縮性胃炎が胃癌発生のリスクであることを考えて,内視鏡検査による経過観察を行う.

シリーズ:地域医療を実践する内科医とは
シリーズ:診療ガイドライン at a glance
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 高田 礼人
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2237-2245
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    人獣共通感染症対策確立のためには,病原性発現メカニズムや宿主域決定因子の解明や予防・診断・治療法の開発とともに,自然宿主あるいはキャリアとなる動物を特定し,ヒトへの伝播経路を解明することが重要な課題となる.本稿では,インフルエンザウイルスとエボラウイルスを例に取り上げ,人獣共通感染症病原体という観点からこれらのウイルスによる感染症の疫学を概説する.

  • 山田 充啓
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2246-2253
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    世界に先駆けて超高齢社会に突入した我が国において,高齢者で罹患率の高い疾患である肺炎が,死亡率の第3位となっており(人口動態統計2016,厚生労働省),高齢者への肺炎対策は,医療のみならず社会・経済の面からも重要な課題となっている.肺炎は発生場所・患者背景により原因微生物が異なることもあり,市中肺炎,院内肺炎,医療・介護関連肺炎に大別されており,重症度,原因微生物,患者状況を踏まえて治療場所・治療法を決定すべき疾病である.現在,新規抗菌薬の開発は滞っており,肺炎治療薬の劇的な進歩は望めない状況である.一方,分子生物学的手法を用いた原因微生物の診断法は,multiplex polymerase chain reaction(mPCR)法など,臨床の現場でも応用可能な技術が進歩してきており,原因微生物の迅速かつ的確な診断により,適切な抗菌薬の選択につながることが期待されている.抗菌薬に係る研究動向等も踏まえ,限られた抗菌薬の中から適切な抗菌薬を選択し,適切な投与期間・用量で,肺炎診療を現在も未来も継続して行う事が重要である.

  • 高橋 裕
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2254-2258
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)は単純性脂肪肝に,炎症,細胞障害,線維化が加わり,予後不良の進行性疾患である.その成因として,内臓肥満に伴うインスリン抵抗性,脂質異常症,アディポカイン異常,酸化ストレス亢進,ミトコンドリア機能低下,小腸からのエンドトキシン等の複数の要因の集積によって進行するmultiple hit theoryが提唱されている.最近,NASHの成因の一部として内分泌異常が注目されている.中でも成長ホルモン(growth hormone:GH)-IGF(insulin-like growth factor)-1系が重要な役割を果たすことが明らかになった.成人GH分泌不全症においては脂肪肝/NASHの合併頻度が増加し,GH補充療法によって改善する.GHは肝細胞における脂肪合成を抑制するが,IGF-1の新たな作用として,IGF-1が線維化促進の鍵となる肝星細胞の細胞老化を誘導することによって線維化を改善することが明らかになった.IGF-1は動物モデルにおける一般のNASH,肝硬変を改善することから,臨床応用が期待されている.

  • 大曲 貴夫
    2017 年 106 巻 10 号 p. 2259-2264
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル フリー

    薬剤耐性菌が世界中に拡大し,問題となっている.この問題が大きくなる一方で,新規の抗微生物薬の開発は停滞しており,近い将来には治療に必要な抗微生物薬が枯渇する可能性がある.これは,医療そのものの持続性さえをも脅かす大きな問題である.我が国では2016年4月に「薬剤耐性(antimicrobial resistance:AMR)対策アクションプラン」が制定された.WHO(World Health Organization)の薬剤耐性に関するグローバル・アクションプランの5つの柱をもとに,国際協力という日本独自の6つ目の柱を加え,分野毎の目標・戦略・取り組みが設定されている.本アクションプランの大きな特徴は,2020年までに達成すべき成果指標として数値目標を掲げている点である.このアクションプランでは,PDCA(plan-do-check-act)サイクルを導入することでプランの実現を図っていく.

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