日本内科学会雑誌
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107 巻 , 5 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
内科学会NEWS
目次
特集 腎疾患領域における薬剤管理 今注目されるポイント
Editorial
トピックス
I.総論
II.各論
  • 土谷 健, 眞壁 志帆
    2018 年 107 巻 5 号 p. 834-840
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     多発性囊胞腎は最も頻度が高い遺伝性腎疾患であり,1990年代の2つの原因遺伝子の発見を端緒に,発症の機序,増悪に関わる因子等の解明が進んできた.特に,環状アデノシン一リン酸(cyclic adenosine monophosphate:cAMP)が細胞内の重要なシグナルで,産生・代謝にバソプレシン受容体を介するため,その阻害薬トルバプタンが臨床レベルで治療薬として実用化された.今後,本症に対する薬物療法の可能性がさらに広がるものと推測される.

  • 古市 賢吾, 和田 隆志
    2018 年 107 巻 5 号 p. 841-847
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     糖尿病性腎症は,腎不全の主要な原疾患であり,腎臓への保護作用が期待できる薬剤の開発が求められる.これまでレニン・アンジオテンシン系阻害薬やスタチン系薬剤が腎保護作用を有することが示されてきた.近年,DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬,インクレチン作動薬あるいはSGLT2(sodium glucose cotransporter 2)阻害薬が腎障害進展を軽減するうえでも有用であることが注目されてきている.

  • 守山 敏樹
    2018 年 107 巻 5 号 p. 848-855
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     「CKD診療ガイド2012」(日本腎臓学会,2012年)に「CKDにおける尿酸管理」の章が設けられている1).これは2012年版で新たに設けられたものであり,その背景には,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の発症・進展に及ぼす高尿酸血症の意義についての知見が集積してきたこと,及び我が国において新たな尿酸生成抑制薬が上市され,尿酸のマネージメントに注目が集まり始め,CKD診療の現場での道標が求められるようになった状況がある.本稿では,CKD患者における高尿酸血症治療について,尿酸降下薬の用い方を中心に解説する.

  • 鶴屋 和彦
    2018 年 107 巻 5 号 p. 856-864
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     近年,心房細動例においてワルファリンに代わる直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)が使用可能となり,その使用頻度は年々増加している.DOACは,早期~中等度の慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)においても有効性・安全性が認められているが,高度腎機能障害例や透析患者では禁忌とされている.また,透析患者では,心房細動例に対するワルファリン投与の是非についても結論が出ていない.現在,血液透析患者を対象とした無作為化比較試験が行われており,その結果が待たれる.

  • 松原 雄, 柳田 素子
    2018 年 107 巻 5 号 p. 865-871
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     抗がん薬に伴う急性腎障害は,薬剤性腎障害のなかで抗菌薬や非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)に次いで頻度が高く,白金製剤を中心とした尿細管障害,血管新生阻害薬やゲムシタビンに代表される血栓性微小血管症,メトトレキサートによる結晶性腎障害等がある.さらに,免疫チェックポイント阻害薬による間質性腎炎も注目されている.特異的な治療は存在しないため,薬剤以外の腎障害危険因子を排除しつつ,腎機能を適切にモニターし,早期に介入することが肝要である.

  • 後藤 俊介
    2018 年 107 巻 5 号 p. 872-877
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)は,さまざまな上部消化管疾患の治療成績の大幅な向上に寄与した薬剤であり,現在,臨床現場で広く使用されている.ただ近年,プロトンポンプ阻害薬と腎機能低下の関連が報告されており,本稿では,それらについて概説する.プロトンポンプ阻害薬は,稀に急性間質性腎炎を起こす可能性があることが報告されている.また,大規模な観察研究において,腎機能低下との関連の可能性も指摘されている.ただし,そのリスクがプロトンポンプ阻害薬の有するベネフィットを上回るものかどうかは定かではなく,漫然と使用している場合には,必要性を見直す必要があると考えられる.

  • 谷澤 雅彦
    2018 年 107 巻 5 号 p. 878-887
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     B型肝炎治療薬の核酸アナログや抗HIV(human immunodeficiency virus)治療薬による腎障害は少なくない.腎障害は,必ずしも血清Cr値上昇のみで表わされるわけではなく,特に尿細管障害は血清Cr値上昇によらない所見(尿細管性蛋白尿,低リン血症,代謝性アシドーシス,尿糖,低尿酸血症等)を呈することが多いため,これらの所見が早期発見の手掛かりとなる.抗ウイルス薬による尿細管障害の患者の多くは,既存の腎機能障害を有している場合も多いため,腎臓専門医へのコンサルトを要する.

