日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
108 巻, 12 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
内科学会NEWS
目次
特集 内科と救急医療~現場のピットフォールと診療スキル~
Editorial
トピックス
I.救急医療に対する日本内科学会の取り組み
  • 横山 彰仁, 鈴木 昌
    2019 年 108 巻 12 号 p. 2427-2434
    発行日: 2019/12/10
    公開日: 2020/12/10
    ジャーナル フリー

    内科医師の多くは,何らかの形で疾病急性期の診療に関わり,また,関わってきた.それは,内科学のなかで各種疾病の急性期として認識されてきたからである.しかし,現代の医療と医学では,救急医学がそこに専門性を持つようになった.救急医学が全ての救急患者を網羅的に診療できるわけではなく,内科医師は疾病救急に今後も関わっていく必要がある.日本内科学会は,疾病救急についての関わりを従来から行っているものの,これがいわゆる臓器別サブスぺシャルティとは別の構造であるがために,広く認知されているとは言い難い.そこで,本稿では,日本内科学会や内科学における救急医療に関する位置付けと取り組みとを記述する.

II.救急医療の現場から見えてくる内科診療のピットフォール
III.救急医療現場の診療スキルを活かす
IV.高齢者救急の課題―予防の重要性と取り組み―
座談会
MCQ
シリーズ:地域医療を実践する内科医とは
シリーズ:診療ガイドラインat a glance
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 岡野 栄之
    2019 年 108 巻 12 号 p. 2547-2553
    発行日: 2019/12/10
    公開日: 2020/12/10
    ジャーナル フリー

    iPS(induced pluripotent stem)細胞技術が開発されて10年以上になるが,この技術を用いた医療応用は,再生医療及び病態解析・創薬研究に大別できる.実際にiPS細胞技術を用いて開発された再生医療(加齢黄斑変性症,心不全,血小板輸血不応症を合併した再生不良性貧血,Parkinson病ならびに脊髄損傷)や薬剤(進行性骨化性線維異形成症,Pendred症候群ならびに筋萎縮性側索硬化症)を用いた臨床試験が始まりつつあり,ますます注目されている.本稿では,中枢神経系の疾患を中心としたiPS細胞技術を用いた病態解析・創薬研究の進捗について概説する.

  • 南方 良章
    2019 年 108 巻 12 号 p. 2554-2560
    発行日: 2019/12/10
    公開日: 2020/12/10
    ジャーナル フリー

    慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)の身体活動性に対する重要性認識の向上に伴い,身体活動性に関する臨床研究が近年急速に増加してきている.身体活動性をより客観的に評価する目的で加速度計の使用が広まってきたが,同時に,非装着や環境因子等のさまざまな問題点も明らかとなり,データの再現性を高める対策が必要となってきた.さらに,身体活動性の指標は複数存在するが,それぞれの意味合いの差異に対する理解も重要となる.身体活動性維持・向上を目指した医療介入としては,気管支拡張薬,呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)ならびにモチベーションの向上等を組み合わせた複合的介入が有効と考えられるが,再現性を高めたデータ処理を行ったうえでの効果の評価が重要である.新たな指標であるsedentary(座位相当)時間は,身体活動性とは独立したCOPD患者の予後規定因子であり,座位中断と緩徐歩行数の増加も重要な介入方法であると考えられる.

  • 宇都宮 一典
    2019 年 108 巻 12 号 p. 2561-2566
    発行日: 2019/12/10
    公開日: 2020/12/10
    ジャーナル フリー

    食事療法は,2型糖尿病における治療の基本となるものである.しかし,糖尿病の病態及びその背景をなす食習慣が多様化した現在,一定の管理目標を掲げた画一的な栄養指導には実効性を期待できない.特に高齢者糖尿病では,フレイル予防を念頭に置いた異なる視点が必要であり,病態,臓器障害の有無ならびに年齢等患者の属性に応じた食事療法の個別化が求められている.これまで総エネルギー摂取量の設定は,標準体重BMI 22に基づいてなされてきた.しかし,最近の二重標識水法による研究から,日本人のエネルギー消費量は想定以上に大きな値であることが判明した.肥満者では,この格差が一層広がるものと考えられ,目標体重と総エネルギー摂取量の設定においては,実効性を加味した柔軟な対処に配慮しなければならない.今後,かかる食事療法の個別化に向け,患者を中心としたチーム医療の展開が望まれる.

専門医部会
近畿支部教育セミナー(企画:専門医部会)
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
内科学会からのお知らせ
feedback
Top