日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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107 巻, 1 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
内科学会NEWS
目次
特集 肝炎ウイルス克服時代の肝臓病学
Editorial
トピックス
MCQ
シリーズ:地域医療を実践する内科医とは
シリーズ:診療ガイドライン at a glance
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 三井 亜希子, 鶴岡 秀一
    2018 年 107 巻 1 号 p. 103-109
    発行日: 2018/01/10
    公開日: 2019/01/10
    ジャーナル フリー

    これまで,薬剤性腎障害(drug-induced kidney injury:DKI)の定義とその予防や治療に関して明確なものはなく,発症頻度の詳細や病態の体系的理解に結び付く報告も少なかった.2016年,我が国で初めて「薬剤性腎障害診療ガイドライン2016」(日本医療研究開発機構 腎疾患実用化研究事業,2016年)が刊行され,具体的な概念の提唱と障害機序をもとに分類・診断する試みがなされた.薬剤性腎障害は,急激に腎機能が悪化する急性腎障害(acute kidney injury:AKI)だけでなく,慢性的に緩徐に腎機能が悪化する慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)やネフローゼを呈する場合もあり,症状・経過は多彩である.発症機序は,予測可能なものと予測不可能な特異体質によるものに大別され,特に前者では投与前にリスクファクターの評価と対策を講じることで発症を抑制できる可能性がある.また,DKIを疑った場合には,原因薬剤を可能な限り早期に同定・中止することが基本となる.今後は,データ集積,得られたエビデンスの検証,国際比較により薬剤性腎障害診療の確立が進むと考えられる.

  • 秋下 雅弘
    2018 年 107 巻 1 号 p. 110-114
    発行日: 2018/01/10
    公開日: 2019/01/10
    ジャーナル フリー

    高齢者で薬物療法を安全かつ有効に実施することは非常に困難である.実際に,薬物動態の加齢変化やポリファーマシー(polypharmacy)を背景として,薬物有害事象(adverse drug events:広義の副作用.薬物アレルギー等確率的有害事象のほかに,薬効が強く出過ぎることによって起きる有害事象等薬物使用に関連した全ての有害事象)のリスクは高齢者ほど高く,残薬や処方の適正化という問題もある.特にポリファーマシー対策は喫緊の課題であり,「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(日本老年医学会)をその対策に用いることができる.しかし,その内容には,まだ信頼性の高いエビデンスがない場合も多く,適用範囲と薬物の種類は定期的にupdateしていく必要がある.もう1つの課題は,高齢者の適切な薬物療法という考え方と上記ツールを普及・啓発することである.医療提供側はもとより,医療を受ける高齢者とその家族の理解がなければ適切な医療を提供し得ない.自治体を含めて地域包括ケアシステムに関わる全ての関係者が協力して啓発に努めていくべきである.

  • 有村 義宏
    2018 年 107 巻 1 号 p. 115-123
    発行日: 2018/01/10
    公開日: 2019/01/10
    ジャーナル フリー

    抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎など,血管炎に関する研究・診療は,最近の数年間に飛躍的に進展した.ANCA関連血管炎の疫学研究ではHLA DRB1*09:01,DRB1*13:02が関連していることが明らかとなった.ANCA産生機序・病態研究では,好中球細胞外トラップを含むANCAサイトカイン連鎖説,ミスホールド蛋白/HLA-DR複合体説が提唱され注目されている.臨床面では,血管炎に関する新規分類(CHCC2012)が提唱され,分類・疾患名の改訂,日本語病名の統一などが行われた.また,ANCA関連血管炎の診療ガイドラインの改定版が発刊され(2017年),血管炎の疾患概念の普及や標準的な治療法が提示された.さらに「厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班」のホームページが設置され,診療ガイドラインのポイント,典型的な病理組織像が掲載され,血管病理診断コンサルテーションシステムが開始された.

専門医部会
第15回日本内科学会北陸支部オープンカンファレンスまとめ(企画:専門医部会)
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
内科学会からのお知らせ
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