日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
109 巻, 7 号
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内科学会NEWS
目次
特集 出血傾向
Editorial
トピックス
MCQ
シリーズ:地域医療を実践する内科医とは
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 和田 健彦
    2020 年 109 巻 7 号 p. 1432-1438
    発行日: 2020/07/10
    公開日: 2021/07/10
    ジャーナル フリー

    近年のがん診療において,腎障害の合併は生命予後を左右する重要なリスク因子であり,がん治療を困難にする要因としても認識されている.また,腎疾患患者に悪性腫瘍が生じた場合の診断,治療やケアについても,さまざまな問題が生じることが多い.悪性腫瘍と腎臓に関する問題を理解し,対処法を最適化するために,2010年代に入って分野横断的なサブスペシャルティとして“onconephrology”が登場し,発展しつつある.onconephrologyがカバーする領域は広く,急性腎障害の予防と治療,抗がん薬の副作用とその対策の他,腎障害患者に発症する悪性腫瘍の諸問題や人生の最終段階に入ったがん患者と腎代替療法の問題等さまざまな課題が存在する.近年,国内外でこの分野への興味が高まり,腫瘍医,腎臓医と医療スタッフのコラボレーションが活性化しつつあり,がん診療と腎障害に関する諸問題の解決を介した患者アウトカムの向上が期待されている.

  • 井上 淳, 正宗 淳
    2020 年 109 巻 7 号 p. 1439-1444
    発行日: 2020/07/10
    公開日: 2021/07/10
    ジャーナル フリー

    A型肝炎ウイルス(hepatitis A virus:HAV),E型肝炎ウイルス(hepatitis E virus:HEV)は,主に経口感染して急性肝炎を引き起こすウイルスである.日本では,4類感染症に分類されており,診断したら直ちに届け出る必要がある.HAVは汚染された食物や水の摂取で感染することが多く,衛生環境の改善と共に,近年は感染者報告数は減少傾向であったが,2018年は男性間性交渉者の間での大きな流行がみられており,性感染症としての側面もあるため,病歴聴取の際は注意を要する.HEVは人獣共通感染症であり,ブタ等の内臓や肉を加熱不十分な状態で喫食することにより感染することが多いと考えられるが,感染源が不明な症例も多い.E型肝炎患者の報告数は,検査法が2011年に保険適用となって年々増加しているが,未診断・未報告例はさらに多いと考えられ,急性肝炎患者では必ず抗体検査を行う必要がある.また,免疫抑制状態の患者では慢性化する場合があり,注意が必要である.

専門医部会
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
開催報告
内科学会からのお知らせ
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