日本内科学会雑誌
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内科学会NEWS
目次
特集 内分泌疾患と電解質異常
Editorial
トピックス
  • 岩間 信太郎, 有馬 寛
    2020 年 109 巻 4 号 p. 705-711
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    低ナトリウム(Na)血症は最も頻度の高い電解質異常であり,体液量が低下している場合,増加している場合ならびにほぼ正常の場合の3つに分類される.代表的な内分泌疾患として,原発性副腎不全では体液量が低下した低Na血症を,バソプレシン分泌過剰症[(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone:SIADH)]及び続発性副腎不全では体液量がほぼ正常の低Na血症を呈する.低Na血症の鑑別診断には各病態の理解が重要となる.

  • 藤沢 治樹, 椙村 益久
    2020 年 109 巻 4 号 p. 712-717
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    高ナトリウム(Na)血症は水バランスの破綻によって起こるが,その防御機構として,バソプレシン(arginine vasopressin:AVP)の分泌と口渇感が存在している.それにより,腎での水排泄の低下と水分摂取量の増加が生じ,体内に水を貯留することで高Na血症は改善される.高Na血症を来たす代表的内分泌疾患である尿崩症は,AVPの分泌または作用が障害される疾患であるが,これに口渇感の障害または水の摂取が困難な状況を合併した場合に著明な高Na血症を生じる.

  • 吉田 雄一, 柴田 洋孝
    2020 年 109 巻 4 号 p. 718-726
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    低カリウム血症を来たす疾患として,原発性アルドステロン症,腎血管性高血圧ならびにCushing症候群・サブクリニカルCushing症候群といった内分泌疾患や,経口摂取による影響を受けることで発症するBasedow病による周期性四肢麻痺や低マグネシウム血症がある.それぞれの疾患の概要,低カリウム血症の発症機序,スクリーニング方法,診断ならびに治療について記載する.

  • 栗原 勲
    2020 年 109 巻 4 号 p. 727-732
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    高K血症はさまざまな病態で生じるが,尿中K排泄の低下がみられ,且つ腎機能が正常の場合は,アルドステロン作用不全が主因の高K血症と考える.高レニンか低レニンか,また,高アルドステロンか低アルドステロンかで,考えるべき疾患が異なる.多くの病態では,Na喪失による低血圧を伴うが,偽性低アルドステロン症II型は,Na吸収の亢進により高血圧となる.それぞれの病態は,K変化を来たす薬剤(主として降圧薬)の作用に関連づけると理解しやすい.

  • 山内 美香
    2020 年 109 巻 4 号 p. 733-739
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    低カルシウム(Ca)血症は,特異的な自覚症状に乏しいことから,測定するまで気付かれないことが多い.血清Ca値は厳密に調節されているため,軽度の異常でもCa代謝調節機構の異常を考えるべきである.Ca,P,Alb,Cr,Mg,PTH,25(OH)D,1,25(OH)2D値等の測定により鑑別診断を行う.PTH(parathyroid hormone)値から原因が副甲状腺か否かを判断し,頻度の多い原因を念頭に鑑別する.低Ca血症の治療は活性型ビタミンD製剤による治療が主となる.

  • 井上 大輔
    2020 年 109 巻 4 号 p. 740-745
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    血清カルシウム(Ca)濃度は8.5~10.4 mg/dlに厳密に調節されている.副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)と活性型ビタミンDは血清Ca濃度を維持する主要なホルモンであり,これらの作用過剰が高Ca血症の主な原因となる.最も頻度の高い原疾患は原発性副甲状腺機能亢進症(primary hyperparathyroidism:PHPT)であるが,最近は医原性のものも多い.ルーチンのCa濃度測定のみならず,高値をみた場合の迅速且つ的確な評価と診断が求められる.

