正確な全体水量を知るために, 同一人について重水法, NAAP法および体比重法の三種の方法を併用して, 全体水量を測定した. 三方法による全体水量値は, 算術平均では重水法によるものが最大であるが, 推計学的に三方法間に有意差は認められなかつた.
男子および女子の全体水量の平均は, それれぞ62.1%体重, および55.2%体重を得た. 全体水量と身長および体表面積との間には, それぞれ有意の相関を認めた.
邦人男子と米人男子の全体水量を比較すると, 米人の平均は若干小さい値を示すが, 等しい栄養状態の対象のみを比較すると, 両国人間に差は認められない.
全体水量より体組成を計算したが, 基礎体量, 脂肪量および固形量は, 男子でそれぞれ84.8%, 15.2%, 22.7%, 女子では75.4%, 24.6%, 20.2%であつた. 脂肪量のみ女子に大で, 他の組成は男子に大であつた.
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