日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
109 巻, 12 号
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内科学会NEWS
目次
特集 新時代に求められる臨床検査の理解と適正活用
Editorial
トピックス
MCQ
シリーズ:地域医療を実践する内科医とは
シリーズ:診療ガイドラインat a glance
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 長船 健二
    2020 年 109 巻 12 号 p. 2553-2561
    発行日: 2020/12/10
    公開日: 2021/12/10
    ジャーナル フリー

    医学的及び医療経済的問題を引き起こしている腎疾患に対する再生医療の開発が期待されている.近年,発生生物学の知見に基づき,ヒトiPS(induced pluripotent stem)細胞(人工多能性幹細胞)から糸球体と尿細管を派生させるネフロン前駆細胞と集合管から膀胱の一部までに分化する尿管芽の2つの腎前駆細胞の分化誘導法が開発され,それらから糸球体,尿細管,集合管が連結した腎組織の作製も可能となっている.また,ヒトiPS細胞由来腎前駆細胞の細胞療法が急性腎障害(acute kidney injury:AKI)モデルマウスにおいて腎障害を軽減する治療効果が見出され,ヒトiPS細胞由来エリスロポエチン産生細胞の細胞療法が腎性貧血モデルマウスの貧血を生理的にコントロールすることが示された.遺伝性腎疾患特異的iPS細胞を用いた新規腎疾患モデル開発と創薬研究も著しく進展している.今後,ますますの研究の進展によって,移植用腎組織の作製と慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)や腎性貧血に対する細胞療法,遺伝性腎疾患に対する新規治療薬の開発が期待される.

  • 青木 洋介
    2020 年 109 巻 12 号 p. 2562-2568
    発行日: 2020/12/10
    公開日: 2021/12/10
    ジャーナル フリー

    高齢者は,加齢による各臓器の機能低下のため,また,複数の基礎疾患を有することが多いため,感染症の罹患リスクが高い.一方で,心身認知機能や生理的な免疫能の低下のため,臨床病像が健康成人と異なり非典型的であり,周囲も気付きにくいため,診断や治療開始が遅れる傾向にある.肺炎や尿路感染症に対して抗菌薬を投与しても,全身状態の改善が遅れるため,必然的に抗菌薬治療期間が長びく傾向があり,抗菌薬耐性菌を保有しやすい.医師側の要因としては,発熱や炎症所見上昇を来たす非感染性疾患の想起がされにくく,これらを認めた場合,直ちに抗菌薬投与が開始されることが多く,耐性菌を生む主因の1つとなる.このため,高齢者は,抗菌薬耐性菌を保有するコア集団となることを認識し,基本的な感染対策の周知に努めることが患者高齢化が進む我が国の医療において喫緊の課題である.

専門医部会
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
内科学会からのお知らせ
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