  • 竹内 靖博
    2020 年 109 巻 4 号 p. 746-751
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    低リン血症との関連が深い内分泌疾患は,線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor 23:FGF23)関連低リン血症性くる病・骨軟化症と原発性副甲状腺機能亢進症である.また,稀な病態であるビタミンD依存症等のビタミンD作用不全において低リン血症が問題となることがある.診断と治療に関しては,最近になり,血清FGF23の測定が保険収載されたこと,抗FGF23抗体のburosumabが治療薬として承認されたことが特筆される.

  • 槙田 紀子
    2020 年 109 巻 4 号 p. 752-759
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    血中リン濃度は,細胞外液へのリンの流入と腎からの排泄による出納バランスによって狭い範囲に維持されており,主に腎からの排泄障害によって高リン血症になる.そのほとんどが腎不全によるが,腎からのリン排泄を調節するナトリウム・リン共輸送体(sodium/phosphate cotransporter 2:NaPi-2)の作用亢進によっても高リン血症を来たす.PTH(parathyroid hormone)やFGF23(fibroblast growth factor 23),GH(growth hormone)はNaPi-2の発現・活性を制御する代表的なホルモンで,それらの異常を来たす内分泌疾患も高リン血症の原因となる.一方,急激なリン負荷は急性高リン血症の原因となる.

  • 髙橋 克敏, 堀内 咲由莉
    2020 年 109 巻 4 号 p. 760-766
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    人口高齢化・慢性疾患の増加・薬剤使用等により,近年,低Mg血症や亜鉛欠乏症の患者が増えている.しかし,血清Mgや血清亜鉛は日常検査項目でなく,欠乏症状も非特異的である.このため,臨床経過からこれらの欠乏を疑うことが最も重要である.低Ca血症,低K血症,利尿薬,プロトンポンプ阻害薬の長期使用,抗がん薬の一部,慢性下痢,アルコール依存症ならびに心室性不整脈では,低Mg血症を疑う.味覚障害,高齢者,低栄養,褥瘡ならびに血清ALP(alkaline phosphatase)低値では,亜鉛欠乏症を疑う.

MCQ
シリーズ:地域医療を実践する内科医とは
シリーズ:診療ガイドラインat a glance
今月の症例
  • 真辺 諄, 中尾 寛宙, 山口 聡子, 本庄 智香, 廣瀬 正和, 八木田 薫, 山中 治郎, 小畑 馨, 新出 明代, 末長 敏彦
    2020 年 109 巻 4 号 p. 784-791
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    31歳,男性.入院2カ月前からの頭痛,発熱のため入院した.髄液検査における細胞数増多に加え,頭部MRI(magnetic resonance imaging)で脳底髄膜炎や脳梗塞,両側顔面神経の造影効果増強,下垂体腫大を認めた.血液検査では下垂体前葉ホルモン低下を認め,血清梅毒反応や髄液FTA-ABS(fluorescent treponemal antibody absorption)陽性,HIV(human immunodeficiency virus)抗体陽性で,HIV感染を合併した神経梅毒と診断した.本症例のように,結核性髄膜炎等の他疾患との鑑別が困難な場合や,下垂体炎等の稀な病態を合併することもあるため,注意が必要である.

  • 中田 均, 江川 強志, 青木 邦江, 井上 純一, 井村 春樹, 東 一, 加山 寿也
    2020 年 109 巻 4 号 p. 792-797
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    症例は69歳,男性,肺炎治療の経過中にショック状態となり,急激に進行する血液濃縮所見と低アルブミン血症を認めた.肺炎による敗血症性ショックと考え,大量補液,カテコラミン,抗生剤の投与を行い,病状は改善.しかし,過去に程度は軽いが,同様のエピソードがあり,後日の評価にてM蛋白血症を認めたことから,除外診断を行い,全身性毛細血管漏出症候群と診断.予防的治療の検討中に再発し,集学的治療が行われたが,死亡した.