MCQ
特別掲載
シリーズ:地域医療を実践する内科医とは
シリーズ:診療ガイドライン at a glance
今月の症例
  • 塚田 和佳, 佐藤 一也, 佐藤 啓介, 高山 さおり, 上田 辰也, 稲村 純季
    2018 年 107 巻 5 号 p. 915-922
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     88歳,女性.右乳癌stage Iに対し,右乳房部分切除術を施行.術中・術後経過に出血症状は認めなかった.術後42日目に右腋窩痛で当院救急外来を受診,創部膿瘍と診断され,切開排膿し,レボフロキサシン処方で帰宅したが,翌朝,同部位より出血が止まらず,入院となった.出血時間,APTT(activated partial thromboplastin time)の延長とvon Willebrand因子(von Willebrand factor:vWF)活性の低下が認められ,後天性von Willebrand症候群(acquired von Willebrand syndrome:AvWS)の診断に至った.AvWSは見逃されやすく,高齢者でAPTT延長を認めた際の鑑別に挙げるべき疾患である.

  • 鈴木 康秋, 伊藤 啓太, 上原 聡人, 上原 恭子, 久野木 健仁, 藤林 周吾, 芹川 真哉
    2018 年 107 巻 5 号 p. 923-930
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     68歳,男性.肝障害精査にて当科受診.トランスフェリン飽和度,血清フェリチンが高値のため,鉄過剰症が疑われた.肝MRI(magnetic resonance imaging)IDEAL(Iterative Decomposition of water and fat with Echo Asymmetry and Least-squares estimation)IQのR2*MapによるR2*値が著明に高く,高度の肝内鉄沈着所見を呈した.肝組織生検の鉄染色では,肝実質細胞内に高度の鉄沈着をびまん性に認め,肝ヘモクロマトーシスの診断となった.MRI IDEAL IQによる新たな鉄測定法は,ヘモクロマトーシスの非侵襲的検査法として有用である.

医学と医療の最前線
  • 髙橋 聡
    2018 年 107 巻 5 号 p. 931-937
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     梅毒の罹患率は増加しており,本疾患の疫学,診断及び治療の知識が必要となっている.梅毒の病変は,典型例から非典型例まで多彩であり,典型例ではない場合には,梅毒血清反応の検査が必要になる.また,無症候梅毒も梅毒血清反応の検査によって診断できる.治療は,ベンザチンペニシリンGが世界標準の推奨治療法であるが,我が国では使用できないため,アモキシシリンが投与される.治癒判定は,症例によって複雑な解釈になるが,カルジオリピンを抗原とする抗体検査法が治療経過を反映するので,こちらを追跡することになる.梅毒への対応としては,まずは疑い,検査を依頼することとなる.他の性感染症の罹患や性感染症の既往,不特定の性的パートナーの存在,HIV(human immunodeficiency virus)感染等の梅毒も含めた性感染症感染の危険因子を有する場合には検査が必要であることを伝える必要がある.梅毒を制圧するためには,特定の診療科のみではなく,多くの診療科が連携して立ち向かう必要があることを強調したい.

  • 河田 則文
    2018 年 107 巻 5 号 p. 938-943
    発行日: 2018/05/10
    公開日: 2019/05/10
    ジャーナル フリー

     B型,C型慢性肝疾患の治療はめざましい進歩を遂げ,肝炎ウイルスの制御が可能となった.しかしながら,肝硬変,アルコール性・非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH),原発性胆汁性胆管炎や原発性硬化性胆管炎等肝線維化が鍵となる疾患に対する治療はunmet medical needsにとどまっている.これを解決するためには,肝線維化の病態を分子細胞論的に細密に解析し,その情報をもとにした標的治療薬の開発が必須である.肝臓における細胞外マトリックス物質(extracellular matrix materials:ECMs)の産生細胞は星細胞や門脈周囲の線維芽細胞が主体であり,それらが活性化すると筋線維芽細胞(myofibroblast:MFB)として線維化の増幅のみならず,炎症や免疫反応制御,さらには肝癌の微小環境構成の主役となる.従って,肝線維化の治療には,肝細胞障害の阻止と同時に活性化星細胞の機能制御が必要である.近年,線維化誘導分子の解析が進展し,それらをターゲットとした臨床試験が始まっている.

専門医部会
第25回東海支部セミナーまとめ(企画:専門医部会)
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
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