日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
48 巻 , 8 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 加藤 達雄
    1959 年 48 巻 8 号 p. 1199-1224
    発行日: 1959/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    炎症における副腎皮膚ホルモンの局所への滲透と局所の組織細胞の代謝に及ぼす作用をみるため,肋膜炎イヌおよび肋膜炎患者内17-OHCS濃度をPeterson法の変法により測定,さらに滲出液内の諸物質の変動について副腎皮質ホルモン投与の影響を検討した.炎症に際して内因性に発動され,または外来性に投与された副腎皮質ホルモンが炎症局所の滲出液中に血中濃度を超えて集中なるのがみられた.そしてこの局所に蓄積したホルモンが,局所組織の嫌気の解糖に抑制的に,蛋白融解現象に阻止的に働くことを知った.一方濾出液ではかゝるホルモンの蓄積がみられない.炎症滲出液へのホルモンの出現の度はその炎症の急性,慢性の別,血中濃度の維持時間により異なり,また局所適用による血中濃度の上昇は一時的であること, ACTH投与では滲出液中へのホルモンの出現の遅いことなどの事実が知られたが,これらは副腎皮質ホルモンの臨床応用上重要なものと考える.
  • 佐藤 辰男
    1959 年 48 巻 8 号 p. 1225-1238
    発行日: 1959/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本邦における心弾動図法の研究は,これまで主に簡易型ないしHigh-frequency table型装置によつて行なわれ,これらよりも,さらに正確と云われるLow-frequency table型装置による研究はほとんど行なわれていない.そこで著者はLow-frequency table型装置を用いて,まず健康男女118例の心弾動図波形を解析し,本装置による本邦健康者の性別および年令別の正常値を求めた.次に高血圧者110例の心弾動図波形を解析し,あわせて高血圧の心弾動図に特徴とされるK波の増深について検素を行なつた.その結果,高血圧者に見られる波形異常は,年令および高血圧持続期間と,さらにまた心電図,胸部X線像および眼底の異常所見等のごとき動脈硬化の所見と密接な関係にあり,血圧の高さとは無関係で,高血圧者でも若年性の場合には正常波形を示す例の多いことが認められた.以上から心弾動図法は,高血圧に続発的に生じた病変の程度の判定に対して,有力な指標にあるものと考えられる.
  • 前山 昇
    1959 年 48 巻 8 号 p. 1239-1246
    発行日: 1959/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    肺結核患者にINH単独ならびに旧ツベルクリン液注射を併用したINH療法を行ない,その喀疲を室橋により考案されたマラカイト緑,フクシン染色により染色し,喀痰中結核菌の染色状況と結核病型,病状ならびに化学療法中の病状の推移を対比追求し,化学療法効果判定の一助とせんとした.橋室は本染色により緑染する菌の一部は生菌,赤染する菌は死滅した菌であろうと報告しているが,私は本染色法によりINH単独ならびに併用療法中の喀痰中緑染菌を観察し,生菌と思われる結核菌の治療による推移を検討し,次の結果をえた.1)治療前の緑染菌は陳旧病型および陳旧空洞型に高率であつた. 2) INH投与により緑染菌は減少した.3) INH耐性例ではカタラーゼ陽性例に緑染菌が高率に見出された.4)切除肺病巣では空洞壁の方が空洞内容に比し緑染菌は高率であつた.5)旧ツベルクリン液注射を併用したINH療法により,クール初期には菌数は増加し,緑染菌の比率は減少したが,後期には菌数は減少し,緑染菌の比率は増減相半ばする結果をえた.
  • 菅田 文夫
    1959 年 48 巻 8 号 p. 1247-1261
    発行日: 1959/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    白血球ペルオキシダーゼに関して,ビタミンCを用いる清水らの染色法により,好酸球を3型に分類,ソーン試験と比較,その臨床的意義を再考するとともに,実際にペルオキシグーゼを膿汁中より取り出し電気泳動により分離,超遠心によりその沈降常数を算出して分子量を推定,鉄含量を測定し,その性質について力タラーゼ, Trypsin,熱,放射線等の影響を活性などの面より検討,またその作用に関して,ヒスタミン固定作用はみとめられないが,数種Toxinに対して解毒的に作用することを確認し,酵素作用には2価の鉄イオンが重要な役割を果していることをたしかめ,白血球ベルオキシダーゼの生体内における存在意義について若干の究明を行なつたものである.