  • 福本 晃, 永田 信二, 森 豪, 鴫田 賢次郎, 朝山 直樹, 柾木 慶一, 青山 大輝, 本田 洋士, 行武 正伸, 向井 伸一
    2020 年 109 巻 4 号 p. 798-803
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    生来健康な40歳代の女性が血便を主訴に受診した.大腸内視鏡検査にて回盲弁上に潰瘍を認め,内視鏡的に止血した.後日,粘膜生検にて腸結核と診断した.呼吸器症状を全く認めていなかったが,胸部CT(computed tomography)で肺に小さい浸潤影を認めており,喀痰検査にて肺結核と診断した.消化管出血は日常診療でしばしば遭遇する病態ではあるが,たとえ健常人であっても,結核の初発症状である可能性も念頭に置く必要がある.

医学と医療の最前線
  • 權 寧博, 福田 麻佐美, 山田 志保
    2020 年 109 巻 4 号 p. 804-811
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    喘息は従来に比べ,吸入ステロイド薬及び長時間作用性気管支拡張薬による吸入療法の普及に伴い,コントロールが可能となり,多くの喘息患者は健常人と変わらない日常生活を送れるようになっている.しかしながら,吸入療法だけでは症状や発作のリスクをコントロールできない喘息も全体の5~10%存在しており,難治性喘息に対する治療管理をどのように適切に行っていくかがこの領域の重要な課題となっている.このような重症患者においては,診断の見直し,吸入指導や併存症の治療に加え,近年登場した生物学的製剤や気管支熱形成術等が治療オプションとして加わり,これらの治療を患者のタイプに合わせてどのように使い分けていくべきかということが議論されるようになっている.喘息の気道炎症の免疫学的機序には多様性があり,この多様性は患者が有する臨床特性(発症年齢,併存疾患の種類,バイオマーカーならびに発作の誘因等)の基盤となっている.気道炎症の免疫学的機序を考慮し,これら生物学的製剤の使用を最適化することが,期待される治療効果をもたらすものと考えられるが,気道炎症の多様性を正確に捉えるためには,これら炎症機序がどのような臨床特性と結び付いているかを理解する必要がある.本稿では,近年刊行された「喘息予防・管理ガイドライン2018」(日本アレルギー学会,2018年)を踏まえ,重症喘息をいかに管理すべきか,その治療戦略について概説する.

  • 古橋 和拡, 丸山 彰一
    2020 年 109 巻 4 号 p. 812-818
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell:MSC)は,細胞治療に使用されている細胞のなかでも研究が積極的に行われている細胞の1つである.MSCは,免疫調整能・抗アポトーシス・再生促進といった多面的な作用を有しており,さまざまな疾患に治療応用が期待され,臨床応用が進んでいる.日本においては,再生医療に関して,世界に先駆けて新たに法整備がなされたことで,MSCを利用した再生医療の臨床応用が加速的に進み,有望なMSC治療開発の場として世界から注目されている.本稿では,広がりをみせるMSC研究に対して,基礎的側面と臨床的側面からMSC研究の現状と問題点について検討し,さらに,今後の課題と将来性について考察する.今後,臨床試験で得られた結果と基礎研究から得られた結果をお互いにリンクさせながら,MSCの研究が加速的に進むことを期待する.

  • 門脇 裕, 石田 純一, 赤澤 宏
    2020 年 109 巻 4 号 p. 819-826
    発行日: 2020/04/10
    公開日: 2021/04/10
    ジャーナル フリー

    がん医療の進歩は,がん患者の生命予後を飛躍的に向上させたが,治療の長期化に伴う種々の心血管系有害事象が問題となっている.このような現状に対応すべく,腫瘍循環器学(cardio-oncology)は腫瘍学及び循環器学的見地から,がん患者を総合的に診療する新たな学術分野として誕生し,発展を続けている.主に抗がん化学療法に由来する心血管毒性の分子生物学的な基礎研究による病態機序の提唱や,欧米を中心とした大規模な臨床研究の結果から,部分的ではあるものの,複数のガイドラインやステートメントが公表された.しかし,真に各々の病態を理解し,それを克服するためには,さらなるエビデンスの蓄積が必要であり,課題は山積している.cardio-oncologyの現状と今後の展望について記述する.

専門医部会
第324回日本内科学会九州地方会教育セミナー
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
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