日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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ISSN-L : 0021-5384
108 巻, 4 号
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内科学会NEWS
目次
特集 内科サブスペシャルティから総合的に考える代謝内分泌疾患
Editorial
トピックス
座談会
MCQ
シリーズ:地域医療を実践する内科医とは
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 寺尾 知可史
    2019 年 108 巻 4 号 p. 791-797
    発行日: 2019/04/10
    公開日: 2020/04/10
    ジャーナル フリー

    高安動脈炎は,20世紀初めに本邦より報告された比較的稀な全身性血管炎である.我々は,高安動脈炎の解析に遺伝学的アプローチが重要であると考え,共同研究施設や患者会と協力し,本邦の患者の10%以上にあたる患者DNA(deoxyribonucleic acid)を集積して解析を行い,関連HLA(human leukocyte antigen)アレル,非HLA関連領域を同定し,中心となる遺伝子としてIL12Bを同定した.また,疫学的に潰瘍性大腸炎と合併しやすいこと,合併例の臨床的特徴ならびに両疾患の遺伝学的共通部分を示した.そして,IL12Bがコードする分子であるIL12/23p40に対する分子生物製剤が炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)で用いられていることから,高安動脈炎に対して臨床試験を実施し,ウステキヌマブが安全且つ有効な治療となり得ることを示した.さらなる解析によって,高安動脈炎の遺伝学的背景から推定される細胞のサブセットを同定した.本疾患のアプローチは高安動脈炎のみならず,稀な疾患に広く適用できるものであると考えられる.

  • 松本 俊彦, 高見 太郎, 坂井田 功
    2019 年 108 巻 4 号 p. 798-804
    発行日: 2019/04/10
    公開日: 2020/04/10
    ジャーナル フリー

    抗ウイルス剤や分子標的薬の進歩により,肝疾患患者の予後は改善されてきた.しかし,急性肝不全や非代償性肝硬変症の予後は依然として不良であり,肝移植に代わり得るような治療効果の高い内科的治療の開発が必要である.そのため,肝臓再生療法は肝細胞移植(hepatocyte transplantation)に始まり,体性幹細胞を用いた細胞療法へと進歩してきた.それは「肝細胞の補充による残存肝機能の補助」から「肝前駆細胞の活性化と免疫調節による肝再生」への転換を意味し,この転換により,肝不全治療において細胞療法は一定の治療効果をあげている.さらに,バイオ人工肝臓(bioartificial liver system)や脱細胞化臓器骨格を用いた肝臓再生(bioengineered liver)等の人工臓器の開発も進められており,その実用化にはiPS(induced pluripotent stem)細胞やES(embryonic stem)細胞,線維芽細胞等に由来する肝臓構成細胞の作製技術が重要な役割を担う.今後は,体性幹細胞を用いた細胞療法の標準化と人工臓器の実用化に向けた研究の推進が望まれる.

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第27回東海支部教育セミナーまとめ(企画:専門医部会)
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
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