  • 入沢 健
    1959 年 48 巻 8 号 p. 1262-1270
    発行日: 1959/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    イヌ42頭,家兎10羽を加圧刺激により腎血管より発する血圧反射の有無およびその求心路について検索した.イヌではエチールチオバルビツール酸ナトリウム,家兎ではウレタン麻酔のもとに腎血管盲嚢標本を作製しカニューレをその腎動脈に挿入し,腎血管内圧上昇にはヘパリン加生理的食塩水を注入加圧した.効果判定は大腿動脈収縮期圧をもつてした.腎血管盲嚢の内圧上昇の高いほど血圧下降が著明であり,内圧上昇度と血圧下降度の間には特性曲線の関係がみられた.ゆえに腎血管内圧を上昇すると血圧下降反射を生ずると結論される.この血圧反射の求心反射路は主として大および小内臓神経中を,一部は腹部迷走神経中を走る.
  • 須藤 正
    1959 年 48 巻 8 号 p. 1271-1282
    発行日: 1959/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    健康な学生の水泳練習時に出現する蛋白尿に注目し,その成因をクリアランス法による腎血行動態面より検討した.まず水泳練習と蛋白尿排泄との時間的関係を見ると,水泳時または水泳直後多数例に蛋白尿が出現するが,若干例においては数時間後あるいは翌日までも持続するものがあり,また合宿により長期問反復運動負荷を行なうとこの傾向の顕著となるを認めた.水泳時,水泳直後は腎血流量の減少著しく,かつこの際減少率の著しいものは尿蛋白の排泄も高度であつた.従つてこの場合の蛋白尿出現機序としては腎血流量減少が重要な役割りをなしていると考えられる.なお著者は疲労発生に関連し,蛋白尿の体育医学的意義についても言及した.
  • 木村 郁郎, 三宅 毅, 小谷 利一, 山本 矩朗, 山内 泰助
    1959 年 48 巻 8 号 p. 1283-1289
    発行日: 1959/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血液疾患における赤芽球の鉄代謝を追求する目的で, Fe55によるRadioautographyを実施し,同時にSideroblastと対比して観察した.全般的に放射性鉄摂取赤芽球は多染性が最も多く,次いで正色性であり,又個々の赤芽球の摂取状態は多染性,塩基好性に高度のものが見受けられる.疾患別の鉄摂取状態について見れば,一般に本態姓低色素性貧血に最も高度で,真性赤1血球増多症,バンチ氏病,悪性腫瘍などが之に次ぎ,鍵康人,白血病,再生不良性貧血の順に低調となる. Sideroblastの平均可染性鉄穎粒数とRadioautographyによる平均放射性鉄出現度との間には一般に負の相関が認められ,この可染性鉄の状態は鉄摂販能力判定の指標となることを示し,同時に赤芽球の鉄摂取にその有する非ヘミン鉄が重要な役割を演じていることを示している.
  • 脇坂 行一, 藤田 輝雄, 市田 文弘, 山本 俊夫, 作野 忠, 森田 茂, 橋本 昌平, 中村 芳雄, 富田 重良, 石田 千鶴子, 東 ...
    1959 年 48 巻 8 号 p. 1290-1298
    発行日: 1959/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1951~1958年の間に入院した40例の血清肝炎患者における肝機能檢査並びに臨床経過を観察し次の結果を得た. 1)即報の流行性肝炎の統計においては20才乃至29才台に最も多くの罹患者(99例中44例)を見たが血清肝炎の発生頻度には年令的差異は認められなかつた. 2)血清肝炎の発現と肝疾患やその他の既往歴との間には有意の関係は認められなかつた. 3)血清肝炎40例中35例は手術時輸血を受け4例は輸血のみで発病し1例は血清肝炎患者血液の皮注によつて発病した. 4)血清肝炎の黄疸持続期間は7乃至169日(平均50日)でその大多数例は1乃至2ヵ月以内に同復期に入つた. 5)血清肝炎における種々の肝機能検査成績殊にBromsulfalein試驗は多くの症例において囘復後もなお比較的長期間異常を呈し,更に血清肝炎から慢性肝炎或は肝硬変へ移行する症例のあることを穿刺所見から確認した. 6)40例中2例は電撃性肝炎の症状を呈し発病10日以内に死亡し,死後剖檢にてそれぞれ急性並びに亞急性(黄色)肝萎縮症と診断された.
feedback
Top