日本内科学会雑誌
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49 巻 , 2 号
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  • 坂本 豊吉
    1960 年 49 巻 2 号 p. 91-111
    発行日: 1960/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    25例の糖尿病患者に腎生檢を行ない,電子顯微鏡的に観察結果にもとづき,糖尿病性腎病変の組織発生の過程を檢討し,その変化を程度により,次のごとく三段階に分けた.第I期: 糸球体Mesangiumの膜質の増加,ボウマン氏嚢および尿細管基底膜の肥厚がそれぞれ軽度にみられる.第II期: 光顯的にdiffuse lesionに相当し, Mesangiumは更に増生し,糸球体毛細管上皮および内皮細胞,基底膜などにも変化を認め,ボウマン氏嚢および尿細管基底膜はさらに肥厚する.第III期: nodular lesionの段階で,糸球体では極度のMesangium増生により結節が形成され,毛細管基底膜,上皮細胞,内皮細胞などは荒廢し,ボウマン氏嚢および遠位尿細管基底膜の肥厚は高度となり,沈着物も増大する.尿細管上皮細胞も多くは変性する.
  • 成宮 準一
    1960 年 49 巻 2 号 p. 112-123
    発行日: 1960/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    食餌と動脈硬化ならびに高血圧の問題は,近代医学における重要な関心の一つであるが,わが國では農村生活者と都市生活者では食生活に著しい差がみられるので,農村生活者の血清脂質の構成を分析し,動脈硬化症発生との因果関係を既に判明している都市生活者のそれと比較することは,動脈硬化発生に対するlipoproteinの役割を更に明瞭にするものと考え,この研究を行なった.研究方法の中心をなすものは血清脂質の超遠心分析法である.その結果比較的低脂肪食をとる農村生活者においても血清1ow density lipoproteinの濃度と動脈硬化症の進展とは密接な関係がみられ, Atherogenic lndex for Japaneseは農村生活者をこおいても動脈硬化の進展の判定に血清總cholesterolの測定よりは優れていることがわかった.たゞし農村生活者の血清lipoproteinは都市生活者より低いが,これは農村では動脈硬化の進展が都市生活者よりも遅く,その動脈硬化性疾患による死亡率の差はこれに基づくと説明し得る.
  • 角野 照和
    1960 年 49 巻 2 号 p. 124-135
    発行日: 1960/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    助膜および胸廓に病変のある拘束性障害を主とする肺結核症に対して,安静換気時, CO2吸入による過換気時および自発的過換気時の換気力学動態について,とくに過換気時における仕事量の増加の態度について檢討した.助膜べんち形成例および胸廓形成術施行例は,それが片側であっても,安靜換気時すでに,換気力学諸量が,健常群,軽度肺結核群と著しくへだたりのあるものが多い.1例成形他側べんち例では,肺にほとんど病変がないと思われるにもかゝわらず,高度肺結核症,肺線維症に匹敵するほどの換気力学諸量の悪化がみられた.これらの症例は,換気仕事量の増大による血液ガスに対する悪影響を改善するために,過換気をおこなわせると,經濟的な過換気をおこなうものと考えられるCO2吸入による過換気においても,正常例とことなり,さらに換気の能率が低下し,また,自発的過換気においては,これら能率の悪化による仕事量の増加のため,換気量を増加しえないという悪循環が招来されることを知った.
  • 古閑 義之, 鈴木 泰雄, 田那村 実, 林 泰助, 野崎 恒雄, 山田 良之助, 神田 安雄, 田辺 裕文, 鈴木 豊, 柵山 富士雄
    1960 年 49 巻 2 号 p. 136-141
    発行日: 1960/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1) “鼠に猫を使嗾する方法”によつて情緒ストレスを頻回に負荷して,血圧の変動を観察した.
    2) 又白鼠を高食塩食餌を以て飼育し,これによつて発呈せられる高血圧に対して,情緒ストレスが如何に影響するかを観察した.
    3) 1) については4カ月間の実験期間中,高血圧状態を惹起させることは出来なかった. 2)に関しては,情緒ストレスによつて高血圧の発呈が助長促進せられることを示唆する成績を得た.
  • 山田 欽, 清水 進, 湯浅 謙, 村沢 裕啓
    1960 年 49 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 1960/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    胃癌の細胞診手技として多層式重層遠心分離法並びに癌細胞誘発法を考案した.前者によって胃癌の材料を處理する場合,癌細胞は比重1.045~1.055の間に集中して集められるが,逆にこの比重に異型細胞を認める時は癌細胞と考えて良い.実施上注意すべきは分離面積と被檢材料の量的関係で,分離の不完全な時は再度実施する.粘液にはスプラーゼ添加とガーゼ濾過を行なう.回転数は5000r. p. m.が良い.囘轉数を増減しても各細胞の集中して集まる比重は変化しない.後者はナイトロミン50~100mgを静注し, 6~8時間後に吸引液乃至洗條液にて細胞診を実施する.34例に実施したが好成績で,手技も極あて簡單であった.又從来の方法では併用法が好成績であった.
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